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このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
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2024年10月14日
『老いない』自分の育み方 (※佐野浩一執筆)

 20歳を越すと、脳は退化していく……。
 かつて、こんな話を聞いたことがありました。
 だから、自分自身でも、どんどんアホになっていくんだ……と、どこかに寂しさのようなものを感じていました。だからこそ、自分自身をあきらめない気持ちが高まってきたここともジジツですが……。
 情報とは怖いものです。
 こうして、人の感覚や捉え方、ひいては生き方や人生にも影響を及ぼすからです。
 
 そこで、お伝えしたいことがあります。
 面白い情報というか、科学的根拠のある脳に関する最新情報と出会ったのです!
 脳の機能は、「60歳くらいまではそれほど衰えない」ことが科学的にも明らかになってきたというのです。
 米ワシントン大学で、脳機能に関する調査を行ったK・ワーナー・シャイエ氏らによる「シアトル縦断研究」の結果、25歳から60歳にかけて、ある1つの能力を除き、総合的には「人間の脳機能はほぼ衰えない」と結論付けています。むしろ、肝心なのは60歳以降で、人によって認知機能に格差が表れることを指摘しました。これは、ある意味、衝撃的な研究発表でした。
 では、脳の老化の進行に個人差をもたらしているものは何か?
 別の有名な調査で、「べチュラ研究」というものもあります。この研究結果によると、性別や遺伝的な影響を除き、ライフスタイル上である3つの要因が大きく影響していると結論付けされていました。
 少し、先述したシアトル縦断研究についてお伝えします。この研究は約5000人を対象に約50年も追跡調査を継続してきた大規模なもので、1956年から2005年にかけて7年ごとに計8回の調査が実施されました。
 その内容は、脳の認知機能を6種類のテストで、6つのポイントとして、「帰納的推論力」「空間認知力」「認知速度」「計算能力」「言語能力」「言語記憶能力」に分けて調査するものです。
 結果を確認すると、25歳から60歳にかけては、この6つの能力にさほど大きな変化は見られませんでした。そのうち、「計算能力」は低下しているのですが、年齢が上がるにつれて上昇している能力もあり、ほぼ横ばいの能力もありました。
 たしかに、計算能力は低下しても、他の能力と比べて少なくとも英語学習などには大きな影響を及ぼしません。よって、語学習得については「60歳前後まで加齢は影響しない、または年齢が高くなるほど能力が向上する」と言っても差し支えないようです。
 そういえば、最近、ネット上で、「60歳を越えていても英会話能力が飛躍的向上する!」という触れ込みのサイトが目につくようになりました。もしかしたら、この研究結果をもとに表現されているのかもしれないと想像しました。
 しかし……、60歳以降は明らかに全ての能力でスコアは低下しています。この点についてシャイエ氏は、21年間にわたって追跡できた120人のデータを使って、加齢による認知機能の変化を調べました。データは7年ごとに集め、認知機能の成績の変化を「上がる」「変わらない」「下がる」の3つのグループに分けて分析しました。
 結果、60歳から67歳の間では「変わらない」人が最も多く、「上がる」人も「下がる」人も、実は少数でした。しかし、67歳から74歳になると、「下がる」人が「変わらない」人の半分程度となり、さらに74歳から81歳となると「下がる」人と「変わらない」人はほぼ拮抗する結果となりました。
 全体の傾向としては、たしかに「下がる」人の割合が年を取るごとに増えていくのですが、興味深いことに、逆に認知機能が「上がる」人も少数ながら存在することも判明しています。そこで、シャイエ氏は、「60歳以降については個人差が大きくなる」と指摘しています。
 ここからが大事なポイントです!
 こうした、脳の老化の進行に個人差をもたらしている要因を知りたいですよね!そこで登場するのが、先ほど少し触れた「べチュラ研究」なんです。
 この研究は、スウェーデン北部のウメオ市に住む成人1000人を無作為に選び、1988年から追跡調査したものです。35歳から80歳まで、年齢で10グループに分け、1グループ100人ずつのデータを集め、5年ごとに新しい対象者を追加しながらデータを集めていくというものです。そうして15年間に2〜3回検査を行い、脳の記憶能力を維持した人と低下した人に分けて、どの要因がそれぞれに関連するかを調べたそうです。
 その結果、性別や遺伝的な影響を除いたライフスタイルの要因として、「運動習慣」と「社交性」、「学習歴」の3つの要因が大きく影響していることが判明したのです。
 この調査で2回以上検査対象になった1558人の参加者のうち、18%は記憶能力を維持し続け、68% は年齢相応の変化(やや衰える傾向)を、13%は記憶能力が明らかに低下を示していました。一方、記憶能力を維持できている人は、身体的に活動的な人、誰かと同居している人、教育水準が高い人などである可能性が高いことも明らかになっています。そう考えると、脳の老化防止に大切なのは、学ぶ姿勢を持ち続け、身体をしっかり動かして、働いたりボランティアに勤しんだりするなど、社会とつながっていることだということになります。ぜひ、実践していきたいですよね!
 
