トップが語る、「いま、伝えたいこと」
私の2冊の新著『有意の人』(徳間書店刊)と『生きる!!』(あ・うん刊)が9月末に書店店頭に並びます。
以下の文章は『生きる!!』のあとがきです。
『生きる!!』
あとがき
――いよいよ経済恐慌に突入した。「有意の人」になり、前向きに生きよう。
いま2008年9月16日の早朝です。
「まえがき」に記しましたように、本書の原稿は先月(8月)31日から書きはじめました。9月6日に本文を脱稿、昨日、9月15日に校正を終りました。
この間に、日本では福田首相が職を投げ出しました。「まえがき」で述べたとおり、政治家の無責任さがはっきりした事象に、全国民はびっくりしました。
また、アメリカ政府は、9月7日に、経営破綻に瀕したファニーメイとフレディマックの二つの巨大な住宅公社に税金を注入することに決めました。
グルジアを巡る米国の争いも、激化しています。大激変が続出しています。
私は、経営のプロとして、このようなことについては実にその結果がどうなるかよく分る立場にいます。直感も冴えています。
このような大事なことの今後の予測につきましては、ここ40余年は外れたことがありません。
予測はさておき、本書の直前に書きあげ、今月中に発刊される『有意の人』(徳間書店刊)では、いまこそ「プロ」と「超プロ」の活用が大事だ…と強調しました。
「プロ」というのは、ほとんど間違わずにある分野について、どんな質問にも即時に答えられるくらいに、その分野について経験があり、勘が冴えている人です。「超プロ」というのは、その専門分野について、ある時期には、絶対に正しい答の分る人です。
たとえば、経営については私は「プロ」だと思っています。特に「売り上げを伸ばすこと」と「業績を改善すること」については、いまなお「超プロ」だと思っています。
本書内での登場者の坂本政道さんは「体脱」の「超プロ」ですし、中矢伸一さんは「日月神示が述べていること」の「超プロ」です。
このような「超プロ」の友人が100人以上もおり、たえず的確な情報を提供してくれますから、私の予測は、大事なことについてはよく当るのです。
そこで、経済予測の「超プロ」の現状についての意見をここへ引用し、本書の「あとがき」を予測のプロとしてしめくくろうと思います。
その「超プロ」の人は、私の親友です。彼の予測は『180度の大激変!』や『有意の人』(ともに徳間書店)内に、かなり引用しました。私のホームページ上でも時々紹介しています。
ただ、彼の立場上、いまのところ名前を明らかにできませんので「Kさん」ということにして発表してきました。
彼は、最近の約3年間、あらゆる経済予想を100%当てております。一件も間違いがないのです。
しかも、彼は1週間に1〜2回、私に予測のレポートを送ってくれます。
私の経済予測が当るのも、Kさんのおかげなのです。
次ぎに紹介しますのは、昨日、9月15日に彼が私に送ってくれたレポートです。彼の了解を得ましたので、ほとんどそのまま転載します。御一読ください。
船井幸雄さま
2008年9月15日(Kより)
世界同時株安へ、いよいよ経済恐慌突入
9月は、株式市場では<苦月>と言われるほど、ゲンの悪い月ですが、今年の場合はそれに輪をかけて、世界的な不況の足音が迫ってきたムードで、いよいよクラッシュ前夜となってきたようです。相場の弱さを特に見せつけたのは、先週の動きでした。9月7日、アメリカ政府は、例によってアジア市場が開く前に、ファニーメイ、フレディマックの政府管理というメガトン級の大材料を発表しました。今回の金融危機については、かなり早くの段階から最終的には、公的資金の投入は避けることはできず、いったい自由経済を掲げるアメリカが、それをできるのか?ということが焦点だったわけです。ましてや、この2社は、今回の問題の中心をなす住宅関連の巨人でしたからなおさらでした。大統領選挙の前で、不人気な税金投入は無理と思われていたにもかかわらず、米政府のこの決断は、驚きと共に称賛を持って迎えられました。世界の株式市場において、現在これ以上の好材料はありません。まさに待ちに待った大英断を予想より早めに打ち出してくれた、さすが動きが早いアメリカ政府、と歓迎されたのです。強気派はこれを持って一斉に相場底打ちのレポートを出してきました。ドイツ銀行のアナリストは今回の措置を歓迎して、<ハルマゲドンのシナリオの改める時が来た、米銀行株、住宅関連株は底打ちのシグナル>として相場の大転換を主張しました。ところが、この強気派の目論見とは逆に、株式相場の上昇は何と一日しかもたなかったのです。これは、ある意味では驚くべきことです。3月のベアー・スターンズの救済のときは、その後2か月相場は上がり続けました。また7月の住宅公社2社の政府支援のときは2週間上昇したのです。しかし今回は一日、これだけの大材料にもかかわらずです。現在世界の株式市場においては、これ以上のビッグニュースはあり得ません。それでいてこれだけの動きしかできなかったということは、もはや秋の暴落は避けがたい、と考えるしかないでしょう。
