トップが語る、「いま、伝えたいこと」
アメリカの大統領選挙の投票がいよいよ現地時間の明日に迫ってきました。日本の総選挙は過半数には遠く及ばない与党の大敗になりましたが、野党連合で内閣を組閣する動きにはなっていないので、自民党の石破総裁が少数与党として総理を続投する見込みになってきました。
国民民主党がキャスティングボードを握る流れになりましたが、マーケットからみて許容範囲に収まるかどうかはよくわからないというのが実情です。市場参加者の関心はアメリカ大統領選挙にあって、日本のことは後でじっくりと考えればいいのかなという流れになっています。だから、11月1日(金)前場の株式相場は884円安となり、とりあえずは利益確定を優先して様子を見ている状態になっていると思います。
一般的に考えて、市場参加者の中には私たち個人投資家は含まれていないと感じています。本来的には日本の個人は2000兆円を超える金融資産を持っているのですから、ある程度の影響力を行使できる立場になるべきなのかなと感じています。投資行動は、いわば毎日投票をして選挙権を行使しているのと同じことになります。20年程前ぐらいまでは、個人投資家向けの金融商品や証券会社等の金融機関の対応は手数料を取るためのものだけだったというのが実状ですが、インターネット証券会社の登場で少数ではありますが、個人投資家にフレンドリーな商品もできてきています。だから、有意の人が投票権を行使できるようにするのも大事なことだと感じるようになってきました。
そう考えると、父が存命中に株式等の金融商品はすべて売却してくださいという情報発信をしたのは、当時の有意の人に対して投票権を行使するようにお願いしたのだという風にも考えられます。初心者の方でも、最低限の安全を確保するための投資の勉強をしていただければ投資を通じての意思表明をしていただける環境は整ってきていると感じます。当欄で紹介する書籍などを参考にして、有意の人の集合意識を社会に発揮するための行動をしていただく準備を始めていただければと思います。
また、ベテラン投資家の方にとっては、まずしっかりと個人的な利益を出していただくことが大前提ですが、その上でより大きな社会に対しての意思表明の場だと考えてもらうことも大事なような気がしてきました。いろいろな意見があっていいのだと思います。例えば、副島隆彦先生は金(ゴールド)の(証券化された金融商品ではない)現物投資を勧められてきました。実際に、金の価格は史上最高値を行使している状態なので的確なアドバイスだと思いますし、アメリカが中心の現状の支配体制にノーという意味で、大事な意思表明になっています。ただ大事なのは、副島先生のおっしゃることを頭から信用して信者になることではなく、自分なりの考えをしっかりと持っていただくことだと思います。
アメリカの選挙が相場に与える影響については、市場はトランプ勝利を織り込んでいるので、その場合は比較的マイルドな動きになる可能性が高くなると思います。ただ、噂で買って結果で売るのがマーケットなので、ある程度の乱高下は起こるかもしれません。また、ハリスが勝った場合には当面は混乱の度合いが深まります。そして、最も市場が嫌がるのが、結果がなかなか判明しないことです。2016年の選挙までは、敗者が相手に敗北を電話で伝えて結果が確定するのが慣例でしたが、今回も2020年に続いて大接戦になりそうなので訴訟合戦に発展して分断がますます広がっていく可能性が最も高いのかもしれません。
そんな中で、今回紹介するのは、副島先生の新刊「トランプ勢力の徹底抗戦でアメリカの国家分裂は進む」(祥伝社)です。副島先生の鋭い切れ味を持った解説で、トランプ暗殺未遂事件や、大統領選で起こりうる事象について語られている、非常にタイムリーな一冊です。普通ならばSNSやブログ等でないと間に合わないような内容を書籍という形で出版できる、副島先生のスピード感には脱帽するしかありません。
トランプを中心に据えて、最新のアメリカが今後どのような動きを見せるのか、裏で何が起こっているのか。我々がなかなか知る事のできない副島先生が持っている情報(本書を読むとアメリカのリバタリアンの人たちからのレアで有力なものだと感じます)を眺めるのは興味深く、様々な分野で参考になります。本書内の予言についての答え合わせはすぐにわかります。
気になる方はぜひ本書をお読みください。読み終えて改めて感じるのは、トランプの影響力の大きさです。彼がいかにアメリカ社会の既存の枠組みを破壊し、混沌を生み出しているのか。このような本が出版されるのも、彼の持つ影響力の大きさの証明でしょう。
実際にアメリカでも「Disappearing the President(大統領の消失): Trump, Truth Social, and the Fight for the Republic (English Edition)」という本がベストセラーになっているようで、内容も副島先生がおっしゃっていることとかぶる面がありそうです。幸いにも日本ではアメリカほどは分断が進んでいませんが、同じ方向に進んで行っているのは今回の総選挙の結果やその後もなかなか体制が固まらないことで十分に感じられます。情報が錯綜する、理解をするのが難しいトランプのような人物は常に話題の中心であり、その情報には非常に大きな価値があります。副島先生のように独自の情報網を持った方が公開する話を調べ、利害得失だけではなくエンターテインメントとして大統領選を楽しむ余裕が必要な時なのかもしれません。
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2024.11.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】モンテスキューとトランプ氏再選 (※佐野浩一執筆)
2024.11.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】副島先生の語るトランプ (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |