日日日是好日 〜熱海だより〜 -熱海秘書　相澤智子-

このページは、２００９年１１月から（株）船井本社　熱海本社で船井幸雄の秘書として勤務することになった相澤智子（あいざわ　さとこ）によるコラムページです。
日々、船井幸雄やまわりの人たちと接する中で気づいたこと、学んだことなどを皆さまにお伝えしていきます。

写真集『驚異のヘリカル炭素』 　　（シーエムシー技術開発刊）

　世の中にはどんな素晴らしい技術があるのかを知りたいと思い、船井に質問をすると、この元島栖二さんが発見された「カーボンマイクロコイル」のことを教えてもらいました。
　
（２００７年の９月の「船井幸雄写真館」のコーナーで元島さんが（株）船井本社の品川オフィスにいらっしゃったときの様子が載っていますので、よろしければお読みください。）


　カーボンマイクロコイル（ＣＭＣ）は、１９９０年、岐阜大学工学部応用化学科教授）の元島栖二さんにより発見されました。
　ＣＭＣはアセチレンの触媒活性化熱分解により得られるらせん状の形をした炭素繊維です。
　このらせんの形（ヘリカル構造）をしているというのがとても大事で、これは、電磁波吸収やエネルギー変換、生物活性素子、電波可視化、医療・美容分野での活用など、無限の可能性を秘めており、実用化されているものもあり、大いに期待されている素材です。
　その発見は、アメリカの物理学会の速報誌や、「Nature」に紹介され、「人間がミクロなセラミックススプリングを合成できた」と世界的に大きな反響を呼びました。

　私たちが住む地球の自然、生命体はもちろん、宇宙の構造、人間が作り出した電磁波、生命体の持つ波動、人間の歴史、経済活動を考えてもすべてらせん構造を基本としています。
　たとえば、自然界や宇宙では、渦巻き銀河星の動きや宇宙線・電磁波の円偏波、空気（台風）や海流（渦潮）の流れなどがあり、生命体では、巻貝、ＤＮＡのらせん構造や、たんぱく質の一重らせん構造などがあります。
　つまり、「らせん構造」は森羅万象の基本であり、私たちはその枠組みの中で生かされているといえるようです。
　
　自然の仕組みというのは本当によくできていて、その構造や仕組を知ると実に驚かされます。クモの糸の中には、人類が作った最強の繊維といわれるケブラー繊維よりも強いものがあり、４倍の長さまで伸ばしても切れないものもあるそうです。いまだにクモの糸を超える繊維は作られておらず、最先端科学も及ばない超高性能繊維なのだそうです。
　また、最近よく聞くようになったサメの皮の構造を見習って作られた競泳水着も、小さな溝に沿って微小な渦が発生し、それが表面抵抗を小さくしています。
　自然というのは素晴らしい仕組でできています。

　この宇宙にあるものの基本構造に習うという概念を『コスモ・ミメティック』といいます。ＣＭＣは、森羅万象の大原理に合致した２１世紀型の革新的技術であるようです。

　２１世紀はナノテクノロジーの時代であり、その究極の目標は「生命体にどれだけ近づけるか」にあります。
　このＣＭＣは、人間の皮膚の外部の刺激を感受・識別する感覚受容器であるマイスナー小体（3Ｄ-ヘリカル構造の神経）によく似ており、大きさも同じ位なので、人間の皮膚感覚機能を持つ人工皮膚が作られると期待されているそうです。これを使えば、人間の皮膚感覚をもつロボットを作ることも可能なのだそうです。

　その他にも、宇宙エネルギー線からエネルギーを取り出したり、ＣＭＣの水素吸蔵性を活かしたエネルギーの化石燃料から水素へのエネルギーの変換などにも期待されています。

　ＣＭＣは自然の摂理に沿った素晴らしい機能があるようです。
　これからの実用化にさらに期待したいです。