トップが語る、「いま、伝えたいこと」
出会いとは本当に面白いものです。
実は、月刊『ザ・フナイ』の8月号の「一歩先を行くインタビュー」に、アフリカンペイントアーチスト、SHOGENさんが登場されていたのです。お読みになられた方も多いと思います。
ところが、あろうことに、「スルー」してしまっていたんです。
このままだと、もう出会うことはなかったかもしれません。
でも、面白いものですね。
きちんと「用意」されていました。
過日、友人に誘われ、家内と出かけた講演会。
『今日、誰のために生きる?----アフリカの小さな村が教えてくれた幸せがずっと続く30の物語』(ひすいこたろう・SHOGEN著・2023年・廣済堂出版刊)の出版記念講演会です。
熱海から行くには、世田谷区の烏山区民会館は、けっこう遠くて、しかも終了時間が午後の9時。「帰ったら、11時になってしまうなあ……」と、少々気が重かったのですが、神さまが用意してくださった「出会い」を2度目にキャッチできたことを、いま、心の底から感謝している今日この頃です。
「行ってよかった……。」
いや……。
「行かなかったら、大きなものを失っていたかもしれない……。」
そう感じるほどに、大切な機会となりました。
ご本はもう一通り読み終えていますが、あの日からずっと、私のバッグにはこのご本が入っています。
SHOGENさんは、ご自分のことを「ペンキ画家」と呼ばれています。
「ティンガティンガ」というアフリカにルーツのある絵を描かれるアーチストさんです。どんな作品かは、下記URLをご参照ください。ページの下の方にある「Gallary」のところに、色彩豊かで、元気で、優しい、素敵な作品の数々が見られます。
https://www.nzu-risana.com/
SHOGENさんは、この「ティンガティンガ」に魅せられ、ある日、突然会社を辞めて、アフリカに絵を学びに行くことを決心します。
「ティンガティンガ」のルーツは、アフリカのタンザニア。SHOGENさんは、そのタンザニアのブンジュという200人の村で村人と生活を共にしながら絵を学び、描くことになります。そこで、彼に大きな影響を与えることになる村長さんとの出会い。そして、村の人たちとの心の交流がはじまるのです。
ブンジュ村では、実は、かつての縄文時代の日本人が持っていた「価値観」や「生き方」が引き継がれていたのです。
村長さん曰く、
「効率よく考えるのであれば、生まれてすぐ死ねばいい。人はいかに無駄な時間を楽しむのかっていうテーマをいきてるんだよ。お前の心のゆとりはどこにあるんだ? お前の幸せはいったいどこに行ったんだ?」
SHOGENさんは驚き、戸惑い、悩みます。
「心のゆとり」。
私も、あらためて、この当たり前に使われているこの言葉の意味合いを真剣に考える機会となりました。
「毎日、忙しい……」
「スケジュールが詰まっている。」
「次の予定は何だったっけ?」
「これを終えられたら、つぎはあれ。」
「やることが溢れてくる。」
こんな風に感じたり、考えたりすることも、幸せなことだと思っていました。
確かにそうです。
自分で言うことではありませんが、「求められているうちが華」。
そう思って、感謝する日々。
これもまた、とても幸せなこと。
でも、それだけじゃない……。
違うとらえ方もある……。
いや……、実はそうじゃない……。
違うんじゃなくて、違うと感じている方が本当?
まだ、頭の中がグチャグチャになっています。
でも、そのことを間違いなくワクワク感じている自分がいることに気づいたのです。
ある日、SHOGENさんは、村長さんに次のような質問をされました。
『SHOGENは2日前のお昼ご飯に何を食べた?』
SHOGENさんは覚えていなかったので、『覚えていない』と答えます。
すると村長さんはつぎのように話されたのでした。
『SHOGENにとって食べるということは作業なんだね。
食べることが、食事が作業になった時に、生活・暮らしそのものが作業になってくるんだよ。確かに2日前のお昼ご飯の時、俺の家族と一緒に食べていたよね? でもね、SHOGENを見ていて思ったよ。
【お前はそこにいなかった。お前の心はそこにいなかったんだ。】
そこにいた俺の孫たちもみんなそう言ってたぞ。SHOGENはその時一緒にご飯は食べていたけど、おそらく頭の中は明日のことを考えていただろうし、1週間後の予定のことを考えていたにちがいない。SHOGEN、誰がどう見てもお前の心はそこにいなかった。生きるということはどういうことかわかるかい?
