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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2014年3月31日
消費税アップの影響 (※舩井勝仁執筆)

 いよいよ明日4月1日、消費税が上がります。これに伴って電車バスの運賃や公共料金などの値上げもあり、すでに返信用のハガキなどは、4月になってから投函されてもいいように52円のものになっていますので、確実に時代の変化が感じられるようになってきました。
 消費税は景気にとって悪影響があるものですから、常識的に考えると政権運営には不利に働くはずなのですが、安倍政権は本当にツイている政権なのかもしれません。ちょうどインフレ率を2%にするのが公約になっており、良い悪いは別にして、公共料金の値上げもこれに確実に寄与します。また、景気循環の流れでいっても、昨年から今年にかけて短期、中期、長期、超長期の4つのサイクルが上向きのゴールデン・サイクルに入っているという議論があり、それもアベノミクスが結果的に上手くいっている原因なのかもしれません。
 ただ、庶民目線で考えれば、実はいまの景気回復はあまり良いことがありません。食料やエネルギーなどの物価は上がるし、給料はあまり上がらずに貧富の格差がどんどん激しくなるので、その結果生活がだんだん苦しくなっていきます。その上、ボディブローのように消費税アップの効果が出てきますので、思い切って生活のやり方を変えていかなければ幸せに生きることが難しくなる可能性が高くなってきているようです。

 なんといっても一番の対応策はお金を使わないこと。もちろん、ただ単にケチに徹するということではなく、金銭が絡まない人間関係の構築をしていくと、基本的な生活にはお金が必要なくなってきます。その証拠に、昭和30年代ぐらいまでの農村ではほとんどお金は要らなかったし、いまでも農を主体とする共同生活を送っているイスラエルのキブツのような環境で暮らしていると、現金を使う必要はあまりないのです。
 『デフレの正体』(角川oneテーマ21)がベストセラーになった経済評論家の藻谷浩介さんは、『里山資本主義』(角川oneテーマ21)の中で、限界集落の事例を挙げてそんな暮らし方を提案しています。私はそこまではできませんが、ちょっとした暮らしのやり方を工夫することで、改善できることは少なくないなと思っています。例えば、ペットボトルの水や清涼飲料水をコンビニや自動販売機で買うのではなく、浄水器のついた自宅の水道水を沸かして水筒に入れて持って行くと、そのお金を使わないだけでなく、それにかかる消費税も払わないで良くなります。
 私は苦手ですが、フリーマーケットのようなところで、実質的に物々交換をしていればそれに消費税はかかりませんし、何よりもお金のかかる施設に遊びに行かなくてもいいので、消費税を払わなくてすみます。若い人はホテルに泊まらずに友達の家に泊めてもらったり、シェアハウスに住んで家賃を分けあったりしていますが、要は消費を前提にする暮らしを見なおしていくことで、かなりの対策ができるのです。

 日本の財政は破綻しています。正直言って、少しぐらい消費税を上げたところで焼け石に水のような気もしますが、このままツケを子どもたちの世代に持って行くことも間違っていますので、真剣にどうすればいいのかを考えていかなければいけないのだと思います。しかし、結論から言うとこれは大変難しい問題です。問題を先送りするぐらいしか案はないというのが、本当のところなのかもしれません。
 誰かがこの借金を何とかしてくれるはずはなく、私たち日本国民がみんなで負担を分けあって何とかしていくしか結局、方法はありません。それが、ハイパーインフレの形で強制的にやってくるのか、私たちが話し合いに応じて、みんなで応分に負担していくことに合意するのか、どちらかだろうと思います。後者のほうが痛みは少ないのですが、現実的には難しいので前者になってしまう可能性が大きいと言えます。
 アベノミクスという問題先送りの寿命は長くて2〜3年といったところでしょうか。来年の秋にもう一度消費税アップのタイミングが予定されていますので、この2回の機会を活かして私たち消費者もクレバーに対応し、何が起こっても何とか暮らしを続けていけるような力を身につけていかなければならないのだと思います。
 一方経営者の皆様には、消費税の増税は、実は企業の粗利益に課税する税金だという側面もあることを知っていただき、相応の対処方法を考えていただくことが大切になると思います。こちらは、斎藤貴男、湖東京至著『税が悪魔になるとき』(新日本出版社)をじっくりお読みいただければ、その怖さが実感できると思います。
 国というか官僚組織は、税収が不足している中で、とにかく取れるところから税金を取ろうと考えています。いま一番ターゲットになっているのは庶民よりもむしろ、そこそこ資産を持っている中堅中小企業だということを肝に銘じていただき、しっかりと勉強し、必要な情報を得て、現実を見据えた経営をされることを強くお勧めいたします。
                                            =以上=

バックナンバー
2014.03.31:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】消費税アップの影響 (※舩井勝仁執筆)
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