船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
雑感
2011.10.18(Tue)
社名:(株)本物研究所 取締役
名前:服部 真和

 皆さんこんにちは。今日からこの社員コラム「本音で生きよう」は7周目を迎えます。いつもお読みいただき、どうもありがとうございます。

 さて、過去に澁澤龍彦という作家がいたのをご存知でしょうか。
 あの澁澤栄一の親戚筋にあたり、数年前には没後20年を迎え澁澤龍彦を再発見する展覧会が開かれたり、雑誌で彼の特集が組まれたりしました。なぜ、澁澤龍彦を今回取り上げたかと言いますと、先日彼の『玩物草紙』というエッセイを読んでいて驚いたことがあったからです。澁澤龍彦は博覧強記(=広く書物を読み、いろいろな事をよく記憶していること)の作家で、西洋のアンダーグラウンドな文化をはじめ、恐るべき雑学の人で様々なカルチャーを紹介してきた方でした。ところが、澁澤は知的文化人として有名な方でありながら、テレビのスイッチの入れ方を知らなかったということがその『玩物草紙』に書かれてあったのです。取材先のホテルに泊まり、気分を変えて今日はテレビでも見ようかとしたら、スイッチの入れ方がわからない。そこでフロントに電話してテレビのスイッチを入れさせたということがそのエッセイには書かれてありました。それには私もビックリさせられました。古いエッセイとはいえ、まさか力道山の街頭テレビの時代じゃあるまいしということです。

 ひるがえって、私はどうしょうもないテレビっ子であります。テレビのスイッチの入れ方がわからないなんて信じられません。子供の頃から玉手箱のように日常生活の中にそれが溶け込んでいて、白黒テレビのチャンネルを奪い合っていました。ですからすっかりそうしたことは染み込んでいて、恥ずかしい話ですがテレビがないとさみしくてしょうがないというありさまです(とはいいながら一日でテレビを見る時間は1〜2時間のことなのですが…)。
 私にとってテレビとは映像を見る便利な装置で、もっぱら朝のニュース(朝食をとりながら見ています)、映画(録画しておき1日の終わりの時間帯に1本の映画を2〜3日かけて見て、観劇後にその映画の評論と付き合わせ自分の感覚を確認する)、教養もしくは勉強の手段(美術番組やドキュメンタリー、放送大学など興味のある専門・学門分野の番組をメモをとりながら見る。映像は流れていくので忘れないように)などの用途でもっぱら利用しています。最近うれしいのは放送大学がBSで流れるようになり、きれいな映像で見ることができることです。私が見る内容には、お笑いやバラエティ番組はほとんどありませんので人気タレントの名前などはサッパリわからないのが実情です。十年くらい前に広告代理店の方と話をしていて「モー娘」という言葉が誰を指しているかわからず笑われた経験があります。

 となってくると、澁澤龍彦がテレビのスイッチの入れ方を知らなかったということも私レベルが指摘しづらいことなのかもしれません。私自身、今超流行りのスマートフォンに、操作を含めけっこうアレルギーがあるほうなので、十年もすると私も化石のような人と言われてしまうのかもしれません。
 あくまで想像ですが、澁澤龍彦はテレビが嫌いで、自分が一番吸収しやすいものから貴重な情報を学んでいたのだろうと。とすれば、私も自分が愉しいと思えるものから情報を吸収するのが実は一番すんなりと頭に入るのかもしれません。


2周目:「映画館へ行こう!」
3周目:「清々しいメロディに紡ぎだすハート」
4周目:「刺激的な人物がいた!」
5周目:「人の変化で時代を感じる」
6周目:「ひまわり大作戦」

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