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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
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2013年9月9日
カラダの正常でない方を大事にしよう

 このHPに何回か書いたと思いますが、私は2006年3月12日から半病人になりました。
 そして2012年12月はじめから病人になりました。
 一向によくなりません。
 自分では悪くなる一方だと思うくらいです。
 半病人(他人には分らない状態)になって、それまでの健康であった時に比べて、自分のカラダが思うにまかせないのをもどかしく思いました。
 セキがよく出るし、出ると何10分もとまらないのです。
 階段を上ると息切れして何回も休まねばなりません。
 この間に医師は20くらいも病名をくれました。薬も処方してくれました。
 しかし大半の医師は、ご自身は健康なので親身になってくれたとは、当方としては思わないのです。ちぐはぐな応答が多いからです。

 ところが病人になると、今度は医師の態度も変ります。
 私の場合、「よだれ」が止まらない、「声」が出ない、「嚥下(えんげ)ができない」「喰べにくい」……みるみるやせました。
 「起きているより、ベッドに横になっている方がいい。」(本当はこれも辛いのですが)……こんなことで自分は病人だと自覚しました。これは、第3者にも分ります。もちろん医師にも分ります。
 そして知ったことは、半病人の時よりは、付きあってくれる人は親切にはなったということ、しかし、親身になってくれる人は、やはりほとんどいない……ということでした。
 これは立場が変ればよく分ります。
 このようにして病人である私は、いつ死が来てもよいと思うようになりました。
 日々の辛さに人さまの好意を、これ以上望まなくなったのかもしれません。
 ただ、私の場合、睡る時、今夜中に死んだとしたら、なるべく見苦しくないようにしたいというので、着る物などに注意するようになったぐらいです。
 もう一つ、家内にとことん頼るようになりました。
 やはり50年もともに生きてきてくれた彼女以外に真に頼る人はいないことがはっきりしてきたからで、「家内に迷惑をかける死に方だけはしたくない」といまもたえず思っています。

 とはいえ、病人になると、多くの人に多少は迷惑をかけてしまいます。
 そこできょうは、多くの病人を代表して、病人を大事にしてやってほしいとお願いしようと思うのです。
 どんな病人も、「自分は病気だから人さまに迷惑をかけている」と知っています。
 しかも病人に対する一般正常人の目が冷たいことにもすぐに気づきます。
 そこで大きな劣等感が生じているはずです。
 パーキンソン病の人が、わざと元気に歩こうとするのもそのあらわれですが、やはりすぐにつまづいてしまいます。思うようにいかないから、より劣等感にさいなまれるのが病人です。
 どうか、そういう多くの病人を、少しでも大事にしてやってほしいのです。
 人は人の気持がよく分ります。
 だから、そんな風潮を皆さん個人個人でつくってほしいのです。お願いします。
 私は少しあつかましくできていますので、先にこちらから自分の病状を正常な人に知らせてしまいます。
 そして「悪いけれど不便で仕方ないので援けてほしい」と頼んでしまいます。
 しかし、こんな人間は100人に1人くらいでしょう。
 多くの病人は病人であることを、できるだけ他人に知られないようにしたいと思っているようです。その点も充分に理解して対応してあげてほしいのです。
 かんたんに言えば、病人の気持を汲んで、病人を大事にしてあげてほしいというお願いをしたいのです。
 それからもう一つ、どうしても言いたいことがあるのです。
 この病人のおかげでビジネスをしている人が多くいます。医師、介護士、その他多くの職業の人々です。
 病人は彼らの顧客でありながら、彼らに頼らねばならないから弱者の立場なのです。
 薬も医師に処方してもらわねばなりません。
 その辺のことを医師などは、もう少し考えてほしいのです。
 客志向して、病人を心から大事に思ってくれる人がどうも少ないように私には思われるのです。
 病人は医師の一言一句に耳を傾けています。そして喜んだり悲しんだりします。
 といっても、おざなりの「お大事に」というコトバしか出てこないのがふつうです。
 もう少し元気づけられるコトバをかけることはできないのか……といつも心より思います。
 私の主治医は医科系大学の教授で、その附属病院の一つの内科の責任者ですが、年齢も50代半ば、このようなベテランの医師になると見事に客である患者を安心させてくれます。私は彼と話すのが楽しいくらいです。
 しかし40才以下の主として外科医は、ストレートに物を言いすぎ、それにねぎらいのコトバのかけ方が分らないのか、患者に心配させる方が多いようです。
 このように考えて患者としてはできることなら、医師を見て、気楽に付きあった方がよいように思います。
 とはいえ、医師のコトバは気になりますから、若い医師にも気をつけてほしいものです。
 きょうは、このようなことを書こうと思ってペンを進めて来たのですが、私には、やはりいまのところ世界情勢が気になって仕方ありません。

 そこで、そちらも少し書いてから、終りにしたいと思います。
 アベノミクスは、アベノリスクとかアホノリスクとか日本の中でもいろいろ言われてきました。有名な知識人ほどこのような冷えた観方が多いようです。
 実体が全く見えないからです。私も同感です。
 オバマアメリカ大統領の人気が急激に落ちています。スノーデン氏問題の処理を巡っていろいろ言われつつあります。つぎに商品価格を見てみましょう。
 ゴールド価格がどうなるか、小麦、大麦や原油価格がどうなるか、片時も目を離せません。
 いろんな情報が乱れとんでいます。その中の何十%かは本当の情報でしょう。
 私のような病人にも、それを知るのは楽しいことです。忙しいことでもあります。
 ユーロバブルははじけたようです。
 ギリシャ、ポルトガル、イタリー、バチカン、キプロスなどで金融や汚職、失業問題が発生しています。
 一方、アジアをみると、中国が今後どうなるかだれにも分りません。
 何が、この国におきても、いまやフシギではないようです。
 ナイジェリアやエジプトでは、騒動がおきていますし、世界中どこも安定しているところがありません。
 おもしろいが、すごい時代にいま、われわれは生きているようです。
 これらのことも時たま思い出してください。
 久しぶりにペンを取りましたが、病人ゆえ、これだけ書いたらきょうは疲れてしまいました。
 ともかくきょうの主題は、「病人を心の底から1人1人が大事にしてあげてほしい」というお願いなのです。病人としてよろしくおたのみ申します。
 ではきょうはこれで終ります。
                                            =以上=

(※この原稿は、2013年7月4日に書かれたものです。)

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