 ところで、こんなことを書くと、急に老け込んだ気持ちになってしまうのですが…。
 最近、根気強くひとつのことを考えられない…。
 物忘れが多くなった…。
 寝ても疲れが取れない…。
 よく目がかすむ…。
 歩くのが遅くなった…。
 本稿をお読みになられているみなさんの中には、こうしたことを感じるようになってきたという方もいらっしゃるかもしれません。
 もし、これらを「老い」と呼ぶのなら、その「老い」は気付かぬうちに少しずつ忍び寄ってきます。私も、スマートウォッチのデータから、ここしばらく歩くスピードが遅くなっていることに気づいて、ちょっとショックでした……。
 「そんなのまだまだ…!」と思われているあなたもいつかは経験されることになるかと思います……。でも、いわゆる「老い」を少しでも遅くしたいと願わない人などいないでしょう。
 そこで、食事術や生活習慣といった「不老術」をアメリカの名医がまとめた本が誕生しました。NYタイムズベストセラーに選ばれ、数多くの著名人から絶賛を受けている一冊。
それが、世界9カ国以上で刊行されている話題作『医者が教える最強の不老術』(マーク・ハイマン著 ダイヤモンド社)です。
 本書には、つぎのように書かれています。

『「老い」とは「病気」であり、それには「治療法」がある。』

 私たちが、「老化」とみなしているものは、実は「異常な老化」のことだった……というのです。アメリカ人の6人に1人は慢性疾患を抱えていて、全米高齢者問題協議会によると、高齢者のおよそ80%が少なくとも1つの慢性疾患を抱え、2つ以上の慢性疾患を抱えている高齢者も68%に及ぶと書かれています。
 もちろん、この傾向は、わが国日本でも似たようなものだと推測されます。
 人生100年時代と言われて久しいですが、100歳を超えて生き続けたいと望む人が案外少ないと思われるのは、加齢による機能障害や病気を、心のどこかで「避けられないもの」と思わされてしまっているからではないかと筆者は伝えています。
 でも、もし120歳まで生きて、大好きな人や家族に囲まれ、ウォーキングやスポーツを楽しみ、おいしい料理を作って食べ、幸せに穏やかに暮らしている未来をイメージできたらいかがでしょうか? つまり、先述した、脳を老化させない生活スタイルを目指していくということです。
 加齢は、たしかに、心臓病、がん、糖尿病、認知症、高血圧、自己免疫疾患を含め、あらゆる慢性疾患のリスクを加速させます……。でも、私たちが「正常な」老化と見なしているものは、実は「異常な老化」であると言われたら、意識は一変すると思われませんか?
 それらは、私たちの身体の仕組みに生じる無数の変化の結果であり、だから、「治療可能」なものだ…というとらえ方です。ただ、いまのところ、大部分の医学は「老化」を病気とはみなしていないようですが……。
でも、面白い事実があります!
 『世界保健機関(WHO)は老化を病気として公式に認めている』ということ。
 これにはビックリでした!
 「だから……」というのは、あまりに論理性に欠けると感じられるかもしれません。でも……、そのことを前提に考えると、「対処できる」という考え方につながっていきます。
 舩井幸雄は、「勉強して対処法がわかると、プラス発想できる」と言い続けてきましたが、そのほうが、楽しいですし、ワクワクできますよね!
 実は、少々我田引水ではありますが、私が経営する株式会社本物研究所では、わりと早い段階で、脳の活性化、細胞膜の強化、抗酸化、抗炎症、抗糖化、メンタルの安定などをテーマに、様々な情報をご提供してきました。「間違っていなかった……」という自信をあらためて持てた次第です。
 何かしらサポートできるかもしれません…。

 いずれにしましても、今回の2つの研究と話題の1冊から、「老いない生き方」「老いない工夫」の大切さを、あらためて痛感しました。

 あなたご自身も、ぜひ「老いない」ためのアクションをぜひ!
                              感謝

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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役社長
株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
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