船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる
このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。
名前:中沢 弥生
皆さま、はじめまして。船井メディア セミナー事業部の中沢弥生と申します。
今回より「本音で生きよう」の仲間入りをさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
私は船井幸雄が良書として紹介している下記の一冊に、深い感銘を受けました。
パラマハンサ・ヨガナンダ著 『あるヨギの自叙伝』
日頃の読書ではつい気が急いてしまい、斜め読みをすることも多い私ですが、タイトルに「自叙伝」とあるこの本は、さすがに順を追っていくべきか。それにしても500頁を超えるこの厚さ、読み切れるのだろうか……。そんな思いがありました。
しかし、いざ読み始めると雑念がすっと止み、表現豊かで鮮明な描写にみるみる引き込まれていきました。
パラマハンサ・ヨガナンダ(1893〜1952)は非凡な資質に導かれて心身の修養を積み、自国インドの教育に尽くした後にアメリカへ渡り、西洋にヨガの恩恵を広める使命に挺身した人物です。
ここでは、数ある彼のエピソードの中から、私の好きな前半の一場面をご紹介させていただきます。
まだ知らぬ霊的至福を得たいと切望する青年ヨガナンダ。日頃の勉学や恩師スリ・ユクテスワの指導に飽き足らず、憧れのヒマラヤへ行きたいと懇願、ある日僧院を飛び出してしまいます。悟りへの手がかりを求めて知人の縁を頼り、“眠らぬ聖者”ラム・ゴパールのもとを訪れたヨガナンダは、彼から「与えられた場所こそが自分の聖山である」という教訓を得て、自身の執着に気づきます(ここでの一連のやりとりは、慈愛と敬意に満ちていてとても感動的です)。
改心し、後悔と恥ずかしさをこらえて僧院に戻ったヨガナンダを、恩師は普段と変わらない態度で迎えます。心情をうかがう愛弟子に、スリ・ユクテスワは穏やかに語りかけます。
「どうしてわたしがおこったりしよう。怒りは、自分の期待が裏切られたときに生ずるものだ。わたしはひとに何も求めてはいない。だからひとがどんな行動を取ろうと、裏切られることもない。お前に対しても、わたしは自分のために利用しようと思ったことはない。お前の幸福が、そのまま私の幸福だ」
そして数日後、ヨガナンダはついにスリ・ユクテスワより至高体験への導きを与えられ、念願を叶えるのでした。
自身の求道の生涯について、惜しみなく詳細に記された本書。正義感か強く、聡明で率直、ユーモアがあり感激屋であるといった著者の人間味あふれる魅力により、親しみと共感をもって読み進みました。わかりやすく品格のある翻訳も秀逸であり、特筆すべき点だと思います。それにつけても、聖者と呼ばれる人物が無数に存在するという、インド文化の壮大なスケールには圧倒されるばかりです。
師弟の深い絆、登場する人々の敬意や品性にふれて、人間が持つさまざまな美徳を味わう喜びを得ました。本書に出合えた幸運に感謝しています。ありがとうございます。
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