船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
河合隼雄さんの『ケルト巡り』からケルトと日本のつながりを想う
2023.10.5(Thu)
社名:(株)本物研究所
名前:藤原 かおり

 皆さまこんにちは。急に秋めいてきました。寒暖の差にはどうぞお気をつけください。『舩井幸雄.com』&『舩井メールクラブ』担当の藤原かおりです。
 さて最近、『ケルト巡り』(2004年 NHK出版)という臨床心理学者の河合隼雄さんの本を読み終えました。これはこの社員コラムで弊社の服部が紹介していて面白そうに思い買ったのですが、例によってなかなか読めずにそのままになっていました。
 河合隼雄さんと言えばユング心理学研究の日本の大家と言える方で、大学で心理学科だった私は当時、何冊か河合さんの本を読もうとトライしたことはあったのですが、どれも難解で結局、一冊も読破できた記憶がなく、なんとなく私の中では河合隼雄さん=学者の中の学者、という堅いイメージを持っていました。だからこの『ケルト巡り』も正直、学者の旅行記的な本で趣味的な本かな、と思っていました。
 しかし実際は想像をはるかに超える素晴らしい内容の本でした。

 まず、日本人の深層心理を理解するためには日本の神話がとても重要であり、その研究のためには世界の神話についても知らなければならない、という前提から世界中の神話を読まれてきた河合さんがとりわけ関心があったのが、キリスト教以前のヨーロッパに生まれたケルトの神話でした。
 特異かつ強力な一神教のキリスト教文化がヨーロッパに来ることでヨーロッパの文化は発達し、現代でもその力が世界中を覆っているのが現状です。キリスト教がヨーロッパに広まる過程で、たいていのそれ以前にあった土着の信仰(たいてい多神教)は破壊されていきましたが、ヨーロッパの辺境にあったアイルランドまでにはキリスト教の影響がなかなか及ばず、アイルランドにはケルトの神話が語り継がれて残っており、ケルトの遺跡も残っています。キリスト教の普及・支配に伴い、ケルト人たちが信仰した自然崇拝の思想(ドルイド)は姿を消しましたが、現在ではイギリスやアイルランドを中心に、そのドルイドを復活させようと活動する「ニュードルイド」が増えてきているのだそうです。

 日本も歴史的に巧みに(キリスト教をベースにした)欧米文明の強い影響を受け、ご存知のように、現代ではすでにそれが頂点に達しているような状況です。河合さんは「日本のこれから」「日本人のこれからの生き方」を考えるにあたり、キリスト教以前のことを知ることが何かヒントになるのではないかと考え、ケルト的なものが残されているアイルランドに関心を持ち、今回の本が生まれました(テレビ番組としても放送されたようですが、テレビには納められないような内容が本には書かれています)。
 同様の理由から河合さんは、キリスト教の影響から逃れたアメリカ先住民のナバホの居留地に出向き、アメリカ先住民と交流したこともあるとのことです。面白いのは、文字の文化を持たなかったケルトには当時のことを示す教義や文献などが残っていないので、現在の「ニュードルイド」の儀式などは自己流でかなり柔軟なようですが、「ニュードルイド」はナバホのアメリカ先住民とも交流があり、柔軟にアメリカ先住民から学び、その手法を儀式などに取り入れているようです。

 河合さんがアイルランドに関心を持つに至った理由の一つにラフカディオ・ハーン(小泉八雲)に惹かれていたこともあるそうです。ラフカディオ・ハーンは日本のことを上手に紹介した西洋人の学者というイメージが強いのですが、ハーンはギリシャ人の母親とアイルランド人の父親のハーフで、早くに父親を亡くし貧しい暮らしを強いられ、アイルランドからアメリカへ渡り、日本へやってきました。
 ハーンは島根県の松江の海をアイルランドの海岸に模して回想していたようですが、ハーンの存在自体が日本とケルトを結びつけるものなのでしょう。興味深いことに日本の昔話の「浦島太郎」と内容がほとんど同じような「オシン」という昔話がアイルランドにあるそうです。日本人とケルトの人の深層心理に通じるものがあるということだと思います。

 またちょっと話は逸れますが、同書の中で河合さんが「レイライン」について触れていたことも私としては感慨深く、ビックリでした。レイラインとはスピリチュアル好きな人の間では有名で、遺跡や聖地と言われる場所が一直線上に並ぶ、その直線のことですが、「学者の中の学者」と思っていた、文化庁長官まで務められた河合さんが晩年の著書で「レイライン」に触れているとは・・。こんなに柔軟な方だったのだと、いまさらながら河合さんのイメージが180度変わりました。

 これをきっかけにケルトの深い情報がたっぷり詰まっている51コラボの「ザ・シークレット・オブ・ケルト」のコンテンツを現在、チェックしています。ケルトに造詣の深い方々があらゆる角度からケルトを語られています。よろしければ皆さまもぜひこの秋、ケルトの魅力を味わってみませんか?


