トップが語る、「いま、伝えたいこと」
相場の予想をするのは本当に怖いということを痛感しています。2週間前には、日経平均が42,000円を超えて史上最高値を更新していました。このトレンドはまだ続くのではないかと書かせていただいたのですが、7月25日(木)には1日で1,200円以上下げて38,000円台を割ってしまいました。金曜日のマーケットが開く前に原稿を書き始めていますが、木曜日のNYダウは上がったもののハイテク株が多いナスダックが大きく下げていて、日本市場も円高の流れも相まって朝方は下げて始まるのではないかという見通しになっているようです。
その日の日経平均がとりあえずは上げるのか下がるのかは、前日のNYの動きでほぼ決まるのは残念ながら不都合な真実ですが、相場をやられるのならそれを知っておくかどうかは大きな違いが生まれると思います。アメリカの投資家の半数以上が現在は投資尺度(例えば、PER(株価収益率:株価が利益の何倍になっているかを見る尺度))を見て投資行動を決めるのではなく、モーメンタムというか勢いで投資(パッシブ投資と言います。よくわからずに流れに引きずられている人も多いという観測もあります)をする人たちになっています。アメリカ株が大きく上がっていたひとつの理由だったのですが、その巻き戻しが入ったのかもしれないという観測も流れていて、日本株もその影響を受けていると見るのがこの大きな下げの原因を考えるときの妥当なところだと思います。
さらに、海外の人から見ればまだたいしたことはないとは言え、円高傾向になっているのも売りを誘う要因にはなりますが、短期的な投機筋は日本株を売っているようですが、長期的な資産形成を中心に考える投資家の資金はまだ日本株に対して買いの意向を持っているという報道もあるので、もう少し調整はするかもしれませんが年末にかけて史上最高値をさらに更新する流れになる可能性がまだ高いような気がしています。
前回も書きましたが、問題はトランプ大統領が再び実現した時のリスクをどう織り込むかということになると思います。市場は日米ともに来週開催される金融政策を決める会合の行方をとりあえずは見守っている状態で、大きなサプライズがなければマイルドに円安株高の方向に落ち着いていくのではないかと個人的には思っています。
外してしまったので、言い訳になりますが、投資は自己責任で行っていただくのが大事なことで、損失を出したときにそれをしっかりと教訓にできるかどうかが大切です。間違っていてもまったく問題ないので自分の相場観をまずは作ってみて、経験によってそれを修正していくのが大事だと思います。アドバイザーの言いなりにならずに自分で考えることで経済の流れも見えてくるようになりますので、ぜひ挑戦していただければと思います。
今回は芸術家大志著『銀河の塔 いのち輝く新時代のMATSURI』(VOICE)を取り上げたいと思います。大志さんのことは15年ぐらい前からよく知っていて、先日久しぶりに講演を聞かせてもらう機会がありました。大志さんは、私より10歳ぐらい若いのですが、その年代の時代の変革のための活動に真剣に取り組んでいる人たちのリーダー的存在で、彼の富士夢まつりというイベントに参加する形で富士登山に参加したこともあります。また、彼は1970年の万博で展示された岡本太郎先生の太陽の塔を通じて岡本先生の大ファンになり、その思いを来年の万博にぶつけたいという思い(https://www.uchu-matsuri.com/)を実現するために本書を書いたそうです。
内容としては、子ども向けのファンタジー小説近いものになっています。事故に遭った事がきっかけで主人公(実際に大志さんは幼い時に生死をさまようような交通事故に遭っているそうです)が世界で火の鳥と出会ったところから物語が始まります。宇宙、古代、銀河。圧倒的なエネルギーを持つ太陽の塔をきっかけに、過去を巡っていきます。祭りの意味、自らの前世、そしてそこから繋がる未来。太陽の塔を作られるきっかけとなった過去の大阪万博から、現代の大阪万博へ繋がるMATSURI、そこから生まれる銀河の塔という概念。宇宙規模の壮大な物語が展開されていきますが、これは著者の大志さんの(意識上の)実体験をもとに書かれているというのだから驚きです。非常に豊かな想像力と鋭い感性を持っている方である事を感じ取る事ができます。
また本書が素晴らしいのは文章だけではありません。色彩に富み、美しいながらも迫力満点である挿絵も見どころです。色使いが非常美しく、本のデザインそのものに高い芸術性が感じられます。そのためにパラパラとページをめくり、眺めているだけでも楽しむ事も可能ですし、文字だけではなく色による二重の表現により、より説得力のある描写がなされ、新しい時代の製本の形としても優れていると考えられます。内容としては、独特の感性と世界観ですんなり入ってこない方もいるかもしれません。しかし見て楽しめる、それだけでも十分に価値のある一冊なのではないかと思いました。
本書を読んですぐに大阪の万博公園にある太陽の塔に行ってきました。予約をして入場料を払えば中に入って復元された岡本先生の世界観に触れられるようになっています。一緒に行った大阪の友人に聞くと、中に入れるようになった当初はなかなか予約が取れないぐらいの人気だったそうですが、日曜日だったからかもしれませんが私が予約した枠は満員になっていました。来年の万博は盛り上がりに欠けることが心配されるようですが、もしかしたら大志さんが岡本先生の思いを蘇らせるためのイベントなのかなとも感じますので、本書を手に取っていただき、たまには子ども心に返ってみるのもいいのかもしれません。
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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |