中村陽子の都会にいても自給自足生活
このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

私がオーガニック給食の活動をしている中で、文部科学省が学校給食法第9条第1項で定めている「学校給食衛生基準」がすばらしい!ので、これを遵守するだけで、オーガニック給食がほぼ実現すると称賛していた法律があります。
その法律とは、
有害若しくは不必要な着色料、保存料、漂白剤、発色剤その他の食品添加物が添加された食品、又は内容表示、消費期限及び賞味期限並びに製造業者、販売業者等の名称及び所在地、使用原材料及び保存方法が明らかでない食品については使用しないこと。また、可能な限り、使用原材料の原産国についての記述がある食品を選定すること。
というものです。
ですが、この規定の見直しが提言されています。その論点とは、そもそも食品衛生法に基づいて、安全な食品添加物しか流通していないのだから、「有害若しくは不必要」な食品添加物はないから、これは矛盾しているというものです。有害なものや添加物を使用しないという表現が、食品添加物などへの嫌悪感、反対意見への根拠になっているのではないか、国が安全と定めたことと大きな矛盾が生じていることが長年放置されているという主張です。食品保存料などの業界からの揺り返しでしょうか。
いくつか反論を挙げてみます。
1.そもそもこの基準が制定されたのは、1997年ですが、それ以前から子どもに最高の給食を出そうとしてきた武蔵野市では、1978年から「素性のわかる安全給食」という名の下で、「農薬・添加物は予防原則に従って回避する」という原則が建てられています。ですから、添加物に対する「忌避感」は、基準のせいではありません。私の母などは、1972年朝日新聞連載の「複合汚染」(有吉佐和子)を知ってからは、着色料などの添加物、洗剤を使うことさえせずに私を育ててくれました。
2.常識の範囲だと思いますが、たとえ、国が安全と認めた添加物や農薬でも、有害なものはあるということです。農薬の基準については、日本の残留基準が世界トップレベルで高いので、たとえ国の基準を守っていたとしても、健康は守れないことはほとんどの方が認めてくれると思います。ですが、添加物においても、安全だと認められているものが、ある時点で有害と分かり規制されたり禁止されたりしてきました。また、日本で安全だとされている着色料が、EUやアメリカでは禁止されたりしています。このようなリスクがあるからには、有害な食品添加物を避けるべし、ということは、当然ではないでしょうか。
3.たとえ百歩譲って、店頭販売の食品は見栄えや商品管理のために添加物の使用を必要悪として認めたとしても、学校給食は調理の日の朝8時までに納入し調理することになっているし、全く見栄えを気にする必要はないので、添加物は不要です。一番大切なので、新鮮で、安全であることです。
4.子どもの健康を守る日本一の給食を目指している武蔵野市には、食材選定基準というものがあります。食材は、無農薬・有機栽培・低農薬の米と野菜、非遺伝子組み換えの飼料で育てた鶏卵、日本の海水を濃縮し平釜で煮詰めた海塩、有機国産丸大豆と自家製国産米麹と伯方の塩で醸造した無添加の味噌、国産丸大豆と国産小麦と自然塩で醸造した無添加の醤油、無農薬の米と富士山の水で作った無添加の酢、米と麹だけで醸造した無添加のみりん、鹿児島県種子島のさとうきび100%の洗双糖、武蔵野の地粉うどん、国産小麦で作った麺類、化学調味料は使わないという徹底ぶりです。この基準を日本中に紹介しているのですが、武蔵野市の給食・食育振興財団の北原理事長は、これは、学校給食法第9条第1項の規定にそったものですよ。と教えてくれて、私は学校給食法の存在を知ったのです。
今、この学校給食法が後退する方向に見直されようとしている動きは、とても容認できるものではありません。子どもの健康を第一に考えて努力してきた多くの給食関係者の蓄積を、文部科学省は崩すことなく更なる高みを目指した見直しをしてもらいたいと思います。

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首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。
1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。
長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/