2周目:「鳥インフルエンザからニワトリを想う」
3周目:「日本の独立と個人の自立」
4周目:「資本主義について思うこと」
5周目:「“野性”を目覚めさせるには・・・」
6周目:「にんげんクラブ全国大会で気づいた“つながり”」
7周目:「歪みを正す方法」
8周目:「“グレー”からの脱却」
9周目:「“コンサバ”に思う」
10周目:「“野菜”は本当に健康にいいのか?」
11周目:「ロンドン・シティで感じた意外な“気”」
12周目:「フリーエネルギーとUFOの関係」
13周目:「最近読んでショックを受けた本」
14周目:「“寄り添う”ということ」
15周目:「“五井野イズム”に触れて……」
16周目:「秘伝のお茶と新コラム」
17周目:「偶然とは思えない3つのこと」
18周目:「「本物」は野性的!?」
19周目:「日本人の「水戸黄門」幻想」
20周目:「嫉妬の時代」
21周目:「久しぶりに会った舩井幸雄」
22周目:「舩井幸雄との出会いを思い出してみました。」
23周目:「後から思い出してみるといろいろシンクロがあったこと。」
24周目:「竹中平蔵とは何者か。」
25周目:「足指から目覚める?」
26周目:「舩井SAKIGAKEフォーラムが無事終わりました。」
27周目:「私にとっての12月25日」
28周目:「“本物の健康”を追求するセミナー」
29周目:「最近ビックリした、アンチエイジングのエネルギー」
30周目:「舩井幸雄の「氣」の力を想う」
31周目:「「願い」のちから」
32周目:「本物時代の到来」
33周目:「Dr.コパさん」
34周目:「一神教vs多神教」
35周目:「空海から義経へ」
36周目:「“ミンパク”を知っていますか?」
37周目:「人生に難がやってくる意味」
38周目:「旅先でのシンクロ」
39周目:「オザケンの「うさぎ!」」
40周目:「宇宙での生活」
41周目:「最近のおススメ!2つ」
42周目:「竹田和平さんがメンターと出会われた神社」
43周目:「『君の名は。』とムー」
44周目:「卵がけごはんがごちそうになる・・・」
45周目:「「雑草魂」はもう古い?」
46周目:「銀座のはちみつ」
47周目:「ひょっこり見つかった舩井幸雄の健康情報」
48周目:「加計学園問題で揺れる今治市の可能性」
49周目:「“品格”について考えてみる。」
50周目:「“差別”から歴史を読み解く岸田秀さん」
51周目:「おすすめワイン」
52周目:「会津への旅」
53周目:「究極の“じっくりコトコト”」
54周目:「バリ島でのニュピ体験」
55周目:「「舩井フォーラム ザ・ファイナル」と生アーモンド」
56周目:「リピート必至の逸品」
57周目:「ドアーを閉めさせていただきます」
58周目:「都内でも八十八ヵ所巡り」
59周目:「健康指南 〜アーユルヴェーダより〜」
60周目:「おやつの力」
61周目:「昭和が歴史になる前に読んでおきたい本」
62周目:「わたしの太宰治」
63周目:「パリでも一風堂」
64周目:「カリスマの生き方」
65周目:「奄美大島に伝わる“ミキ”」
66周目:「お茶の力」
67周目:「みんなの力 〜「本物研究所感謝総会&“ほんもの”未来フォーラム2019」開催〜」
68周目:「二つの「こうどうかん」」
69周目:「モノを捨てよ世界へ出よう」
70周目:「自己理解と他者理解を深めるためのとっておきのツール」
71周目:「インフルエンザ対策にオススメの健康法」
72周目:「「総理」と「草履」は使い捨て」
73周目:「オーストラリアの森林火災とバンクシア」
74周目:「肺炎のウイルスから思うこと」
75周目:「いまは「本物時代」を迎えるための準備期間?」
76周目:「元号について改めて考えてみる」
77周目:「白も、黒も。みんな違って、みんないい」
78周目:「いつか、Go To ごと」
79周目:「千島学説のびっくりするウイルスの捉え方」
80周目:「やっと読めた『裏切られた三人の天皇』」
81周目:「やっと読めた『陰謀の日』(上・下)」
82周目:「伊藤詩織さん事件の真相」
83周目:「一寸の虫の五分の魂を輝かせている鈴虫寺」
84周目:「やっと読めた『風の王国』」
85周目:「私の最近の2つの愛用品」
86周目:「日本新生」
87周目:「キャベツの可能性」
88周目:「日月神示と将棋」
89周目:「目まいがするほどショックだった本、『新版 悪魔の飽食』」
90周目:「「スパイの妻」と「新版 悪魔の飽食」」
91周目:「電力契約のプランを変えてみました」
92周目:「女のアホが世界を救う!」
93周目:「舩井幸雄の手土産」
94周目:「舩井幸雄からのメッセージ」
95周目:「「数霊REIWA」と百匹目の猿現象」
96周目:「「アイカサ」を使ってみました」
97周目:「ミステリーによく合うコーヒー」
98周目:「高島康司さんや佐藤じゅん子さんのお話をぜひ聴いてください!」
99周目:「ペリー公園と東京湾フェリー」
100周目:「「幸福な死」」
101周目:「今年やりたいこと100」
102周目:「マイノリティによるアメリカ史」
103周目:「『ゴールデンカムイ』」
104周目:「無料動画、ご視聴いただきましたか?」
105周目:「熱海で土石流が起こった本当の理由」
106周目:「防衛費拡大は本当に必要か?」
107周目:「再び原発事故が起こる前に」
108周目:「川端康成」

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