中村陽子の都会にいても自給自足生活
このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。
2025年から秋田県は、全国で人気のある「あきたこまち」という品種を、全面的に転換し「あきたこまちR」にしました。それまで毎年県が作り配っていた種籾を、全部あきたこまちRの種籾にしてしまったので、ほとんどの農家は知らないうちに、あきたこまちRを栽培することになりました。
「あきたこまちR」は、コシヒカリ環1号と従来の「あきたこまち」と交配させて作った品種で、コシヒカリ環1号は、コシヒカリの種籾に重イオンビームという放射線を当てて突然変異を起こさせ、その中からカドミウムをあまり吸わない品種を選んだものです。
秋田県でも一部の自然の生態系や食の安全に配慮している有機農家は、これに反対しましたが、秋田県は国の方針に従って切り替えてしまいました。その上、農林水産省は、有機農家の反対を抑えようと、「あきたこまちR」でも有機認証が取れると発表しました。また秋田県は、「あきたこまちR」を「あきたこまち」と表示すると発表しました。
「あきたこまちR」の問題点がをまとめてみると、
@農家に「あきたこまちR」の内容の変化を知らせず、今までのあきたこまちとほぼ同じだいう説明で終わらせている。
A有機農家がこの品種が重イオンビームという放射線照射で作られ、遺伝子が欠損させた品種であることを知り、栽培できないと反対したのを無視し、有機認証すると発表した。
B秋田県産「あきたこまち」を愛する全国の消費者にも学校給食関係者にも、「あきたこまちR」に変わったことを知らせず、「あきたこまち」と表示して出している。
C「あきたこまち」は自家採取できたが、「あきたこまちR」は特許米であるため、自家採取することは許されていない。これはタネの権利を奪われるという一番重大は問題です。
D品種としての問題として、カドミウムを吸う遺伝子をカットしたつもりだったが、この遺伝子は稲の生長に必要なマンガンを吸う役目もしていたため、稲がごま葉枯れ病という病気にかかりやすくなったり、光合成の力が落ちたりして収量が落ちる傾向がある。
また、今年栽培してみた農家からは、収穫が落ちる傾向があること、食味が落ちたと感じるなどの報告がありました。まだ本当に自然界で生き残れるか、日本人に選ばれる品種かどうかはわからないと段階だと思います。秋田県内でもカドミウム汚染地の割合は、3%しかないのに、風評被害を避けるために県全部でこの品種にしてしまうのはどうなんでしょう? 問題は大きいと思います。
私が共同代表をしているOKシードプロジェクトでは、消費者連盟と一緒に、農水省、消費者庁との意見交換を何回もしてきましが、そこで認識の違いが明らかになりました。農水省は、重イオンビームによって、人為的に突然変異を起こさせることと、自然界の突然変異は全く変わらないという認識なのです。しかし、重イオンビームという放射線は地球上にはないくらい強力で遺伝子の2重らせんを一度に切断するほど強力なものなのです。宇宙空間にはあるという話ですが、地球上にはないのであれば、とても自然界では起こりえない突然変異なのです。
もう一つこの問題をややこしくしている点があります。それは、重イオンビームという放射線照射の前に、ガンマ―線という放射線放射をやっていたことです。ガンマ―線は1950年代から使われており、お米や雑穀の品種改良に使われたり、照射食品と言って、ジャガイモの芽を出させないようにコバルト60を当てたり、香辛料に虫がわかないように、保存料の代わりに食品に照射されていました。長年の消費者運動の成果として昨年廃止されたのですが、1950年代から作られていた品種は既に広く普及しており、このころまだ有機という言葉も認識もなかったので、消費者として問題に気付かず、見過ごしてしまったのです。
農水省は、このことを盾にとり、ガンマ―線が既成事実となっているのであれば、重イオンビームも同じ放射線なので、問題はなく、表示の必要もないという主張をしているのです。
しかしガンマ―線と重イオンビームの違いは、ピストルの弾とミサイルほどの差があり、また重イオンビームは地球上の自然界にない放射線であるので、見過ごすわけにはいきません。
この件に関し、昨日朗報が入ってきました。IFOAM(国際有機農業運動連盟)の公式認定機関(シード・プラットフォーム)から、この新しい育種技術についての見解が出されました。一部引用すると
「農林水産省が「あきたこまちR」を有機JAS認証の対象となるとしたことについて懸念しています。種子を含む有機認証製品における遺伝子操作は厳格に禁止されているという原則に基づき、「あきたこまちR」を有機JAS認証の対象とすることを断固として拒否します。そして、農林水産省がこの点に関する立場を転換するよう強く勧告します。」
このようなコメントが、農林水産大臣と、農研機構と、秋田県知事に送られたことが判明しました。世界各国が従う有機基準にコーデックスという機関があるのですが、IFOAMはコーデックスにかなり影響力がある国際機関です。
日本は、日本のお米のカドミウムを抑えて海外への輸出を振興するために、重イオンビーム育種を進めているのですが、海外では有機認証は得られないと分かれば、判断が違ってくるはずです。今後の対応はまたご報告します。
皆さん、今年のお米の収穫は終わりました。秋田県産あきたこまちは、90%以上あきたこまちRに変わりましたが、「あきたこまち」と表示されて販売されています。私は外食産業のお米調査で、秋田県産あきたこまちを使用している会社に、今年の秋からあきたこまちRになることを知らせたところ、数社がお米の品種を変えました。秋田県が国の方針に従うことを考え直し、独自にあきたこまちを守っていく判断をするように、活動をするつもりです。
日本の食の安全と消費者の選ぶ権利を守るのには、皆さんの関心の高さが必要です。どうぞ、このことに関心をもって見ていてください。
「有機認証はだれのもの?」という署名を始めました。
ぜひご協力をよろしくお願いします。
↓ 3月には院内集会を予定しています。
https://act.okseed.jp/organicstandard
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首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。
1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。
長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/





























