トップが語る、「いま、伝えたいこと」
私は乱読家です。興味の範囲も広いのでいろんな本を読みます。
しかし最近読んだ中で一気に睡いのをこらえて読んでしまった本が田中森一さんと佐藤優さんの対談本『正義の正体』(2008年3月31日 集英社インターナショナル刊)です。
京都へ行く新幹線の中で一気に読みました。
田中森一さんは、昔からよく知っていた人で、付きあいもありました。それだけに彼の『反転』(幻冬舎刊)は読んでいましたが、佐藤優さんのことは、ほとんど知りませんでした。今度『国家の罠』(新潮社刊)を読もうと思っています。ともに正直なアタマのよい人と感じました。
『正義の正体』の本は、出版社の編集担当者の手が、少し入りすぎているように感じますが、とはいえ、お二人の言いたいことが実によく分り、読者にとっては「国というもの」「正義はどうしてつくられるか」などがよく分ると思います。
以下に二人の経歴と、同書中、私がやはり一番はっとしたコトバを載せます。
田中森一 (たなか もりかず)
1943年、長崎県生まれ。岡山大学法文学部在学中に司法試験に合格。71年、検事任官。大阪地検などを経て、東京地検特捜部で撚糸工連汚職、平和相互銀行不正融資事件、三菱重工CB事件などを担当。
87年、弁護士に転身。2000年、石橋産業事件をめぐる詐欺容疑で東京地検に逮捕、起訴される。2008年2月12日付で、最高裁は上告を棄却、懲役3年の実刑判決が確定した。
著書に『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』『必要悪 バブル、官僚、裏社会に生きる』(宮崎学氏と共著)『検察を支配する「悪魔」』(田原総一朗氏と共著)『バブル』(夏原武氏と共著)『どん底の流儀』(筆坂秀世氏と共著)。
「田中森一塾」公式サイト http://www.tanaka-jyuku.net/
佐藤 優 (さとう まさる)
1960年、東京都生まれ。同志社大学神学部卒業。同大学院神学研究科修了。
85年、外務省に入省。在英国日本国大使館、在露日本国大使館勤務の後、95年より外務省本省国際情報局分析第一課に勤務。2002年、背任と偽計業務妨害の容疑で逮捕され、現在上告中。
現在は起訴休職外務事務官・作家として活躍中。05年、『国家の罠』が59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。06年、『自壊する帝国』が第5回新潮ドキュメント賞、第33回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
他の著書に『獄中記』『反省 私たちはなぜ失敗したのか?』(鈴木宗男氏と共著)『国家の謀略』『私のマルクス』『国家論―日本社会をどう強化するか』『インテリジェンス人間論』『野蛮人のテーブルマナー』など多数。
なお、私が一番はっとしたコトバは、以下のコトバでした。
「国策捜査とか検察の捜査というものは往々にして冤罪事件が多いということは明白だけど、真実を裁判で解き明かそうなどというのはしょせん幻想に過ぎない」―田中森一
「本当に強い国家というのは、こうした無理な捜査はしないものですよ。そういう意味では今の日本は司法の危機的状況にあるといっていい」―佐藤 優
ともあれ、この本の1500円(税抜き価格)は、絶対に安いと私は思います。
よろしければ、ぜひお読みください。
そして、いろいろ考えてみてください。
=以上=
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