トップが語る、「いま、伝えたいこと」
あけましておめでとうございます。本年も舩井幸雄.comをどうぞよろしくお願いいたします。舩井幸雄が亡くなって11年が経ち、いよいよ父が心配していたというか、もしかしたら待ち望んでいた大峠の時がやってきたようにも思います。政治経済それに自然災害等どの分野でも、何が起こってもおかしくないような雰囲気になってきています。
ただ、希望的観測と怒られるのかもしれませんが、父が啓蒙というか警告を続けさせていただき、多くの新しい時代の先駆者たちが社会を揺さぶるような様々な活動を続けていただいているおかげで、私たちの精神性というか、そこから作られる集合意識もかなり進歩してきたのではないかとも感じています。だから、悲惨な現実を引き寄せることなく何とか大難を小難にして乗り切ることができるのではないか、もしくは先送りできるのではないかとも感じています。
いろいろな意見があるのですが、最もつらいのは辛酉の年ではないかという記載をある本で見つけました。次の辛酉は2041年になるそうなので、そこまでは耐えられる可能性があるのではと勝手に思っています。そうすると、まだまだ現実を小難に代えていける可能性の時間が残されているとも思っています。
相場の方は、十二支の相場格言で考えると「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌笑い、亥固まる、子は繁栄、丑つまずき、寅千里を走り、卯跳ねる」と続いているそうです。昨年と合わせて天井を付ける年ということになるようですが、実際の相場の流れを考えても怖くはありますが、特に日本の相場はもう少し上がるのだろうなと感じています。日経新聞に載っていた経営者の意見も日経平均が最高値を更新していくという予想をされている方が多かったような印象を受けます。
心配されていた、お正月休み期間に海外の短期筋による為替の乱高下がしかけられるのではないかという懸念も杞憂に終わり、アメリカのダウは下がり気味で始まりはしましたが、予想の範囲内というところでしょうか。経験したことがないような大きなリセットを考えていると思われるトランプ新政権がどのようになるのか、少数与党の石破内閣が果たしてそれに翻弄されることなく対処できるのか、為替や株価はそれらの影響を受けてどのようになっていくか、誰もよくわからないまま新年の取引が始まっていくことになると感じています。
今回、紹介させていただくのは保手濱彰人著『武器としての漫画思考』(PHP研究所)です。「漫画を読むのではなく、本を読みなさい。」私も子どもの頃に、言われた記憶がありますが、自分の子どもにも似たようなことを言った記憶があります。目上の人間からこれに近い事を誰もが一度は言われた事があるのではないでしょうか。そのような言葉が根を残し、いまだに漫画に対してネガティブなイメージを持っている方も多くいらっしゃると思います。そして、恥ずかしながら、私はいまでも漫画を読むのは抵抗を感じていて苦手です。
世代間で認識にギャップのある娯楽の代表例とも言える漫画。若い世代は文字で書かれた本ではなく、専門的な分野を扱う漫画から多くの知識を得ているのはあまり知られていないかもしれません。本書は漫画から知識を得るだけではなく、もっと重要な人間の生き方や成長に必要な部分に焦点を当て、漫画がそれらを得るために大きなポテンシャル持っている事を解説していく、というような内容で、毎月百冊以上の漫画を読み続けたことで東大に現役合格して、事業での失敗も漫画からの教えを組織論に読み替えることで見事に立て直し、経営者として成功している著者の実体験から書かれたものです。
内容的には、やはり視覚的表現によって得られるメリットの強さを強調されています。シンプルでありながら濃い密度を持つ漫画の力、持つ強さ。その状況にあったキャラクターの行動を参考にしながら、自分ならどう動くかを考えていく。ヒット作と呼ばれるものは誰に対しても【分かりやすさ】を持っており、【共感】を得られるからこそ、大きな人気を呼んだ事が理解でき、そこから多くを学ぶ事でコミュニケーションに必要な正確に伝える能力と共感性を得る事が可能であると、本書を読んでいくと理解する事が可能です。
筆者の柔軟な発想ゆえと感じる要素も多くあり、全てを取り込むのは難しいかもしれませんが、一理あるなと思わせてくれる内容が多く続いています。漫画の中の出来事など現実的ではない、役に立たないと思う方もいるかもしれませんが、漫画は人間にとって理想的な世界、人間を描いたものが多く、読めば読むほどそれに沿った理想の参考となる人格を得る事ができると考えれば、多く読み込む方の思想も理解できます。
また内容が自分に合わなくても、漫画には世界的な評価の高さによる、コミュニケーションツールとしての有用性が担保されています。出版不況が叫ばれる事はありますが、インターネット上の出版社公式サイトにて無料で漫画を読む事のできる現在、若い世代の多くは日常的に漫画に触れています。一般的に知名度の高い有名作が多く紹介されているので、漫画に疎い方は登場する最近出版されたものを数作読んでいくだけでも、若い世代との距離が縮まる事は間違いありません。
使い方次第では漫画も有用な武器となる。漫画が苦手な方には新たな発想を、好きな方には新しい利用方法と、漫画好きが頭の硬い相手に読む意味を説明する屁理屈を教えてくれる、そんな本なのかもしれません。正直、若い世代について行けていない私が一番理解しなければと感じた本でしたので、世代ギャップを埋める意味でも本年最初に紹介させていただきました。
=以上=
※今回は佐野浩一寄稿の予定でしたが、都合で、舩井勝仁の寄稿とさせていただきました。どうぞご了承くださいませ。
2025.01.20:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】魂の深いところへ (※舩井勝仁執筆)
2025.01.13:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】新境地への挑戦 (※舩井勝仁執筆)
2025.01.06:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】漫画思考 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |