トップが語る、「いま、伝えたいこと」
アメリカ株の調整がどうも本格化してきたようです。トランプ政権も目先の株価を上げることよりも根本的な改革に突き進むという趣旨の発言を大統領ご自身や政府高官が発信されるようになり、市場関係者も警戒感を強めてきているように感じます。アメリカのハイテク株、いわゆるマグニフィセント・セブン(アップル、グーグル、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌヴィディア)が高値を牽引してきたのですが、どうもそれがバブルだったと認識されるようになってきて株価が下がるようになってきました。
この7社で圧倒的な時価総額を占めているので、投資信託などの組み入れ比率も当然高くなり、投資信託の値段も必然的に下がってくることになります。悲観論者の方々は、それを見て金融市場の崩壊が始まったという言い方をされるのですが、もちろんその面もありますが、システムが壊れるほどのインパクトは与えられないと思いますので、底値を形成した後は緩やかな回復に向かうのではないかと思っています。トランプ改革が成功してもしなくても、やがてはさらなる最高値を目指して上がっていくのではと思っています。
システム崩壊というのは、例えば1999年に東証にマザーズ市場が開設されてITバブルが起こりました。マザーズ市場自体が2022年に統合されてなくなっていますが、インターネット関連というだけで信じられないぐらいの株価がついて、そんな中身のない会社の大半は倒産するなり、買収されるなりして姿を消してしまいました。実は、彼らを牽引していた会社のひとつがソフトバンク・グループです。アメリカの友だちが日本には1株1億円以上の株式があるとびっくりしていましたが、それがソフトバンクでした。ソフトバンクはつぶれたわけではありませんが、その後数年で80分の1近くに株価が下落し、最高値を更新したのは、昨年のことだと思います。
最優良企業でも、株価の回復に四半世紀近くの歳月がかかるようなシステム崩壊が起こってしまい、それが日本の経済が回復しない大きな原因のひとつになってしまったのですが、今回のアメリカのハイテクバブルの崩壊がそれ以上のものになるというのが、金融崩壊論者ですし、私のようにそこまでではなく比較的マイルドなもので済めばいいなあと思っている人たちもいるというのがいまの金融市場の状態だと考えていただいてもいいのではないかと思います。
日本株も当然、この流れに引きずられるのですが、それほど上がっていなかったのでバブルになっていないという強みはあり、比較的見直される環境にはあると思います。相場に詳しくない方は、当面は損失が出る可能性が高いと思いますが、長期投資の観点で上がっても下がっても冷静でいられるような投資姿勢で臨まれるのがいいのかなと思います。大きな観点で言うと、今回の調整(もしかしたら暴落)は、振り落としのために起きているような気もするので、動じることなく市場に向き合う心構えを作っていっていく機会にすればいいのかなとも思います。
今回紹介するのは、斎灯サトル著『超運の法則 毎日を大安吉日にするシンプルな知恵』(あかり舎)です。2月24日に本物研究所が開催させていただいた「“ほんもの”未来フォーラム」で「いまこそ喜びで高める生命力」というテーマで実際に絵を描きながらお話してくださるライブパフォーマンスをご披露いただいた斎灯先生ですが、とてもステキなお人柄が滲みでておられて会場で購入してサインをしていただいた1冊です。
運という曖昧な分野の引き寄せ方は、スピリチュアル系統の書籍では度々取り上げられる話題であります。実際過去にもその種の本を紹介する事はありましたし、相当多くの方にとって強い関心ごとであるのは間違いありません。しかし本書には既存のそれらとは一線を画し、論理的に運について解釈をし、解説しようという傾向が見られ、その点においては非常に新鮮な一冊です。
読み進めようと本を開くと、先ずは運の考え方への分類から始まる。この時点で違いを理解する事ができるはずです。一般的に多く解釈されているのは偶然運だそうですが、これは人間性が出て心理テスト的な側面もありそうです。その後も運の良し悪し、定義、言葉自体の意味、それらを前提とした上での解釈と流れの作り方など、丁寧に流れに沿って解説されていきます。
引き寄せるために必要な行動と準備、簡単に言えば円滑な人間関係の形成と基礎や善行の積み重ねなどの生活態度の改善、定期的に自らを鑑みて修正を加えながら正しい状態を維持する必要性など、人間性に起因する部分が多いのが印象的です。社会的評価の向上、日々の努力に能力向上などとも言い換える事ができますが、運を論理的に引き寄せると考えれば、先ず間違いなく必要な要素です。
結局、多くの運を偶然性によるものだと捉えている方に対して、本質的長期的な意味では偶然は存在しないので日々自分を磨けば成功は手に入る、というメッセージを送っていると解釈もできる内容です。難しいことは一切書かれていませんが、じっくり読むととても深い気付きがたくさんありました。認識を改めるのに間違いなく有用ですし、『幸運』に生きる為にも必要な要素が詰まっている一冊ではないでしょうか。
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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
![]() 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち)![]() 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |
