トップが語る、「いま、伝えたいこと」

Kan.さん（右）と舩井勝仁（左）

　朝鮮半島の南北首脳会談が行われ急速に緩和ムードが広がっています。ベルリンの壁が崩れた時の様子を留学先のアメリカで見ていました。留学生の中には東欧から来ている友人もいて、みんなでとても興奮してとんでもない時代が来たことが実感できました。同じ留学時代に昭和天皇がお亡くなりになり、大喪の礼（陛下のお葬式）の模様をやはり世界中から来ている仲間と一緒に見たことが思い出されます。そう言えば、来年は今上陛下が退位されて新しい天皇が生まれる年に当たります。
　その後、ドイツが冷戦時代には絶対に不可能だと思われていた統一を成し遂げたように、朝鮮半島でも統一が近い将来実現するのでしょうか。ベルリンの壁が崩れた原因はゴルバチョフというそれまでのソ連の体制から見たら明らかに異例なトップが出現したからですが、そう言えばアメリカにトランプというまったく理解できないトップが出現していることも重なります。ただ、トランプのいい加減さはゴルバチョフというよりも、その後出てきたエリツィンに似ているような気もしないでもありません。
　父は高木善之先生がバイク事故で死にそうになった時に「ソ連の崩壊とアメリカの崩壊を見てきた」という臨死体験の話を紹介して共産主義だけではなく、このままでは資本主義もつぶれてしまうということを警告していました。そんな危機感を背景に立ち上げた「舩井フォーラム」がおかげさまで無事に「ザ・ファイナル」を終えることができました。

　「飲むなら、先代と一緒に飲んでくださいね」、そうおっしゃったのは、「舩井フォーラム　ザ・ファイナル」の２日目に登壇してくださったKan.さんです。気を使う酒席では慎重にしていますが、場が楽しくてお酒が進むとつい自分の限界を超えてしまう私を心配して言ってくださったのですが、先代＝父との現在の距離感を、１つ本質的に表現されたと感じました。いつもできているわけではありませんが、楽しい時ほど父の存在を意識してお酒が好きだった父も一緒にいることを意識してみたいと思っています。
　「舩井フォーラム　ザ・ファイナル」、ありがとうございました。前年度までの会場のお隣、パシフィコ横浜の会議センターで開催させていただきましたが、客席、外の出展ブースとも、会場は終始とても温かい雰囲気でプログラムが進んでいったことは、私にとって何よりうれしいことでした。
　初日は難病のお子さんをもつ母親だけで構成された「女性和太鼓奏団『ひまわりのやうに』」の力強い太鼓と世界的な石笛（いわぶえ）奏者の横澤和也先生の絶妙なコラボ演奏で、オープニングの火ぶたが切って落とされました。演奏を聴きながら、リハーサルの時間がほとんどない中での本番を、明るく朗らかに迎えて最後まで乗りきったお母様方とそれをリードする横澤先生の両者にえもいわれぬ生命力を感じ、胸が熱くなりました。
　「ひまわりのやうに」を紹介してくださったのは最初に登壇してくださった大住力さんですが、いのちの躍動と愛の循環について大きくたおやかに会場を包み込んでくださるようなお話でした。佐野浩一の宇宙論と相まって、「舩井フォーラム　ザ・ファイナル」の冒頭を飾るにふさわしいプログラムだったと自負しています。

本田健さん

　そして、本田健さん。十数年前のオープンワールド時代に出てくださった以来の登壇で、たまたまそのタイミングでミリオンセラーになった「ユダヤ人大富豪の教え」が売れ始めたので父のことをメンターとおっしゃり、今回の出演を決めてくださり本当にありがたかったです。「決めた未来しか実現しない」という明晰なお話は、会場全体が希望と活力のパワーで満たされたように感じました。本田さんのお話があったからこそ、ほかの先生の目に見えないお話がとてもしっくりと皆さんの心になじんだように思います。

矢山利彦さんのサイン会の様子

　矢山利彦先生は、とっても気持ちのいい我が道を行く方で、今回も、気の話、決して文字には起こせない病気のメカニズムなど、矢山ワールドをマイペースに披露してくださいました。新刊『舩井幸雄の魂が今語りかけてきたこと』（ヒカルランド）を、１日目の参加者全員にプレゼントしてくださった矢山先生のお気持ちに感激しました。登壇中、先生は、父との思い出もあまり多くを語られませんでしたが、こういう形で父への気持ちを表してくださったのだと感じ、感謝しています。またこの本の中でのびっくり現象のお話、皆様にもぜひお伝えしたいので、こちらのコラムでも近々ご紹介させていただきたいと思っています。
　清水義久先生、岡田多母さん、飛鳥昭雄先生のお話は来週引き続き書かせていただきます。もしかしたら「舩井フォーラム」が終了して世の中の雰囲気が変わったのでは、と感じているぐらいの達成感があります。ゴールデンウィークもいろいろスケジュールが入ってはいますが、そんな気分で休みが取れる時には父と二人だけで一献傾けたいとも思っています。
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