トップが語る、「いま、伝えたいこと」
私や船井総研が成長して現在のようになれたのは、多くの人材に恵まれたからですが、最近、昔のことを思い出す2冊の本が出版されました。
1冊は、6月16日にマガジンハウスから発刊された佐藤芳直著の『思いが実現する船井幸雄の60の言葉』です。
同社からの、この本の「お知らせ」には、著者からのつぎのようなコトバがあります。
【著者、佐藤芳直より】
この春25年勤めた船井総合研究所の常務を船井先生の許しを得て退任いたしました。80歳近い父が経営する家業である会計事務所を継承するためです。退任するに当り25年間の船井先生からの教えをまとめたいと考えました。入社当時、船井先生の運転手をしながら慈愛に満ちた教えを日々いただき、私の手元には120冊を越える船井先生との対話を記録したノートがあります。今でも時に開くそのノートの中身はその時その時の輝くような英知に溢れています。
一人の未熟な人間がいつしかまがりなりにも経営者になっていくプロセスに船井先生の言葉は大きな影響を与えてくれていました。現在、S・Yワークス(サクセス エール)は財務戦略と経営コンサルティングを主業としておりますが、船井先生の教えをそれぞの立場の方々に広く伝えていくことが私の使命であると考えております。船井幸雄60の言葉をどうぞよろしくお願いいたします。
なお、本書に都合上取り上げなかった言葉の数々は(株)S・Yワークス ホームページ 『船井幸雄 今日の言葉』に掲載しておりますのでぜひご覧ください。(佐藤芳直)
【ホームページアドレス:http://www.syw.jp/】
あとの1冊は拙著の『生きざまの原点』(2006年7月5日 グラフ社刊)で、この本は1982年にPHP研究所より出した『船井幸雄の人生五輪の書』の復刊です。
その「あとがき」に私はつぎのように書きました。
本書のためのあとがき
いま私は73歳になりました。
どういうわけか私は、いまの多くの若い人には想像もできないような人生を送ってきたと思います。たとえば、13歳ごろからいままで、働きづめだったのです。もちろん、上手に働くために、いやおうなく学びました。
いわゆる働くことと勉強すること以外は、余暇、すなわちレジャーや観光、文化などとはまったくと言っていいほど無縁な人生を送ってきたのです。この60年間、終日休まねばならないような病気にもならなかったので、おそらく「働くこと」と「学ぶこと」から無縁だった日は、一日も無かったと思います。他の人と比べると、フシギな人生です。これは、いまも変りません。
私は仕事を通じて多くの人の人生、特に経営者というもっとも変化にさらされる人たちの、何千人もの赤裸々な人生をいやおうなく知らされました。そのために働き、学んだと言えるくらいです。
したがって、人間として生きるために根元的なことや世の中の仕組みについて、徹底的に知りました。ただし、それら以外のことは、ほとんどなにも知りません。私はこんな人間なのです。
最近の20年ほどの間で、このような人間である私が知ったことの中に、「競争はつまらない。人生で勝ち負けにこだわるほどばかげたことはない」ということがあります。
また「お金やエゴの追求は必要だが、最低限でよい」ということもあります。
さらに、生きるうえで人間は、@約束は守らねばならない。A恩義は忘れてはならない。B他人のいやがることはしない方がよい。しかしこれら以外のことには、できるだけこだわらないで生きた方がいいという「生きざま観」もあります。
現に私は、このような考え方で生きています。その結果、いまも忙しく、余暇時間もなく、無趣味ですが、非常に幸せなことも事実です。
私の生きざまについて、昔もいまもよく人さまから批判されたり悪口を言われますが、いまでは、気にならなくなりました。しかし、本書の原本を書いた24年前は、気になって仕方がなかったのです。
なお、24年前も、いまも、私は人さまの悪口を言うことはありません。しかし24年前は、競争やケンカによく勝ったがゆえに、負けた人の足をよく引っぱっていました。いまは、人さまの足を引っぱるようなことはないと思っています。
これらは、最近の24年間の経験と勉強のおかげによる変化ですが、私はいまの私の生きざまも、24年前の生きざまも、それなりに肯定しています。若い時は激しく強者、勝者をめざしてがんばってこそよかったのです。
私の最近の考え方については、ほとんど毎日、情報を発信している私のホームページ
(URL: http://www.funaiyukio.com)を御覧いただくと、もっともよくわかると思います。
拙著では、経営につきましては『まちはよみがえる』(2006年2月24日。ビジネス社刊)、多くの人への提言としては『百匹目の猿現象を起こそう』(2006年5月15日。サンマーク出版刊)、時流認識については『これから5年、いよいよ正念場』(2006年6月30日。徳開書店刊予定)などの私の新著を御一読ください。
本書により、読者の皆さまがより幸せな輝かしい人生を歩まれるようになれば、著者としてこれ以上の喜びはありません。
最後に、本書を再び世に出すことに協力いただいたPHP研究所やグラフ社の皆さまに、心からお礼を言い、ペンをおきます。
2006年5月5日
自宅書斎で 著者
この2冊を読み、いままでの30数年間のことを一挙に思い出しました。いろんなことがありました。
しかし大きな目で見ますと、「すべてが必然、必要なことだった」と思えます。もう少し飛躍していいますと、「過去はすべて善かった」とさえ思えるのです。
年齢を重ねたからか、いろんなことを知ったからか。その両方の理由によるのかは別として、ともかくいまの私は安定して楽しく生きています。
「過去すべて善」というのは、よいことです。
ぜひこのように考えて生きてください。
=以上=
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