トップが語る、「いま、伝えたいこと」
高額メルマガなので、あまり他の媒体で内容をお伝えするのはいけないのかもしれませんが、先週木曜日の配信の舩井メールクラブ(FMC)でエコノミストの植草一秀先生が先月上旬の荒れた相場の総括をしてくれていました。植草先生は、植田和男日銀総裁に部下として仕えたことがあるのですが、一部では1日の変動幅としては史上最大の乱高下になった主犯は日銀が金融政策決定会合でサプライズの利上げをしたことだという話しが出回っています。私も、トリガーを引いたのは間違いないなと思っているのですが、それも含めて植草先生は植田総裁の政策決定を高評価されていました。
同様に、トランプ元大統領からの指名という難しい立場からのスタートだった、アメリカFRBのジェローム・パウエル議長の政策に関しても高得点を出していますので、現在の日米の中央銀行の総裁の政策決定に関しては、安心感を覚えることができるということでホッとしています。日本の場合は、インフレ率がそれほど高くなる前に対処ができたので、これで政策のフリーハンドをある程度は確保できたことも大きいのではないかと思います。不確定要素は日米共に政治の行方だと思います。日本は自民党の総裁選、アメリカは大統領選挙が行われていて、誰がリーダーになってどんな政策になるかまったく未知数なので、相場や経済に悪影響を与えるような政策を打ち出されると大きな影響があると思います。
足下の相場は、かなり円高傾向とそれを受けて日本株はなかなか上がっていかない様相を呈しています。先週にはまた1000円以上の下げを記録してしまう日も出てきて、しばらくは調整局面というか、下をみながらの動きが続きそうな気もします。8月上旬のあれだけの乱高下があると経験則から言うと余震がある可能性が高いと言われています。相場もそれを織り込んでいて、いつどんなきっかけで起こるのかをじっと見守っている状態なのかもしれません。個人投資家で長期投資を基本として考えている方にとっては、まだ大きく下がった時は、絶好の買い場だと思っていていいのだと感じています。ただ、日本のバブルの崩壊のように決定的な金融崩壊もあり得るので、それに対する勘を磨いておくことも大切かもしれません。
足下、ちょっと気になるのは円高傾向が止まらないことです。140円台後半ぐらいが日本企業にとっては一番いい水準になっていると思いますが、逆説的ですが日銀の対応がいいので、円がまた安心通貨として評価されるようになってきて何かニュースがでるとそれが円高のキッカケになってきたようにも感じます。日本のマーケットが開いている時は、もう少し円安が望ましいという力が働くのですが、夜に海外マーケットで大きく円高が進むということが何回か続いています。少しだけ、為替の動向には敏感になっていてもいいのかなと感じています。
今回紹介するのは、植草先生が政治学者の白井聡先生と共著で出された『沈む日本 4つの大罪』(ビジネス社)です。経済学の専門家である植草先生と、政治学の専門家である白井先生が、対談形式で現在の日本の惨状を招いている原因に鋭く切り込んでいく、という内容です。ちなみに白井先生は私が最も好きな政治学者のおひとりで、『永続敗戦論』(講談社α文庫)や『国体論 菊と星条旗』(集英社新書)は日本人必読の書だと思っていますので、ぜひお手に取っていただきたいと思います。
4つの大罪とは。経済、政治、外交、メディアについてですが、これらは日頃多方から問題が叫ばれ、多くの方が不満を抱えている要素になります。特に多く記述が登場しますが、岸田政権になってからその声は大きくなっている傾向にあります。しかし、その不満の原因について具体的に説明できる方はあまり多くないでしょう。勉強不足という形もあるかもしれませんが、それは学ぼうにも表に出ないよう巧妙に隠されているのが原因かもしれません。経済では現在の問題だらけの状況が作られている原因、政治では現政権の問題点と今後の展望、外交ではロシアやイスラエル問題と日本の立ち回り、メディアでは昨今騒がれている芸能やセクシャリティ、環境問題についてなど、本質的なメタ認知をある程度学ばないと理解は難しいのかもしれません。
本書の著者である両氏は、その隠された部分を豊富な知識と経験を活かして暴き出していき、それは読んでいてとても爽快であります。本書を読み知識を得る事で、それが道標となり今までとは違う選択肢が見え、行動する気力が湧く、そんな方もいるかもしれません。もちろん、偏った極論のように見える部分も多くあり、陰謀論的な側面も強いと言われれば否定できない内容ではあります。読む方の思想や嗜好次第で大きく評価が変わる一冊であります。
それでもこのような現在の一般論との逆を行く意見は偏りを是正し、暴走に対するストッパーとなる側面も持ち合わせており、誰にとっても必要なものです。あまり合わないなと感じた方も、頭の片隅に本書の内容を留めておくと、思わぬところで役に立つ、そんな事もあるかもしれません。
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2024.09.23:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】人間失格 (※舩井勝仁執筆)
2024.09.16:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】自分探しという呪縛 (※佐野浩一執筆)
2024.09.09:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】沈む日本 (※舩井勝仁執筆)
2024.09.02:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】長所伸展法の夜明け前 (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |