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このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
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2016年7月4日
予想外のイギリスのEU離脱 (※舩井勝仁執筆)

 7月になりました。あっという間の上半期でした。今年ももう半分終わったのだと思うと愕然とします。その最後に飛び込んできたイギリスがEU離脱を選択した国民投票の結果は、時代の変わり目を象徴する大きなニュースになる予感がします。EUとはみなさんご存知のように欧州連合の略です。EU加盟国同士の者は、ビザなしで自由に国を行き来できる仕組みになっています。
 イギリスはドイツと並んでEUの中でトップクラスの豊かな国。平均月収は20万台後半で、EU内からイギリスへ移住した場合、医療費も教育費も無料です。比べて、ルーマニアなど東欧の貧しい国の平均月収は6万円以下ですから、どんどん英国に移民がやってきました。税金を1円たりとも納税しなくても、EU加盟国からの移民なら、ただで学校に行けて、病院で無料で治療が受けられます。
 その結果、もともとイギリスを本国としている国民は、病院なら7時間待ち、学校は英語が話せない移民の生徒であふれかえって授業が滞り、いろいろと生活に支障をきたしているのが現状です。世界的な不況の引き金を引くことが予想できたとしても、国民投票で離脱に入れた人が多いのはよりリアルな国民感情だったと言えるでしょう。

 先日、日本でも有数のインテリジェンスのお話を聞くひとときがありました。イギリスのEU離脱について、「国民1人1人の理性と感性のバランスを保つことの難しさが招いた結果」だとおっしゃっておられ、なるほどと思いました。
 こんなたとえが思い浮かびました。あと数日で日本は参院選ですが、保守に近いイデオロギーを持つ人が多数います。その人たちが、自民党は今まで勝つはずなのできっと日本が大きく変わることはないだろうけれど、内心では戦争反対をうたう民進党と手を組んだ共産党は面白い、そちらへ入れてみようか、とした結果、自民党が負けてしまい、皆が慌てる……。このたびのこの一件に際して、それぞれの国が国益、国力を見直す機会になったと思います。
 イギリスの人を含めた多くの有識者は、まさか離脱派が勝利することはないだろうが閉塞感が漂う現状維持を選ぶよりも、自分ぐらいは破壊を選択してみたいという気持ちで投票した結果がこの結果を招いてしまったようです。上記の日本の例は、一生懸命共産党を応援している人には失礼な表現かもしれませんが、私は基本的には現状の体制を破壊することを目的に結成されている共産党と同じ行動をすることに対しては強い違和感を覚えます。また同時に、私はいまの不思議な保守の下で憲法改正に突き進むことにも違和感を覚えています。日本では、国民のクレバーな選択がバランスよくできればいいなあと思います。

 これまでの世界的な価値観は「グローバリズム」とされてきました。砕けていうなら「おせっかい主義」です。しかし、いまは世界的に「ナショナリズム」、民族主義です。アメリカがその台頭で、孤立主義、独立主義への想いが最近顕著に強くにじみ出ています。「自分の国は国で守る」、世界的な傾向の変容があるといえるでしょう。
 これまでは、それぞれの国が、自分の国の立ち位置を世界の中で意識することが、なによりの優先順位でした。しかし、より国の内面の在り方に重きを置いた考え方が、それを上回っていくことが、今回のEU離脱ではっきりしたように思います。このあたりのことに関しては、舩井メールクラブのメールマガジンでも今後追っていきたいと思います。

 それにしてもすごいなあと思うのは、いろいろな状況証拠からジョージ・ソロス氏は今回の離脱派の勝利を事前に察知していて、ドイツ銀行の株式を空売りして多額の利益をあげられたようです。世界を動かしているのはディビッド・ロックフェラー氏101歳、ヘンリー・キッシンジャー氏93歳、そしてジョージ・ソロス氏が85歳です。もういい加減に古い時代の考え方を手放して新しい時代を生きる選択をしなければ世界は大難を避けられないような気がして仕方がありません。
 彼らがいまの繁栄を築く基盤を作ってくれたのは間違いありませんが、いつまでも過去のシステムにしがみついていると取り返しのつかないことになってしまいます。私もびっくりしたのですが、今どきの若者はお金を儲けることにまったく興味がありません。それよりも、周りの方から感謝されたいと思って行動しているようです。そして、私たちがそのためには儲けないと継続できないでしょうと言うと、それもそうだということになって利益を出す方法を考え始めます。

 私は正直に言うと、いろいろ格好のいいことを話したり書いたりしていますが、本音は儲けたいと思っています。そして、それではバランスが悪いので格好をつけているのですが、周りの皆様もそうだと思っていたし、多分50歳代前半の私の世代までの人の大半はそうだと思います。でも、いまの若い人たちは本音で感謝が先で儲けが後のようです。ものすごくショックでしたが、時代は確実に進歩していることも確信しました。早く、そんな素晴らしい若者に道を譲っていかなければいけないと思います。
 今回のイギリスのEUからの離脱派の勝利が破壊の第一歩になるのか、すばらしい世の中の幕開けの第一歩になるのか分水嶺にいるのだと思います。どちらに流れ始めるかは、私たちの意識にかかっています。大難を小難にして、いまの豊かさを保ちながら理想的な世の中がやってくることを夢見たいと思っています。
                                           =以上=

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