【生きるということは、その時、今、その瞬間瞬間をじっくりと味わうということなんだよ。】
今の日本はものすごく忙しいのか?
お前みたいな人ばかりなのか?
・明日何をする?
・どこに行く?
・何を食べる? といった作業の会話であふれているのか?
お前の会話は作業の会話が多すぎる。
このブンジュ村に住む人たちの会話をよく聞いてみてごらん。
・それをして、どう言う気持ちになったのか。
・それを食べて、心がどう感じたのか。という心の会話が多いだろ?
SHOGENも、もっと心の会話ができるように日常を味わいながら生きていくべきだと思う。』(HPより引用させていただきました)
SHOGENさんは、今まで生きてきた人生の中で、こんな質問をされたことはありませんでした。私たちだって、そうですよね?
私が「食育」に関する資格講座を受講していたとき、先生はしきりにつぎのようなお話をされたことを記憶しています。
『いまの私たちは、食事を食べているのではなく、「飲んでいる」と表現したほうがいいくらいに、噛んでいません。しっかり噛むと食事を楽しめるし、消化にもいいんですよ』と。
噛むことすら、意識することを忘れている……。
丁寧に味わう……ということを、忙しさのあまり忘れてしまっている……。
そういうことです。
いっしょに食事を楽しむという感覚も、どんどん薄れていっているのが、いまの現実なんだと思います。
生きる上で最も大切にしなければいけない食事という時間。ブンジュ村の人々にとって食事の時間とは、日常を豊かにしてくれ、生きる喜びを感じさせてくれる大切な時間だと考えているのです。
本来は、これが当たり前のはずなんですよね。
あなたは、昨日食べた夜ご飯を覚えていますか?
2日前に食べたお昼ご飯を覚えていますか?
その時、あなたは誰と食べましたか?
一緒に食べていた人は、どんな表情で、どんな会話をして食べていましたか?
その時にあなたが食べたものは、どんな味がしましたか?
私も、ぜんぶには答えられませんでした。
だから、答えられるようになろうと思いました。
生きるということは、今、その時、その瞬間に自分の心がそこにいるということ!
「いま、ここ」という言葉もあちこちで目にしたり、耳にしたりしますが、その本質はこれなんですよね!
そして、だからこそ大切なのが、「じゃあ、そんな自分にどう向き合うか」ということです。それは、このブンジュ村で交わされる挨拶に1つの答えがありました。
以下、『今日、誰のために生きる?』より引用します。
ブンジュ村の人たちの挨拶は、とてもユニークです。
「おはよう、今日も空を見上げている?」
「今日も裸足で土を踏みしめようね」
「今日は太陽に照らされや野菜たちが、すごく嬉しそうだね」
「この晴れ渡る感じが、今日もオレたちの中にあったらいいね」
「差し込んでくる光が希望に見えるね。今日は絶対にいいことが起きるよ」
これがこの村での挨拶なんです。
究極は、朝と夜の挨拶です。
「ショーゲン、おはよう、今日、私は自分の人生を生きるね。
「ショーゲンは誰の人生を生きるの? また夜ご飯の時会おうね」
「ザイちゃん、おはよう。今日は誰の人生を生きる? 父ちゃんはオレの人生を生きるからな」
「おはよう。今日、誰のために生きる? オレは自分のために生きるから、それではまた!」
(引用終了)
本書には、こうしたアタマをガツンとやられるような、忘れていた「当たり前」に関する心温まるエピソードが30編も詰まっています。
後半は、ひすいこたろうさんが、「幸せがずっと続く6つの秘訣」ということで、丁寧に、実生活に活かせるコツをまとめてくださっています。
海外に初めて行ったときに感じた「(文化の)違い」に対する違和感。それと同じような感覚を味わっています。でも、それは、本来、長い長い、14000年も続いた縄文時代から脈々と、私たち日本人が受け継いできたはずの生き方、感じ方、暮らし方、働き方なんですね。
ここにぎゅうぎゅうに詰め込まれていました。
(もう一度、)出会えてよかった……。
今あなたは何をしていますか?
今あなたの心はそこにいますか?
今あなたは今を生きていますか?
考えさせられますね。
感謝
2023.10.23:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】親孝行の意味 (※舩井勝仁執筆)
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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |