
トップが語る、「いま、伝えたいこと」

「にんげんクラブ」の皆さんにはおなじみ、友人の小川雅弘さんといっしょに、小川さんのおひざ元、高知へディープな旅をしてきました
小川さんは、高知市内で 「加尾の庭」というレストランを経営されています。平井加尾といえば、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」で広末涼子さんが演じた坂本龍馬の初恋の人で一躍有名になりました。
「加尾の庭」は、加尾の夫・西山志澄がかつて隠棲し、晩年の一時期に共に暮らした場所で、家屋は改築されているものの、庭はほぼそのまま伝えられているそうです。お料理は「土佐洋上膳」と名付けられた健康によく、食材に凝った創作フルコースです。
この場所を買った小川さんのお父様はなかなか豪傑な方で、面白いエピソードがたくさんあります。ある日、ライオンの赤ちゃんを「うちで飼うぞ」と何の断りもなく連れてきたそうです。成長の早いライオンは1年ですくすくと立派に育ち、おうちのお手伝いさんを噛んでしまいました。地元の動物園に「引き取ってください」とお願いするも、「日々の餌代を出すなら」という返事、最後は遠く離れた東京の多摩動物園にもらわれていった……とか、前述の平井加尾の家で、毎年お正月の宴を催し、人並み外れて酒豪のお父さんに次々につぶされるお客さんが、庭から落ちて池に沈まないように見張っているのが、小川少年の役目だった……などなど、枚挙にいとまがありません。
そんな小川さんと、今回高知を回るきっかけになったのは、あるチャネラーの方から面白い神社巡りの話を聞いたからです。「3つの神社をある順番に回ると、お金を全部失う。
そしておなじ3つの神社を逆の順番から回るとお金が入る。最初はお金を失うコースから回り、自身の中にある欲を捨て去る覚悟があるかどうかが試されます……」
「お金を全部失う」とは、なかなか刺激的な内容です。普通の人は尻込みしてしまうでしょう。
私の中で、この3つの神社を参拝するにあたってしっかりと自分と向き合う必要がありました。
自分の中でいくつかの現世利益を求める欲がありました。この際、思い切って、執着のかたまりを捨ててみる、ということに挑戦してみたいと思いました。しかし、欲にもいろいろな種類があります。たとえば「会社を充実させ、社会貢献の枠を広げる」。このことも果たして欲に入るのか、私の中では答えが出ないまま、参拝に向かいました。
神社の具体的な名前は、チャネラーさんとの約束で、公の場ではオープンにできません(すみません)。まずは、お金を失う順番から巡りました。最後の神社は、安芸にありました。三菱財閥を作った岩崎弥太郎の生まれた場所のすぐ近くに祠があり、お金のパワーが満ちている感じを受けました。最初の神社でエネルギーをもらい、真ん中で自分が試され、ラストにお金がどんどん流れ込んでくる、そんな仕組みになっていると感じました。 そして逆に回ってみました。各神社で、先ほどと同じように感じました。お金を失う過程の最後にお金のパワーを感じ、お金を得る過程の最後にエネルギーを感じる……なかなか興味深い順番になっているではありませんか。
お金を失う、お金が流れ込んでくる、両方のバージョンの参拝を終えて、結果、私自身は欲を手放せなかった気がします。
私たちにはさまざまな欲の心があります。仏教では人間の代表的な欲を五欲、「食欲」「財欲」「色欲」「名誉欲」「睡眠欲」としています。この欲には際限がありません。釈迦は満たしても満たしてもきりがないことを「渇欲」と表現しています。「飲んでも飲んでものどがかわく」という意味です。つまり一種の底なし沼で、そこから脱却できることはないのですね。まさに「貪欲」にあてはまります。
帰京後、お会いした作家の黒木安馬さんがご著書『あなたの「人格」以上は売れない!』(プレジデント社)の中でおっしゃっていた『人間は3つのタイがあります。ほめられたい、認められたい、役に立ちたい』の言葉が胸に響きました。
「お金持ちになろうプロジェクト」、私にはまだまだハードルが高かったようです。
すべてを手放し、今、ここに生きる。身の回りに起こる 自分の環境、状況すべてをフラットに受け取れるようになる。そんな意識に到達しなければ、決して欲からの解放とは言えないのだと気づかされた旅でした。まだまだ修行が足りません。
前述の五欲に関してはできれば解放されたいですが、「成長欲」「貢献欲」のような外に向いているものに対してはどうでしょうか。極めてゆくと、やはり他者との競合は避けられないので「我欲」に近づいてしまうのでしょうか。そのあたりのことは、まだまだ答えが出ないことです。
私が時として人生の相談をする親しい年上の友人がいます。以前は一世を風靡した仕事師として名を馳せ、今でもまだかくしゃくと活躍されています。その方が言っていたことを思い出しました。
「人生はけもの道を歩くんだよ。いろいろなことに遭遇するでしょう。その時助けてくれる友人が必ずいるものだ。それには日頃のこころがけが大事だな。それは謙虚であることだ。そして“あなたに会えてよかった”と思い思われる関係がいい。」「自分の足元を見つめて誠実に人生を歩くことかな。」「無欲とは、名もなく、功もなく、智もなく、財もなくという生き方だ。」
このような課題を傍らに置き、自分なりに「欲の本質」を見出すことができたとき、またこの参拝にトライしてみようと思います。その時は、みなさんもご一緒にいかがですか。
11月1日と2日に横浜で開催される舩井グループ今年最大のイベント「SAKIGAKEフォーラム2014」の準備も着々と進んでいます。お金のお話は、神田昌典さんとはせくらみゆきさん、そして朝倉慶先生や小長井秀幸さんが存分に語ってくださることになっており、私自身もとても楽しみにしています。
豊かにお金を引き寄せる……なかなか難しいことですが、達人の先生方はみなさん「お金に対するネガティブな思いこみや枠を外して、心的態度を見直せばこんなにたやすいものではない」とおっしゃいます。ついハードルが高いと感じてしまいがちですが、そのコツを知り、虚心坦懐に実践するだけでも流れは大きく変わってくると、これまで先生方のお話を聞いた方は口を揃えて言っています。ぜひ一緒に楽しく「気づき」の時間を共有しませんか。
お金の話だけではなく、「目に見えないもの」を人生に取り入れる必要性を存分に語ってくださる精鋭の講師の先生がたくさん皆さんをお迎えします。登壇いただく講師の先生については、このコラムでも少しずつご紹介していきたいと思っております。SAKIGAKEイベントの詳細はこちらまで。不明な点はお気軽にお問い合わせください。
=以上=

2014.07.21:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】教育勅語 (※舩井勝仁執筆)
2014.07.14:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】最近読んで参考になった本 (※舩井勝仁執筆)
2014.07.07:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】欲を捨てられるか (※舩井勝仁執筆)

ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』

