トップが語る、「いま、伝えたいこと」
2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』(ダイヤモンド社刊)。2011年に62歳で他界されてからも、多くのファンを魅了されていることに、心より尊敬申し上げたいと思います。読み進めていきますと、同時代を生きた舩井幸雄との間にも、互いに影響を与え合ったことをうかがい知ることができます。
さて、たまたまご紹介いただいた方が、小林正観先生のお近くで仕事をされていたことを知り、あらためてひも解いてみました。
動物の中で、神様から「喜ばれると嬉しいという本能」を与えられているのは「ヒト」だけだと……。たしか、「ヒト」の遺伝子には、そのことが書き込まれているからだと教わったことがあります。「なぜだかわからないけど、喜ばれると嬉しいから続けていきたい」と思う……。なぜだかわからないけどしたくなるからこそ、「本能」なのでしょうね。
ですから、「ヒトには、喜ばれると嬉しいという本能がある」ことを、私のように誰かに教わった瞬間にスイッチが入るとおっしゃるのです。ですから、私の中にも、もうそのスイッチがあるということですね。そのスイッチが入ったあとの存在が「人間」。だから「人間」に囲まれていると、これ以上ない幸せを感じることができるのです。
「喜ばれると嬉しい」という本能に目覚め、それを認識しながら生きていくと、やがて「よき仲間」に囲まれ、「天国度100%」の状態を味わる……。なんだか、ワクワクします。
神様が、「喜ばれると嬉しいという概念(エネルギー)だけの存在」だから、神様は「神」と「動物」の間に「人間」をつくられたのだ……と正観先生は述べていらっしゃいます。
私たち「人間」は、神様からそのエネルギーを分け与えられた「神様と動物の間に立つ、唯一の生物」であるということです。
人は1人で生きていると「ヒト」ですが、喜ばれるように生きていくと、人と人の「間」で生きる「人間」に変わります。人の間で生きるということは、「自分が必要とされている」ということです。だから、「ヒト」は孤独で病むことがあるんですね……。
「人間」の生きる目的は、ほしいものを得たり、何かを成し遂げることではなく、
・「人の間で喜ばれる存在になること」
・「『ありがとう』と言われる存在になること」にほかならないと記されています。
発する言葉や表情など、その人のふるまいが「まわりを喜ばせるもの」になっていれば、投げかけた結果として、まわりの人が「よき仲間」になってくれるということですね。
ちなみに、「しあわせ」の語源は「為し合わせ」と言うそうです。お互いにしてあげることが「幸せ」の本質だといいます。「自分の力なんて大したことない……」と思っている人は、まわりに支えられて生きていることがわかっているので「謙虚」です。「謙虚」とは「感謝」すること。「感謝をする人(「ありがとう」を言う人)」のもとにはたくさんの人が集まってきて、「よき仲間」に囲まれます。
教え合い、学び合い、喜び合える「よき仲間」に囲まれたなら、それだけで「天国度100%」。ただ「喜ばれること」を続けていけばいいということです。よき仲間からの「頼まれごと」をただやって、どんな問題が起こっても、すべてに「ありがとう」と感謝する(受け入れる)こと。なかなかむずかしいかもしれませんが、やはり大事なようです……。
中村文昭さんは、さらにこの「頼まれごとは、試されごと」とおっしゃいます。だから、「(なにかを頼まれたら、)返事は0.5秒」とおっしゃるのもよくわかる気がします。
正観先生の真骨頂は、「そ・わ・かの法則(掃除・笑い・感謝)」にもあらわれています。この「そ・わ・かの法則」を生活の中で実践することであり、「ありがとう」を口に出して言い、逆に、「不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句」を言わないこと。すると、神様が味方をしてくれて、すべての問題も出来事も、幸せに感じて、さらに「よき仲間に囲まれる」ことになり、「喜ばれる存在」になる……ということ。すべては、循環しているんですね。
これこそが「人生の目的」であり、「幸せの本質」。あらためて、このタイミングで、正観先生の教えに触れられたことも、きっと私の人生において大きな意味があるのだと思います。
正観先生は、さらに続けます。
一見、理不尽で不幸な現象が起きたときに、そのことについて、「不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句」を言うか、言わないかが問われていると……。
「嫌いな人や現象というものはない。決めているのは全部自分だ」ということに気がついて、何があっても一喜一憂しない……。そして、どんなことがあっても、ニコニコできる人格者になると、人格者になったがゆえに問われる「お試しの現象」が起きるのです。
それを笑顔で乗り越えると、人格上の「中学校卒業レベル」。そして、その何年か後に、今度はそれよりももっと大きな「高校卒業試験レベル」の「不幸」と呼ばれる現象が起きます。舩井幸雄は、生涯、笑顔がトレードマークでしたが、きっとこのような大きな試練をたくさん乗り越えてこられたんだなって感じています。
正観先生曰く、人間の心には、9つのレベルが存在します。
1.一般的に多くの人が嬉しい、楽しいと思う現象について、「喜ぶ」ことができる
2.一般的に多くの人が嬉しい、楽しいと思う現象について、「幸せ」を感じる
3.一般的に多くの人が嬉しい、楽しいと思う現象について、「感謝」ができる
ここまでは「初級」です。
4.一般的に多くの人が当たり前と思うことについて、「喜ぶ」ことができる
5.一般的に多くの人が当たり前と思うことについて、「幸せ」を感じる
6.一般的に多くの人が当たり前と思うことについて、「感謝」できる
ここまでが「中級」です。
7.一般的に多くの人が不幸と思うことについて、「喜ぶ」ことができる
8.一般的に多くの人が不幸と思うことについて、「幸せ」を感じる
9.一般的に多くの人が不幸と思うことについて、「感謝」ができる
これが「上級」です。
このように、初級、中級、上級の各段階の中に、さらにそれぞれ3つの段階が存在すると教わりました。
「自分は、どのあたりかな……」と問うてみますと、まだ「中級」の4から6の間をうろうろしているという感じでしょうか。やはり、さらにさらに精進が必要です……。
そして、ここからが面白いというか、ドキドキするのですが、レベルが上がるときに、「お試しの現象(事件)」が起こるようになっているようなのです。イメージでいうと、100人中99人がイライラしてしまうようなときに、ニコニコしていられるかどうかが、問われているのだと……。
いま、私にとって、まさに「そのとき」だと気づきました。
いかに、「ニコニコ」できるか……。
試されごとが、いま目の前に……。
「この状態でも、ニコニコできますか?」と、宇宙が現象を降らせてくるらしいのです。そして、何度かそのような試験を経て、大学卒業レベルの試験に「合格」すると、もう来ないとおっしゃるので、それまではガマンというか、頑張りどきということです。
一方、人生の中で、普通であれば「不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句」を言ってしまうような出来事が起こったら、「来た!」と思えばよいと……。
なかなかこれは難しい相談です。
でも、「ついに私も、試験を受けるところまで、人格の修練を積んできたのだな」と思えばよいのだとおっしゃいます。その試験に「合格」すると、自分にとって楽しい出来事ばかりが起きはじめるようになっているようです。
なるほど……。
一度限りの人生。どこまで行けるのか、磨いていけるのか、心から楽しんでみたいと思いました。
感謝
2022.08.22:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】“時”とは何者か? (※佐野浩一執筆)
2022.08.15:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】新しいわたし (※舩井勝仁執筆)
2022.08.08:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】人格を磨く (※佐野浩一執筆)
2022.08.01:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】Uber戦記 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |