船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる
このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです(このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください)。
名前:藤原 かおり
皆さんこんにちは。冬らしく、寒い日が続いていますが、お元気でお過ごしでしょうか。『船井幸雄.com』担当の藤原です。
さて先日、(株)アートメディアの廣野峰代さんにお話を伺う機会がありました。
(株)アートメディアでは、『ザ・フナイ』2010年1月号のトップ対談や特集でも紹介され、いま船井が大変興味を持っている五井野正さんの描く絵を取り扱われています。
五井野正さんは、マルチな才能をお持ちで、科学者であり、画家であり、哲学者や社会運動家でもあるという、とても不思議な方です。
その五井野さんは、オランダの後期印象派の画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの思いを受け継いだような画家でもあり、五井野さんの描く数々の「向日葵(ひまわり)」の絵は、明るく力強くユニークで、不思議な魅力をはなっています。
ゴッホは、日本の江戸時代の生活をイキイキと描いた浮世絵に大きな衝撃を受け、それ以来、描く絵の雰囲気がガラリと変わるほど影響を受けたようで、日本への憧れは相当なものだったようです。
ヨーロッパでは、19世紀末に印象派が生まれるまで、芸術の世界は暗く重苦しい写実主義が中心で、写実的な表現以外は、神への冒涜(ぼうとく)と思われ、ご法度だったようです。そんな閉塞的な風潮を打ち破るように「印象派」芸術が起こり、明るい光の世界への幕開けになったのです。そしてそのベースにあるのが日本の浮世絵だったということは、日本でもあまり知られていないかもしれません。
今回私は、ゴッホが600点以上もコレクションしていたという、生の浮世絵の数々を見せていただきました。江戸時代の人々の生活が表情豊かにイキイキと描かれ、色彩も明るく、繊細なタッチで、とても魅力あるものでした(性的にも大変開放的な絵が多数あり、貞淑が絶対とされていた当時のヨーロッパでは、これも画期的だったようです)。
ところで私は以前、芸術への憧れもあり、フランスのパリに留学して、1年間暮らしていたことがあります。その時、足しげくいろいろな美術館に通い、中でも一番好きだと思えたのがモネやマネ、セザンヌなどの印象派の絵でした。それまでの時代の宗教画などは、どこか堅く、重い感じがして、あまり好きにはなれなかったのです。
そして、パリ郊外にあるジヴェルニーの「モネの家」に行った時は、その家の中に、浮世絵のコレクションがずらりとあり(…というか、浮世絵しか飾っておらず)、「なんでこんなに浮世絵があるのだろう?」と不思議に思いました。
その、自分が一番共感できた“印象派”のベースが、実は日本の浮世絵にあったことは、最近になってようやく知りました。芸術に憧れ、フランスまで行き、そこでたどり着いた印象派が、実は日本をベースにしていたものだったと知った時は、何か感慨深いものがありました。
五井野さんはいま、ゴッホの絵を通して、日本人が忘れているものを呼び戻そうという活動を精力的にされています。日本の良さを私たち日本人こそが自覚することがいま、とても大切な気がします。
★現在、江戸情緒溢れる町、川越の「ギャラリー蔵乃茶屋かくれんぼ」で開催されている「江戸浮世絵展」にも五井野さんの「6本の向日葵(ひまわり)」が展示されています。一見の価値ありですヨ! 【詳細はコチラ】(開催中〜1月31日)。
★五井野先生のゴッホ研究のつまった「ゴッホ論文 ゴッホの『向日葵』の復活」のお問い合わせは、日本オーダー出版まで(TEL:03−5363−0371 FAX:03−5363−0372)
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