トップが語る、「いま、伝えたいこと」
「悩みごと」って、多かれ少なかれあるものですよね。
そして、「悩みやすい人」というのも、やはり一定数いらっしゃるように思います。
もちろん、かく言う私も、「悩みごと」がないわけではないのですが、「悩まないこと」を習慣にしているという表現はできるかもしれません。
そんなことを考えていると、面白い一冊に出会いました。
木下勝寿氏が書かれた『「悩まない人」の考え方─1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』(2024年9月、ダイヤモンド社刊)です。
経営者として社員たちと、カウンセラーとしてクライアントと関わっていると、やはりいろんな「悩み」と遭遇します。
そのなかで、悩みやすい人に共通している思い込みがある……と木下氏は指摘されています。「自分の“外部にある状況”から悩みが生まれる」という考え方がそれにあたります。外部にある状況とは、「他人との人間関係」や「自分を取り巻く環境」などを指します。もちろん、ただ「外部にある状況」では、悩みは成立しません。悩みが生まれるためには「それ以外の何か」が必要なはずです。
それで、いったい何が悩みを生み出しているのかというと、「自分自身」にほかならないのです。人が事実を「悩むべきこと」として受け取ったときに初めて、そこに悩みが生まれます。目の前の状況を「悩むべきこと」として解釈しなければ、そもそも悩みは生まれないからです。
要するに、その状況をどう解釈するか、どのように意味づけるかによって、単なる「外部の状況」が「悩み」となってしまうということです。木下氏によれば、「外部と内部」「出来事と解釈」「事実と感情」……。こうした2つの切り分けができていないとき、人は悩みに陥りやすくなると指摘されています。なぜなら不快な出来事が起こったとき、つい「外部・出来事・事実」のほうを手直ししようとしてしまうからです。でも、これらを変えるにはかなりのエネルギーが必要になるし、多くの場合は至難の業、いや……不可能です。だから、延々と悩み続けることになってしまいます。
たとえば、ある人から嫌がらせを受けているとします。このとき、「どうすれば相手がやめてくれるだろう?」と考えてしまいがちです。つまり、悩みの原因が「相手」にあると思っているので、その人をどうやって動かすかを考えてしまうのです。でも、このやり方ではうまくいかない可能性が高いわけです。
「悩まない人」は、「外部・出来事・事実」にはタッチしないので、「他者」ではなく「自分」に焦点を置きます。どのように「自分」を変えれば、悩まずにすむかを考えるのです。
このとき、対処法は大きく2つあると述べられています。
1つは、自分の「場所」を変えること。「逃げるが勝ち」という格言?もありますが、不快な人・環境が変わる、あるいはどこかに行くことを考えるのではなく、自分が動くということです。距離を取る……ということですね。これで、たいていの悩みは解消するようですが、“相手”が近づいてきたり、離れてくれない可能性も残ります。
ですから、「場所」を変えるより確実なのが、もう1つの方法。「内部・解釈・感情」そのものを変えてしまうことだということです。つまり、目の前の事実を「不快なこと」として受け取るのをやめる……のです。
このように、「自分」に焦点を置くメリットは、「次の一手」がはっきりすることだということです。これには、まさに「納得」でした。他人や状況を変えようとするのは、とてつもなく難しく、行き詰まることがほとんどです。これが、さらなる悩みの深さや大きさにつながっていきます。
でも、「内部・解釈・感情」を変えるだけなら、いますぐ実践できますよね!やるべきことがはっきりしているので、悩みが生まれようがないということです。
木下氏は、つぎのようにまとめていらっしゃいます。
・悩みは「外部」ではなく「内部」から生まれる
・悩みは「出来事」ではなく「解釈」から生まれる
・悩みは「事実」ではなく「感情」から生まれる
だからこそ、何か嫌な出来事があったときには、「事態をどう変えようか?」と考えるのではなく、「自分はどう変わるべきか?」という問いを「選ぶ」べきなのです。悩まないためには、焦点を「自分の外」には置きません。「起きている事実」には変わりがありません。だから、「それをどう受け取るか」を変えればいいということですね。悩みを生み出すのは常に「自分自身」ですから、悩まないためには、自分を変えるのがもっともカンタンということなのです。
かつて、舩井幸雄は、「プラス発想」の大切さを力説しました。たしかに、「プラス発想」していると、悩まない習慣づくりにも役立ちそうに思います。ところが、この「プラス発想」も、外部にある環境、つまり、先述した「他人との人間関係」や「自分を取り巻く環境」に、ともすれば左右されがちだと思われませんか?
「〜が起こったから、プラス発想できなかった……」
「〜のせいで、マイナス発想してしまった……」
「こんな状況で、プラス発想などできるわけがない……」
やはり、外部の影響を受けてしまいがちですよね。結局、これも「悩み」と同様で、影響を受けない(受けにくい)ためには、自分自身のあり方、処し方を変えるよりほかにないように思います。
ただ、舩井幸雄も、「プラス発想したほうがよい」とは伝えているのですが、「どうすればプラス発想できるのか」には、ほとんど触れていません。そこで、私自身が、プラス発想するために、あるいはプラス発想につなげるために心掛けていることをまとめてみました。もちろん、それぞれが決して100点満点でもなく、「目標」であることも含んでいますので、ご容赦ください。
@普段から前向きな情報を得る
(日本講演新聞はおススメです。)
A外見を整える=自分なりのオシャレをする
B同じオシャレをするなら、明るい色、ビタミンカラーを身につける
C前向きな言葉を使う
D逆接の接続詞を使わない
E人の悪口を言わない
F人の批判をしない
G笑顔を意識する
H鏡を見る
I若い人から教わる
J習慣を変える
K努力すればできそうな新しいことをやる
Lクヨクヨしてから、忘れる
Mカチンときたら6秒停止
N運動をする
O好きな色で埋め尽くす
P「アホやな……」と思ったら勉強する
Q歩くとき、歩幅を広げる
R深呼吸する
S人の集まるところに行く
㉑「ありがとう」を伝える
㉒「おかげさま」と口にする
㉓大好きなことに時間をつくる
㉔笑う、笑い飛ばす
㉕笑ってもらえるネタを用意する、つくる
㉖アホなことをする、自分を笑う
㉗素敵、素晴らしいといってみる
㉘「かわいいーー」っていってみる
㉙好きなもの、ことを大事にする
㉚若い人が好きなものを、まずは好きになってみる
㉛大丈夫、なんとかなる……を口ぐせにする
㉜わからん、知らんことで悩まない
まあ、あくまで「私自身」のことなので、「それは違うな……」と感じられる項目があっても当然だと思います。押し付けたり、断言したりするつもりも毛頭ありません。でも、少なくとも、全部「自分自身」で完結できることです。
ですから、ご自身の“リストアップ”をおススメしたいです。
お近くや周囲に、「悩み多き」方がいらっしゃったら、ぜひおススメください。
実は、このリストアップは、自動的に「悩まない」「悩みづらい」自分自身にもつながっていくように思っています。
感謝
2024.09.23:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】人間失格 (※舩井勝仁執筆)
2024.09.16:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】自分探しという呪縛 (※佐野浩一執筆)
2024.09.09:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】沈む日本 (※舩井勝仁執筆)
2024.09.02:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】長所伸展法の夜明け前 (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |