船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる
このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。
名前:塚田 明彦
イリアール株式会社の塚田です。
今回は、話しことばではなく、巷で目にする書きことばについて、少し考えてみたいと思います。
特に若い方が、お客様や、目上の方に資料を添付してメールを送付する時の常套句に
「ご参考いただけると幸いです」・「資料をお送りいたしますのでご参考ください」があります。
ここで問題になるのは「参考」の使い方です。
「参考」を辞書で引くと、名詞・ス(スル)と表記されているので、「参考する」の使い方自体はサ行変格活用動詞で「●●する」と使うことができ、誤用ではないことになります。しかし、違和感を持つ方も多く、意見が割れることばの一つです。
なぜ違和感があるのでしょう?
「参」の文字を含む単語では、「参加する」「参上する」「参画する」「参照する」、「考」では、「一考する」「再考する」「長考する」などは使いますが、「参考する」は現在ほとんど使われません。また、「ご●●ください」は一般的な敬語の使い方ですが、通常相手に何かをお願いする時に使います。つまり、自分(依頼者側)が得になることが多いのです。
ご入会ください・ご記入ください・ご理解ください・ご唱和くださいなどなど。しかし、「参考」に関しては、依頼者が添付した資料を読んで、とりあえず得するのは知識を得た相手側になります。ここが違和感の大きな原因の一つでもあります。
「参考にしていただければ幸いです」「資料をお送りいたしますのでご参照ください」のほうが無難だと思います。
ではこの文章はどうでしょうか。先日、ある有料のイベントの案内文に、こんな注意書きがありました。
「会場近辺には食堂及び売店がございませんので、お弁当をご持参ください。」
一見丁寧な文章のように見えますが、おかしな文章です。
「持参」とは、「自分が持って参る」と献上の意味が含まれています。敬語と謙譲語を取り違えた文章になっています。社内のイベントの通達で「弁当は各自持参のこと」ならまだしも、少なくともお客様に案内するための敬語としては、誤りです。「お弁当をお持ちください。」のほうが良いと思います。
敬語は相手のすることに対して一段持ち上げて使い、謙譲語は自分がすることに対して一段下がって使います。その使い分けが、かなりあやふやになってきています。文法上は間違ってなくても使わないほうが無難なことばが存在します。特にビジネスや目上の方に使う場合、敬語やことばそのものに違和感を持たれないように気をつけたいものです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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6周目:「自分にしかできないこと−その2」
7周目:「自分にしかできないこと−その3」
8周目:「「正しい日本語」を考える−その1」
9周目:「「日本語」を考える−その2」
10周目:「「日本語」を考える−その3」
11周目:「「日本語」を考える−その4」
12周目:「「日本語」を考える−その5」
13周目:「「日本語」を考える−その6」
14周目:「「日本語」を考える−その7」
15周目:「「日本語」を考える−その8」
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