トップが語る、「いま、伝えたいこと」
私の年輩以上の人たちは、不自由で差別がいたるところにあり、報じられるいまの北朝鮮以上といってもいいような昭和10年代から敗戦直前までの日本の大衆の姿を知っています。戦争に敗けたのは、くやしいことでしたが、それとともに大衆にとっては多くの自由が手に入ったのですから、「よかったな」と思った人も多くいたと思います。
終戦後、日本は世界でもっとも自由で安全な国でした。何十年もつづきました。それが最近、気がつくと急に不自由になりつつあります。
私は75才ですが、車の運転をする時は「もみじマーク」をつけろとか、自動車やバスの後部座席でもシートベルトを締めよ…とか、いろいろな「しばり」が出てきました。
40−74才は、メタボでしばるし、裁判員制度は強制的だし、タバコを喫える場所は減るし、どんどん不自由な国になっています。
みんな役人が考えるのでしょうが、大義名分があるので、それがどんどん規制としてまかりとおっています。私には非常に嫌な感じがします。
私は乱読家ですが、気になる記事を見つけるとコピーしてノートにはりつけるクセがあります。
つぎは、最近の1ヵ月内くらいに、ノートにはりつけたものなのですが、不注意で「どこに載っていた記事か」を書き忘れました。B5版で1ヵ月に読む雑誌が30−40冊、しかも読めば雑誌を処分するので、だれが、どこに書かれた記事か書き忘れたので、ちょっと分りません。しかし読めば読むほどいいことが書いてあるのです。
その記事は「日本の貧困率は世界一」となっていますが、そのとおりだと思います。ポイントだけ紹介しますので、お読みください。
知人の中小企業社長が語ったことがある。
――ウチの息子は東大を出て大蔵省に入った。家にいるときは何もしないで、ボケーッと宙を見つめて考えている。
「お前、なに考えているんだ?」
と訊いたら、
「新しい財源を考えている。新税を考えた奴が省内で出世するんだ」
と言う。わたしゃ言ってやったんですよ。
「冗談じゃない。アレにも税金、コレにも税金。もういい加減にしてくれ」
とね。でもね、息子には出世してもらいたいし、まったく困ったもんです……。
アレコレの税金は出世のためだったのか!いやはや、たまったものではない。今回の悪法を考えた輩も、いずれは覚えめでたく出世するのだろう。
この悪法(船井注:「この悪法」とは、「後期高齢者医療制度」のことと思います)は、2年前、元首相・小泉純一郎が郵政選挙で大勝した余勢を駆って定めた。郵政カイカクのインチキについては、すでに本欄で触れたことがあるから繰り返さない。ポイントは、郵政を国営で行なうアメリカが、なぜ日本に民営化を迫ったかだ。これを議する通称「竹中(平蔵)委員会」に、アメリカ大手保険会社の社長が、なぜ17回のうち5回も列席していたかだ。
ちなみに小泉が範としたドイツの郵政民営化は失敗し、慌ててUターンの立法に出ている。ニュージーランドの轍を踏んだ。おまけにドイツ・ポストとドイツ・バンクに分けたが、後者の社長が逮捕される「副産物」まで生んだ。いずれ日本の郵政民営化についても種々の不都合が出てくるだろう。
5年におよぶ小泉カイカクは何をもたらしたか。まずは貧乏人を増やした。「貧乏人」の一番多い国はどこか。アメリカが一番で、日本が二番目とされる。
「はて? アメリカについで日本は世界第二位の経済大国じゃなかったの?」
と不思議だろう。OECD(経済協力開発機構)が用いる尺度に「貧困率」というのがある。年収の上位から下に並べて、ちょうど真ん中の人の年収の半分以下しか年収のない人を「貧困」と呼び、その割合を「貧困率」とする。
これで見るとアメリカが1位で13.7%。日本が2位で13.5%。06年夏の統計だから、すでに日本が世界1位になっている公算が大きい。
小泉カイカクの5年間で、正社員は93万人減り、非正社員は320万人増えた。その比率は28.7%から33.7%に上昇した。非正社員の年収は、ざっと120万円と見られている。かつては600万円を中流とした。いまやその半分の半分にすら満たない。
勤め人に支払われる総賃金は、この5年で5兆円減っている。一方、GDP(国内総生産)は25兆円も増えた。行って来いで30兆円はどこへ行った?
01年から05年にかけて、株の配当金は2.8倍に増えた。資本金10億円以上の企業で、役員報酬はこの5年間で2倍を超えた。要するに株主と役員だけがウハウハだ。
いまや貯蓄ゼロの家庭は22.9%。5軒に1軒が不安に脅える。学校の給食費を払えない家庭が、この5年で倍増した。滞納を理由に保険証を使えない人も3倍に増えた。これが小泉カイカク5年の成果だ。
以上は森永卓郎著『年収崩壊』(角川・エス・エス・コミュニケーションズ )に詳しい(転載ここまで (筆者・出典は不明))。
この文章のように、いまの日本は少しおかしいと私も思います。私のように「自由大好き人間」にとっては気になることが急増しています。
このように不自由になるのは、不良星人の集団の特性なのです。私の近著『180度の大激変』(徳間書店刊)でのべていますように、「優良星人たちは利他愛で生きていますから、道徳、戒律など自由を束縛するものは何もない」のです。またそこには「格差はない」のです。
近い将来、地球人が優良星人になれそうないま、一番、優良星人に近いといわれる日本人の中で、自他を束縛するものがふえ、格差がふえるのは、どう考えてもおもしろくないと思いませんか?
心ある日本人は、この点をこれから本格的に考えようではありませんか。
=以上=
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