ニュースの中心は常に金融問題を追いかけていますが、現在、実は実態経済の悪化が世界中ではっきりと目に見えるような形になりつつあるのです。まずは商品相場の激しい下落です。石油ばかりが目につきますが、他の一時産品も激しく下げてきました。代表的な国際商品指数であるCRB指数は、7ヵ月半ぶりの低水準となり、1月下旬以来の水準となりました。7月2日につけた高値から一気に23.8%下げたのです。個別にみると、ニッケルなどは、昨年の高値から7割近い下げになっています。また、荷動きを示す、海運の指標と言われるバルチック指数は6月からわずか3か月で6割近い暴落となっています。おもには中国、インドなど新興国の重要が強かったのですが、ここにきて急激に変化が起きてきています。これを受けてアジアの株は全滅状態となりつつあります。一方でアジア各国の消費者物価指数は軒並み6−8%の上昇となっていて、これに伴うインフレ圧力から自国通貨を守るのに四苦八苦です。また欧州市場も完全に変調を来してきました。8月15日に発表になったユーロ圏の4−6月期のGDPはマイナス成長となりましたが、これは通貨統合前の統計を取り始めてから初めてのことです。9月10日、欧州委員会はユーロ圏の2008年の実質経済成長率を1.3%と、従来の1.7%から大幅に下方修正しました。ルクセンブルグのユンケル首相は欧州議会で、<当初の想定よりも景気の落ち込みは深くなった>と情勢の悪化を認めました。スペインや英国では住宅市場の下落が米国以上に深刻と言われ、今や二・四半期連続のマイナス成長に陥る模様です。IMFも調査のたびごとに、経済見通しを下方修正する有様で、ユーロ、英ポンドも急激に値を下げ始めています。
また、原油高から、堅調だった資源国の経済もここにきておかしくなってきました。オーストラリアは、景気悪化を受けて、9月2日、政策金利を0.25%引き下げて年7%にすると発表しました。2000年12月以来、約7年ぶりのことです。また、ブラジルやロシアの株も急激におかしくなってきました。特にロシアは酷く、グルジア紛争の影響もありますが、11日にはなんと1298ポイントとなり、5月の高値から、わずか4ヵ月で48%の下げ率となりました。短期で、この様になった株価指数が戻った試しは、世界の株式市場の歴史になく、中国と同じく、完全にバブル崩壊状態とみなければなりません。ルーブルの下げも酷く、ついにロシア中銀は、ルーブル防衛として100億ドルのドル売り、ルーブル買いを実施すると共に、株の買い支えを発表しました。まさに共産主義国家に逆戻りです。4ヵ月前までは、ロシアの政府系ファンドが日本株購入を発表して、日本株の買材料とされたことを思うと、雲泥の差です。わずか4か月でこれほどまで変わるのか? と目を疑いたくなります。まさに経済としては、新興勢力らしい、底の浅さを見る感じです。しかしながら、このロシア、中国、インド、そしてブラジルのBRICS諸国の今後の経済は、想像を絶する悪化となっていくのは必至で、ここから思わぬ不確定要因が飛び出してくるに違いありません。グルジア紛争などは、その最たるもので、今後も要注意です。BRICSが、まさにブリックス(がれき)となって、崩れていくに違いありません。
このように、世界中どこを見渡しても、景気のいいところはなくなってきました。世界がアメリカの金融、金融と目が行っているうちに、実は、世界景気の方に深刻な影響が表れてきたのです。今までは、日本が悪くても、アメリカ、アメリカが落ちれば、新興国、新興国が落ちれば、資源国という風に、どこか好調なところがあったのですが、いよいよ、世界中のすべてが、同時に不況に陥っていく、という恐慌の様相を呈してきました。波乱の秋相場ですが、新聞の一面を飾る<株価暴落>の記事が踊ることは避けられないでしょう(Kさんレポートの転載ここまで)。
以上のとおりです。これは「超プロ」の意見です。
Kさんと私は「すでに世界経済は恐慌に突入してしまった」と判断しています。
はっきり言いまして、すでに「世の中」は大激変に突入しているのです。リーマン・ブラザーズやAIGのことでもお分りでしょう。
では、われわれはどう対処すべきでしょうか。
勉強して正しいことを知り、正しく生きようとする人…すなわち「有意の人」になり、正しく前向きに生きることが、その答です。
本書により、ぜひ、そのように生きてくだされば、よい人類の未来が現出するでしょう。
お願いいたします。
本書の読者が、何があっても、くじけず、希望と夢を持って、前向きに生きられ、よい未来を創られるだろうことを信じ、本書「あとがき」のペンをおきます。
なお、アドバイスをちょうだいし、お手伝いいただいた柳下要司郎さんに、紙面を借りて心からお礼を申します。
2008年9月16日
熱海市の自宅書斎(著者)(転載ここまで)
ともかく、この2冊はぜひ併せてお読みいただきたいのです。
10月11日、12日の「船井幸雄オープンワールド2008」には、この2冊の本以外に、
副島隆彦著『恐慌前夜』(今月、祥伝社刊)
坂本政道著『2012年 目ざめよ 地球人』(今月、ハート出版刊)
もお読みいただいてお出でいただきますと、より有意義に講師の先生方の話しがきけると思います。
ともかく世界経済は恐慌に突入しましたし、すでに「世の中」は大激変中です。
=以上=
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2008.09.26:【先週のびっくりより】すでに経済恐慌は避けられない
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