トップが語る、「いま、伝えたいこと」

新郎・新婦のケーキカット

　先週日曜日（９月７日）の午後１時より、熱海のホテルニューアカオのロイヤルウイング　花扇の間で、私の秘書の兒玉裕子さん（現在、上田裕子さん）の結婚披露宴が行なわれました。
　新郎の上田光敏君は、東京工大の博士課程を了えて、現在同大学で研究者兼教員をしている好青年で、私の親友だった「土のお医者さま」の上田敏三さんの長男です。
　この披露宴は、本来この場所で、今年４月２０日に行なう予定だったのですが、４月１４日に上田敏三さんが急逝したため、９月７日になったのです。親友が故人になったこともありますし、新郎、新婦を引きあわせたのは私です。そのうえ、新婦は、秘書として特に公私ともに私を助けてくれた人ですから、感無量でした。
　会場は、私が主催している「トップ塾」の会場として、いつも利用している部屋です。参加者の大半は、上田、兒玉両家の関係者ですから、私の知人が大半です。
　事実、主賓の席の私のテーブルに座ったメンバーは、家内や息子、それに嫁一家、そして野々垣健五さんで、気のおけない人たちばかりの中での、暖かい、たのしい、すばらしい披露宴でした。

スピーチをする船井会長

　司会は新婦の後をついで、私をいま助けてくれている相部多美さんで、ムダなくスムースに、たえず厳粛な中にも笑いを忘れない演出と進行をしてくれました。
　ところで、びっくりしたことがいくつかありました。
　生まじめで、感情をふだんは顔にあらわさない新郎、新婦が、終始まったくうれしそうであったこと。しかも披露宴中、たえずぴたっとくっついていたことです。ほほえましくてびっくりを通りこすくらい、これにはびっくりしました。いい夫婦になると思います。
　二つめは、上田敏三さんの奥さんが、次男の大助君の胸にだかれた敏三さんの遺影に、たえず話しかけるようにされていたこと。そしてお元気でにこにこされていたことです。
　この結婚をだれよりも喜び、この披露宴に「ぜひ出たかった」と言っていた敏三さんのことを知っているだけに、私は亡き友と奥さんの気持を思って、涙が出て困りました。その自分にびっくりしたのです。

ブーケトスの様子。後ろ左から、 新郎、新婦、小沢、相部

　三つめは、新郎の上司である東京工大の教授や準教授、あるいは彼の同僚や後輩たちなど、東京工大の人たちがかなり出席していましたが、みんな固いようでアタマが柔かいのです。
　私と親しい人には東京工大出身者が多いのです。有名な人では、関英男さん、深野一幸さん、中根滋さん、池田邦吉さんなどがいます。彼らから「固いようで柔かく、すばらしい研究を自由にやる学風がある大学らしいな」と思っていたのですが、私の思ったとおりでした。
　光敏君も、「敏三さんの息子にしてはアタマが固いのでは？」と懸念していたのですが、のんびりして自由人の裕子さんとぴたっとあいそうで、安心しました。
　私の思っていたとおり、私の出身大学の京大とよく似た学風が東京工大にあるようで、うれしくなりました。これはよい「びっくり」です。

集合写真。前列左から、船井和子夫人、 船井会長、野々垣健五。 後列は船井幸雄グループ社員

　四つめは、宴の「ご馳走」を、まったく喰べられなかったことです。
　私は去年３月から体調を崩しました。今年６月まで、どんどん悪くなりました。それが７月中旬からヨコばいになり、８月から回復に向いました。
　とはいえ、まだ左の顔、口内がマヒしています。それに口内炎などが完治しないで残っています（近々ともに完治すると思っています）。そのため、この日は３時間弱で、のどに入れられたのは、シャンパンを１０ｃｃくらいとお水を二口だけでした。
　新婦が気をきかせ、私用に料理長にたのみ、喰べたり飲むものを特に準備してくれたようですが、やはりノドを通りませんでした。
　それでも去年１０月後半から、お酒の類、肉類などは一切、飲んだり、喰べたりしていなくて、慣れていますから、他人の喰べているのを見ても平気だったのですが、ふつうの宴会料理がまったくノドを通らないのにびっくりしたのです。
　この私に１０ヵ月も付きあってくれたワイフに申しわけなく、「すまないね。早くよくなるよ」と思わず言いかけたほどです。これからはより養生し、一日も早く元気になろうと思っています（それでも８月２６日は福寿園に仕事で関西へ行き、「奈良ホテル」に一泊しましたし、先週９月１０日には本物研究会で大阪に行き、「リッツカールトン大阪」に一泊しました。昼も夜も朝も、その気で準備すればホテルでも、喰べる物はきっちり喰べられるくらいには、いまは元気になっています）。

　ともかく「びっくり」の多い９月７日の午後１時ころからの３時間でしたが、上田光敏、裕子夫婦が「いつまでも幸せであることを確信できた」すばらしい３時間でした。皆さんにも彼らをよろしくお願いいたします。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＝以上＝