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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2011年9月22日
部下への接し方、上司への接し方

 経営体には、上は内閣から下は従業員2−3人の零細企業体にまで絶対に大事な「上手に経営するルール」があります。
 最近、その原則的なことを知らない人が多いようで、「経営のプロ」として危惧しております。
1.たとえば、迷ったらそのことはやめることです。……ゴーサインは出してはダメなのです。
2.絶対に安全と確認できないことはしてはいけません。……だから、いまのところ原発はやめるべきです。

 このような原則の中でも大事なのは、経営体という組織内での考え方の統一原則とバランス原則です。

3.まず統一原則です。経営は1人のトップが中心でなければやれないものです。トップはあくまでも一人です。トップの意向に従えないと思う人は、その組織体から出て行けばいいのです。(1)自分のことを例に説明します。これは事実ですから、そのように受けとってください。

@私は船井総研を創業後、2003年に70才で退任するまでの間は、トップとして私の意向で全社員を引っぱってきました。しかし退社して小山政彦君(現・船井総研・会長)にトップを委せてからは(相変わらず、一番の大株主ですが、)相談された時には自分の意見を言いましたが、彼の経営方針に対しては一言も言ったことはありません。 それだから、うまく行っているのです。トップは一人で、方針は一つでいいのです。

A去年から船井本社も船井勝仁社長に経営を委せました。
 この会社は私がオーナーですが、現社長に経営については一任しています。

Bその他、私がオーナーの会社が、いくつかあります。各社とも現社長に経営は委せています。

C相談された時は、アドバイスはいたします。
 自分がオーナーとか、大株主の会社の内容はかなり詳しく把んでいますから、アドバイスは充分にできるものです。しかしこちらから口出しするのはやめるべきなのです。

D会社のトップは従業員に給料を払い、客志向して利益を出し、株主に配当を払わねばなりません。これができない人は落第です。とはいえ、これは大変むつかしいことです。経営者として慣れるまで時間がかかります。どうにも適さない時は、オーナーや大株主は、会社のトップを変えればいいのです。委せている以上、相談を受けたこと以外は社内のことは委すべきなのです。

(2)したがいまして、トップは勉強し、失敗しないようにし、すべての社員から信頼される経営をやらねばなりません。また社員をかわいがらねばなりません。
 知っておいてほしいのは、トップの意向に合わない社員はやめていくものだということです。このことは心配不要です。
 そんな社員がいると経営体はうまく機能しないし、社員も居心地がよくないのです。
 これは大組織でも小組織でも同じことです。充分に知っておいてください。

(3)そのためにトップは、たえず自分の方針や考え方を部下たちにはっきり分らせておく必要があります。あけっぱなしがベストです。

4.部下はトップを知り、その組織体で働いている以上、トップの方針に100%従うべきです。言いたいことや気に入らないことがあるときは、辞めればいいのです。
 批判や意見は、どこででも言ってはなりません。ともかくどうにもトップについていけないと思ったらだまって辞めればよいのです。辞める自由は確保されています。
 それだけに、徹底的にトップの考えを肯定的に知ってください。

5.ただ、たまには、例外もあります。やむをえない場合です。(1)これも自分を例にして説明します。
(2)私は船井本社のことは船井勝仁社長に委せていますが、
@私の秘書の仕事のこと A船井本社の熱海オフィスのこと B『船井幸雄.com』のこと C「船井塾」のことについてだけは、船井勝仁社長と相談しながらも私の権限で、自由にトップとしてそれらの運営をしています。

(3)船井メディアのことは野々垣健五社長に委せていますが、
@同社刊の月刊『ザ・フナイ』は、主幹として編集長に指示を出せるようにしています。

(4)以上の(2)(3)は、いまのところ私でなければできない……と思えるやむをえない事項がある。だからですが、本当はこのような特例はない方がよいのです。

6.以上1、2に書いたこととともに、3、4、5は大事な経営の大原則です。
 いま多くの組織のトップ、あるいは組織員たちが、これらを無視して、経営体を危険に陥らせております。気になります。日本の大衆の衆知は優れていますが、それだけでは経営体はスムースに動きません。 
 きょう言いたかったのは、経営というのは、トップ1人で99.9%以上決まるということです。大統領や首相が変われば、一つの国が変わるのです。
 1万社をこえる会社や組織体の経営コンサルティングをし、数万件もアドバイスをしてきた私の経験上の原則の一端をきょうは述べました。
 宇宙の原理と同様、経営も原則はいたって簡単なのです。原則に従えばいいのです。
 むつかしい理屈は何もありません。上手にやってください。MBAの資格や理屈などは不要です。

7.さいごに一つ、これは大事なことなので知っておいてください。
(1)経営体の第一目的は「社会性の追求」です。世のため、人のためになることを追求することで、そうでないと経営体は成りたちません。
(2)第二目的は「教育性の追求」です。経営体に属する人、関係する人の人間性を高め、良さを引き出して活かすことです。
(3)もう一つ目的があります。
 「永続性の追求」です。そのために全員が、よく学び、よく働き、企業体なら稼がねばなりませんし、公的機関でも、客志向につとめ、対応する人々に満足してもらうべく努めねばなりません。

 以上、思いつくままに大事な点と思えることを書きました。
 それからはじめに書きましたが、経営体にはバランスが必要です。38兆円の収入しかないのに、100兆円も使い、借金を嵩(かさ)ねるのはバランスを欠いています。
 バランスから言いますと、日本国の借金総額は多くともGDPの範囲でせいぜい500兆円以下でしょう。これも気になることです。
 皆さんで、自分のことを、横においてマクロに経営を考えてください。
 ともかく簡単で常識的ですから、ぜひこれらを理解して実行してください。よろしくお願いいたします。
                                           =以上=

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