トップが語る、「いま、伝えたいこと」
舩井幸雄はかつて、「人が生まれてきた究極の目的は、幸せになることだ」と申しました。
その「幸せ観」は、「その人が幸せだと思うならば、それで幸せなんだ」という独自の捉え方をしていました。
ただ、個人のなかにある「幸せ」を豊かに感じられるためには、やはり「健康」がベースにないといけません。いろんな健康に関する見解を述べている識者が口をそろえて言うのは、身体的・メンタル的に健康であるためには、「朝起きたときに気分がいいこと」が一番大事だと言われています。そして、そこから始まる周囲の人たちとの幸せな一日を堪能できたら、最高ですよね!
そこで、今回は、まず、私たちは、「すぐに幸せになれる素質」を持っている……ということを、体内で分泌される「ホルモン」をベースに考えてみたいと思います。
まずは、「セロトニン」。
通称、「幸せホルモン」と呼ばれ、ご存じの方も多いと思います。
まず、朝日を浴びること。効果的なのは、体を動かすという点も考慮すると、「朝散歩」が有効だそうです。朝15〜30分散歩をするだけで、セロトニン神経が活性化し、セロトニン的幸福を手に入れることができます。
また、座禅や瞑想などでのマインドフルネス、腹式呼吸でもセロトニンは得られます。
セロトニンの分泌には「睡眠」は必須で、睡眠不足や夜ふかしはやはり悪影響を及ぼします。また、「笑顔」によっても、セロトニンが分泌されるので、普段から心がけたいですね。
ドーパミンによって仕事を頑張るのも大切ですが、健康を害するレベルまで根を詰めて働くと、必ず不幸を招きます。もはや、「24時間、働けますか!?」の時代ではありません。
セロトニンによって得られる幸福感は、「1日15分の朝散歩」というとても簡単な習慣だけで手に入れることができます。ある意味、もっともかけがえのない幸福感だといえます。
次は、「オキシトシン」。
いうまでもなく、周囲の人たちとの安定した人間関係は幸せの源泉となります。すでに手に入れていたとしても、その大切さに気づかずに、失ってから初めて気づくことも多いものです。
「安定した人間関係」があると、精神的に安定します。仕事などで多少のストレスがあっても、「安定した人間関係」があれば、メンタル的に支えられるのです。
スキンシップでいえば、20秒以上のハグでも十分にオキシトシンが分泌するそうです。子どもを抱っこすると、抱っこしている親と子どもの双方にオキシトシンが分泌します。 あるいは、恋人や友人と楽しくおしゃべりしていたり、人に親切にしたり、逆に親切にされたときにも、オキシトシンは出ます。
「ボランティア活動をする人は、しない人と比べて5年以上長生きする」という研究結果があります。その理由こそが、オキシトシンと関係しています。オキシトシンの分泌が多い人は、心臓血管系の病気にかかるリスクが低いともいわれています。
犬や猫などのペットでもOKです。ペットと戯れていると、飼い主はもちろんのこと、ペットにもオキシトシンが分泌します。犬や猫をなでると「癒やされる」という気持ちは、脳科学的に正しいのです。
実際に、オキシトシンはストレスを低下させ、細胞の修復などを促進する効果もあり、心と体を癒やしてくれるのです。近くにいる大切な人たちとの会話を大切にする。コミュニケーションを増やす。一緒にすごす時間を増やす。親しい友だちとリラックスした時間を持つ……。
こうした、ある意味平凡で当たり前のことが、幸福感を得られるためには、非常に重要な要素なのです。
日々の安定した精神状態(セロトニンによる幸福感)と、安定した人間関係(オキシトシンによる幸福感)の2つが手に入れば、別にお金持ちにならなくても、社会的に成功しなくても幸せに生きていくことができると考えられます。
近年、注目されているデンマーク語の“HYGEE”(ヒュッゲ)。デンマーク人がとても大切にしている、時間の過ごし方や心の持ち方を表す言葉です。日本語ではぴったりくる言葉が難しいのですが、「ほっとくつろげる心地よい時間」、または「そんな時間を作り出すことによって自然と生まれる幸福感や充実感、そして暮らしを楽しむ姿勢」とも呼べるかもしれません。ホルモンの観点からいうと、先述した「セロトニン」と「オキシトシン」の恩恵を十分に得られる環境や暮らしができているということになりますね。
こうした「基本的な幸福感」を実感し、大事にしてはじめて、最後の1つである「ドーパミン」による幸福感を意識することが大事なのかもしれません……。
そうです。
最後の1つが、「ドーパミン」です。
「もっと、もっと」と上を目指し続け、いつまで経っても不安な状態から逃れられない……。これでは、なんの意味もありません。もはや、舩井幸雄が伝え続けたように、この「もっと、もっと」の世の中から脱却していく必要があることは言うまでもありません。その最たるものが、ごみの問題、環境汚染であったりするわけで、もはや待ったなしとも言えます。
さて、このドーパミン的幸福は、仕事で「社会的成功」を手に入れることで得られます。
しかし、それは幸福の一部の話であって、必要十分条件ではないことは、つねに意識しておく必要がありますね。
セロトニンによって得られる「健康」的幸福と、オキシトシンによる「人間関係」的幸福感。それらを手に入れるだけでも、最高に幸せなはずですが、その上、社会的成功、ビジネスの成功などの「目標達成」が乗っかり、別次元(さらに上位の……という意味ではないということです)の幸福を手に入れることになります。
「セロトニン」と「オキシトシン」による「幸福の土台」をおろそかにして、ドーパミンによって得られる幸福を目指すと、どうやら「崩壊」の方向に向かっていくのではないかと、これからの新しい時代に向けて感じています。
日々の生活の中で、まずは、「セロトニン」と「オキシトシン」で十分な幸せを感じられるように過ごしていきたいですね。
実は、「もうすでに、あなたはとっても幸せ」なのかもしれません。
そのことにまずは気付くことが大事ですね。
感謝
2023.01.23:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】すぐに幸せになれる理由 (※佐野浩一執筆)
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2023.01.09:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】新しい断捨離の時代 (※佐野浩一執筆)
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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |