トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2022年8月15日
新しいわたし (※舩井勝仁執筆)

 相場のムードは夏休み。外国の金融関係の人は長期の休みを取る人が多く、夏やクリスマス休暇の時は市場は閑散とします。ただ、参加者が少ないということは、市場が乱高下しやすいということでもあり、逆にこのタイミングでそれを狙って一儲けしようという人たちもいます。弊社も夏休みの関係でいつもよりも早めに原稿を書いているので、お盆真っ盛りにアップさせていただいている時には、どんな相場になっているのかはよくわかりませんが、日々売り買いをしている人ならば、いったん手仕舞っておく方がいいのかもしれません。
 長期分散投資の方は、それほど細かいことは気にしなくていいタイミングのような気がします。私のお金の先生であった故・竹田和平さんは、私が知っている中で唯一、バブルに振り回されずバブルの崩壊に際してもほとんど無傷で乗り切った投資家です。なぜ、そんなことができたのですかとお聞きすると、危ないときはお腹が痛くなるからわかるのだとおっしゃっていました。胃腸が弱いという弱点が相場をやるときにはプラスに転じたということですが、これから何が起こるかわからない世の中を生き抜いていくためには、何か大いなる意志を受け取る手法を身に着けておいた方がいいのかもしれません。

 長期投資の方は、普段は値段の上げ下げを気にせずに悠然と構えているのがコツなのですが、バブルやバブルの崩壊のように数十年に一度の大きなイベントの時には、そのタイミングを事前に察知することは大事なことだと思います。評論家の中には、崩壊が起こるぞと脅かす役割の狼少年がたくさんいます。いちいち、それに振り回されていたら長期投資になりませんし、デフレの時代はいったん終わっているので投資に参加することは多くの人にとって大事なことだと感じています。だから、和平さんのような超自然的な能力を探しておくことが大事なのかもしれません。

 ウクライナの戦争や台湾を巡る緊張感が高まっていることなどを考えると、いつ何時何が起こってもおかしくない状態であることは確かです。怖いのは、ゆでガエル状態で自分のいる環境が熱湯になってしまっているのに気が付かないことでもありますので、何があっても生きていけるようにしておくことは大切なのかもしれません。そして、その準備を自分のことだけを考えるのではなく、世の中にとってどうすればプラスになるかを考えながら進めておくのがコツなのかもしれません。

 そんなことを考えていると机の上で積読になっている本の中から、二戸依里著「新しいわたし」(風雲舎)という本が目に飛び込んできました。著者は神奈川県で学校の先生とやまゆり生活協同組合の理事長を掛け持ちでやっている方です。最近の本にしては、珍しく明確な起承転結が感じられない内容になっています。自然の摂理に従う生活を心がけていて、スピリチュアリティの高い方だということはよくわかりましたが、結局何が言いたいのかは一読したぐらいではよくわからない、逆に言うととてもレベルの高い本だと思います。
 いろいろな方との出会いが紹介されていますが、3分の1ぐらいの方は私も知っている人が登場していて、そういう意味では本書の大きなテーマであるシンクロニシティが起きているのかもしれません。そして、最近私がよく講演のテーマとして選ばせていただいているナラティブ(物語。ストーリーとは違い明確な起承転結がないことが特徴)な本ともいえるのかもしれません。
 切迫感はあまり感じられなかったのですが、いろいろな出会いからいま世の中が危機に直面していることが随所に感じられる内容になっています。時代は、こういう本を求めているのかもしれないなという感覚があります。もっとも印象に残ったのは、著者や本書に登場する方の魂のきれいさ。私は資本主義社会にどっぷり浸っていて、かなり汚染されているのだなということを改めて感じてしまいました。やっぱりたまには、心身や魂が洗われるような気分に浸ることの大切さを改めて感じています。
 そうすると、シンクロが起こるのだと思います。本書を読む前に西部邁著「六十年安保 センチメンタル・ジャーニー」(文芸春秋)を読んでいました。有名な保守系の論客だった西部先生は六十年安保の時は東大の学生としてブント(共産主義者同盟)の主要メンバーだったことが書かれていました。
 風雲舎の山平松生社長とは長いお付き合いをさせていただいていて、若い頃に飲みに連れて行ってもらうといつも「俺はブントだった」というのが口癖だったことを思い出していました。七十年安保の時の全共闘世代とはまた違う左翼運動のことを少し知れたことがとても楽しかったのですが、「新しいわたし」のような心がきれいになる本ばかりを出版されている山平社長のような転向(通常は左翼から右翼になることをいう)もステキだなと感じています。
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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役社長
株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
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