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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2016年7月18日
舩井幸雄の夢 (※舩井勝仁執筆)

 イギリスのEU離脱ショック前の水準に株価が戻ってきました。為替も100円の大台を一度は超えたのですが、105円台にまで戻し、一連の騒動の巻き戻しができたようです。ただ、この金融相場の動きは日銀がヘリコプター・マネー(来日されたバーナンキ前FRB議長の持論で恐慌を避けるための非常手段)をやるのではないかという追加緩和期待に支えられている面もありますので、それが期待外れに終わった時には反動があるような気もします。
 私は選挙も終わったばかりのタイミングでそんな重大な追加緩和はしないのではないかと思っています。それに、トランプ氏が一緒に選挙戦を戦うことになる副大統領候補にマイク・ペンス氏を選ぶことになったということが報道されています。ペンス氏はトランプ氏が持っていない点をきちんと補完する関係にあると言われています。

 そんなこともあり、一時はかなり開いたヒラリー・クリントン氏との支持率がまた拮抗してきたという話も流れてきます。イギリスの大衆がエリートに対してはっきりとNoを突き付けたことも大きな出来事ですが、アメリカで同様なことが起こり、もしトランプ大統領が実現したときの衝撃は比べものにならないぐらい大きなものがあるのではないでしょうか。
 大衆は現状維持をしていても自分たちがどんどん追い込まれていくことに気がついて、破壊の道を選択しつつあると言えるのかもしれません。破壊はどんなことが起こるか分からないから破壊なのであって、予想されるようなシナリオなら対処方法が考えられます。予想もできないような事態がもうすぐ起こるかもしれないことは頭の片隅に置いておいた方がいいのかもしれません。

 そろそろ、子どもたちは夏休みですね。夏休みと言えば、宿題。その中でも、感想文は面倒な宿題で、私の時代は課題図書の感想文の宿題はありませんでしたが、わが子たちが夏休みの終盤になって、作文に苦戦していたことを思い出します。
 2014年度の第60回青少年読書感想文全国コンクール高等学校向け課題図書に選出された『アヴェ・マリアのヴァイオリン』(角川文庫)を書かれた香川宣子先生とこのところご縁をいただいております。香川先生は、お医者様ですがこの作品の構想を思いついて、なんと3週間一睡もしないで最後まで書き上げられたそうです。その間にはいろいろと不思議な体験もされたようで、この作品は時代のドラマを描き切っているとともに、香川先生の直感力の中からの幻想的なドラマを感じました。

 最近、実は私は小説を書きたいと思い始めています。まだ、小説の短編1つ書いたことはないのですが、文学の中で自分を表現できたら新しい挑戦になるのではなどと考えています。「文学とは物言わぬ神の意志に言葉を与えることである」という敬愛する作家の芹沢光治良の言葉に出合ったことも動機の1つです。
 読書傾向としては、専門書やビジネス書が多いので文学への探求はまだまだですが、これまであまり面白い小説に出合ったことがないのです。小説の多くは、時間と空間が(過去、未来と行きつ戻りつはあっても)平面的に流れていきますが、ここのところずっと関心のあった次元論の研究の中で感じた、次元を超えた立体的な作りにしたいとそんな大きな望みも抱いています。といっても、以前どこかで読んだ「大人向けの小説であっても小学4年生くらいの子が理解できるような、平易なわかりやすい表現を心がけた作品が、本当の良作である」ということにも大きく納得しているので、おおらかで易しいものを書きたいなと思っています。

 前述の香川先生は、以前、こちらで紹介した脚本家の旺季志ずかさんと『ザ・フナイ』の中で2回にわたって対談してくださっています。旺季さんは「佐賀のがばいばあちゃん」「ストロベリーナイト」などの人気作品を手掛けられた脚本家ですが、小説というジャンルの表現方法にすっかり目覚めて、いまは映像の依頼を断って小説執筆に集中しておられます。
 現在6万部を超えたベストセラーになっている『臆病な僕でも勇者になれた七つの教え』は、確かに、時空を超えたスケールを感じさせます。旺季さんには、秋の「舩井フォーラム2016」にも登壇をお願いしていますので、どのようにストーリーを組み立てるのかなど、普段の舩井フォーラムとはひと味ちがったテーマのお話も聞けることを個人的に楽しみにしております。

 実は、小説を書くということは父の夢でもありました。若い頃には直木賞作家の今東光先生の押しかけ書生のようなことをしていたこともあるらしいのですが、自ら本を出してトップコンサルタントとしての地位を得てからはあまり小説を読む時間もなかったようです。自宅の本棚にはSF小説が数多くありましたので、時間があった頃は大好きだったのだと思います。病気がちだった晩年には浅田次郎先生のエッセイ等を読んで、本当に文章が上手いなあと感心していました。
 私も父と同様、小説を書く夢は実現しそうにありませんが、本当のことはなかなかノンフィクションでは伝えられないということは真理だと思います。切磋琢磨して、いろいろな手段で心理をより多くの人に伝えることに挑戦して参りたいと思っています。
                                            =以上=

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