トップが語る、「いま、伝えたいこと」
大変お世話になった、竹田和平さんが7月21日に旅立たれました。本格的に教えを乞うようになってからまだ2年弱の年月しか経っていませんが、本当に多くの大切なことを教えていただきました。ご冥福をお祈りいたします。
昭和8年生まれの和平さんが危惧していたのは、終戦後、ほとんどの日本人がすべての財産を失ってしまったような経済危機が間近に迫っていることでした。2021年ぐらいまでにはこのままいくと日本の財政は大変なことになる。それを救うのは私たち一人ひとりの有意の人たちがしっかりと稼いでしっかりと税金を納めるしかないということを教えていただきました。
だから、まずはしっかりと稼げるようになるために問答という手段を通して力を付けることを教えていただきました。いまやっている舩井義塾も含めて1年3ヵ月間問答に携わらせていただいていますが、私も含めて問答をやっている人が自分では問答に参加はしていませんが、リアルタイムで問答を読んでいただいている人も含めて多くの気付きをいただいて、成長していることを実感しています。和平さんの教えをしっかりと受け継いで参りたいと思います。
和平さんから教えを受けていたこともあり、最近、国内外の経済の見通しのお話をする機会が増えてきました。自分の中でも常に関心のある分野で、毎月多くの本を読み、あわせて超プロの先生と勉強の機会をもつことを大切にしています。
時には、父の本もひも解きます。父の著書は生涯で約400冊、そのうちの百数十冊は経営書でした。晩年はとくに「未来予測」に情熱を注いでいました。不思議なことに十数年前に書いた本の中にある予測が、中長期的にじわじわと意味を持ち、現在、くっきりはっきりと当たっていることもたくさんあり驚かされることもあります。
特に、2002年に父が書いた『断末魔の資本主義』(徳間書店)のなかで予測した「資本主義は2010年から2020年までに崩壊するだろう」という一件は、父の数ある予測の中でも、反響を呼びました。この予測にはとても大きな意味があると感じています。例えば、この本を高く評価してくださったのが朝倉慶先生です。朝倉先生が現在のような活動をするきっかけにもなったといつもお話しくださいますが、その朝倉先生の本がきっかけで、和平さんが体調の悪い中で新しく智徳志士の会を立ち上げる原動力にもなったのも思えば不思議なご縁を感じます。
父の本のなかでは、このところ読み返して、改めて響いたのは『トップコンサルタントの計数力』(同友館)です。共著者は、山本純子さん。表紙では美しいたおやかな笑顔ですが、ばりばりのキャリア公認会計士さんで個々の企業の問題点を計数面でとらえる超プロです。ご主人は「戦略経営研究所」社長の山本一博さん。父は2012年ごろに「山本夫妻は、過去10年ぐらいの間、専門分野のことならほとんどすべてを的中させている」と言っていました。このご夫妻は、企業の業績から未来予測に取り組み、未来予測のシステム化に成功しています。
システムの名前は「SPLENDID 21」と言います。正式には「多変量解析企業力総合評価分析」という固い内容ではありますが、簡単にいうと、企業における経営を客観的に評価でき、改善点を一目瞭然にするといったところです。父が高く評価していたのは、数年分の決算書を入力すればその企業の不正決算まで見抜けるというすばらしいソフトです。本書の中で、父と山本さんは「鳥の目」「虫の目」で景気を読むことがとても大切だと繰り返し述べています。「鳥の目」「虫の目」どうぞ著書の中でお読みください。
父は「本書を一読していただきますと、経営のポイントがよくわかるはずです。ぜひ、本書によって、皆さんの会社が、この経済恐慌時の中で上手に舵取りをされることを期待します」と前書きに結んでいます。
経営者の方にとっては、取引先の現状がどうなっていて、どこまで深く付き合ってもいいかが分かるという大きなメリットがありますし、もちろん自社の分析にも使えます。まずはこの本を読んでいただき、また山本純子さんの会社で毎月15日に発行されている「SPLENDID21NEWS」を読まれることをおすすめします。
毎月1回上場企業を専門家が分析し、経営状況を解説しております。 財務諸表という定量データから、企業の定性情報まで引き出します。倒産する会社を1社でも減らしたい、そんな山本さんの悲願ともいえる想いは、父とよく似ていたように思うのです。
=以上=
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