船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
緊急時から学んだこと
2011.4.4(Mon)
社名:(株)船井本社 秘書室・にんげんクラブ事務局
名前:重冨 嘉代子

 このたびの東日本大震災で被害にあわれた皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

 3月11日を境にして日常のありかたが激変したと感じています。
 始まりと終わりが同時にやってきたようなあせりと不安に駆られ、3週間が過ぎた今でも落ち着かずにいます。

 『大激変を乗り越えよう』と、かねてから伝えてきた船井情報に接し、備えていながらも生き方を根底から見つめなおすときがやってきたと感じています。
 船井が日常の中からくり返し伝える『即時処理』や『ムダをなくす』といったことにも緊急時の判断に欠かせない重要な視点があり、自分を改めています。

 震災直後の編集作業となった、にんげんクラブ会報誌4月号では、株式会社S・Yワークスの佐藤芳直社長から、被災地仙台からの思いと決意を寄せていただきました。
 動揺を抑え、努めて冷静に、船井から学んだことを強い意志“強気、負けん気、思いやり”とともに『私の船井流実践編』〜震災のただ中で人間の使命を思う〜としてご寄稿くださいました。

 人は、緊急時においてその人の真価が問われると聞いたことがあります。
 東北に住まう方々のひたむきで、控えめで、我慢強い人柄を重ねて思い、人間の使命を教えていただきました。この災害は東北地方だけのものではなく、日本全体に関わるものだと、原発事故の報道からも察します。日本の知恵をあわせ、復興への力にして行く時なのだと思い続けています。
 ここに転載しお伝えさせていただきます。

『私の船井流実践編』〜震災のただ中で人間の使命を思う〜
                              株式会社S・Yワークス
                              代表取締役社長 佐藤芳直

 世の中の出来事に偶然はない。全ては必然・必要である。
 東日本大震災から二日経った仙台のオフィスでこの原稿を書いています。
 遠く近く断続的にサイレンが鳴り響き、街中は暗黒の闇に包まれています。ライフラインは寸断されていて、想像を絶する被害状況の確認も未だ不可能な状況です。
 食糧・ガソリン、何より水の手配に黙々と街を彷徨する人々の群が異常事態の深刻さを言葉なく印象づけさせます。
 原発の深刻な状況もラジオから伝えられています。
 あらゆる想像を超えている状況が、東北を中心に日本を覆っている、その中心点で今、私たちの役割を考えています。
 混迷する日本、その状況下で国のカタチを変えてしまう様な大災害が起った訳です。 この連鎖する未曾有の事態は、私たちに何を教えようとしているのでしょう。決して偶然ではなく、この時に起った理由は何なのか? 幾多の人命が失われた、その必然性はなんなのか?
 電力が回復しない暗闇の中で、ローソクの灯を見つめながら深く考えます。
 日本という国は、危機的環境になると大衆は実に冷静に、そして規律正しく行動します。天災が発生する度に各国の報道機関が驚嘆することです。
 抵抗したり、反逆をおこす活力すらないのだ、等という声もありますがそうではないと思います。
 天災の現場の真っ只中にいて思うのですが、日本人には不思議な自律性があるようです。解放されている駐車場や自動販売機。公衆電話の前の大行列も、規則正しく、そして一礼をして次の人に譲る姿勢に胸を打たれます。
 この静かさと礼儀正しさは何なのでしょう。
 日本の歴史は二千六百年以上と言われます。天皇を中心、いや象徴とした例のない国体を作り上げてきました。時代時代の中で、常に天皇は権威の象徴として存在し、時勢に応じた権力は環境変化の中で変転していきました。どんな権力が専横を極めても、それはやがて姿を消す。しかし、天皇という権威は厳として続いて行くのです。これは大きな安心感だと思います。権力が変遷しても国体は変わらないのですから。
 天皇という存在は、祭祀の中心点であり神であることも求められました。そして、人間としての理想の姿も求められてきたのです。
 日本という国、天皇という仕組みは、常に「民利優先」という原則の上にありました。J・Fケネディが第三十五代米国大統領に就任した折、尊敬する経世家として米沢藩主、上杉鷹山を挙げたのは有名な話です。当時、日本人の中で上杉鷹山を知っている人は稀でした。高鍋藩主秋月種美の次男として生まれ、米沢藩主、上杉重定の養子として迎えられました。米沢藩の絶望的財政危機に当り、細井平州を師とし倹約を励行し財政危機を突破しました。行政の刷新、産業奨励を進め、荒地の開墾等にも尽力、その手腕は江戸期のあらゆる事例の中でも突出していると思います。
 「国家人民のために立てる君にて、君の為に立てる国家人民にあらず」
 この上杉鷹山の哲学は、どんな時代であれ、リーダーの核となる哲学だとJ・Fケネディも得心したのだと思います。そして、この民利優先の発想は、天皇の中核的思想であると言えます。
 “君主・リーダーとは国・人民のために存在する。君主・リーダーの為に国や人民が居るのではない。”
 言わば、リーダーとは扇の要のような存在である。これがこの言葉の意です。
 君主やリーダーは、扇の要として国や人民を支える存在なのです。一方、西欧的発想は“扇の要”とは異なります。
 三角形の頂点にリーダー・君主が存在するスタイルが西欧型です。これは“支配型”と言えます。
 日本の国体は言わば逆三角形で、一番下の支点に天皇・国主・リーダーが存在すべきであると考えたのです。特に天皇は、その思考を代々大切にしてきた様に思えます。
 「いやしくも民に利有らば 何ぞ聖の造に妨はむ」
 神武天皇が国を宣言した時に、この言葉を詔したのです。
 “民に利ありことこそ、天皇のやるべき事なのだ”
 その覚悟、哲学を国の始まりに宣言した訳ですから、日本という国の根幹にその精神が刻まれているのではないでしょうか。そして、その精神こそが「大和魂(やまとだましい)」だと思えます。
 紫式部は源氏物語少女の章に、国のリーダーにとって身につけるべきは、“世渡りの才”などではない。大和魂をこそ身につけるべきと断言しています。ある意味で潔よさ、名誉を大切にする姿勢、何より弱い者を大切にしようとする根本は、そんな天皇の姿勢から導かれたと考えます。
 明治草創期に日本を旅した英国人女性、イザベラバードは、日本人が特に子供を慈しみ大切にする姿に何度も触れています。正直さや信義を第一とする姿と共に、それは驚きの対象だったのでしょう。
 人間性とは何か?
 船井先生からは何度も教えられてきたことですが、こんな哲学もありました。
 「弱い人間に対する姿勢に、人間性は一番表れる。」
 強者に対する姿勢よりも、弱い立場の人間に対する優しさは、確かに人間性の本質が伺えるのでしょう。
 一際の差別、区別をしない。強い者は困っている者にこそ思いやりをもって当るのだと、船井先生は時に語ってくれました。
 「強気、負けん気、思いやり」
 その言葉には、強者への姿勢と弱者への姿勢が凝縮されています。それは、“武士道”そのものにも込められている哲学でしょう。
 新渡戸稲造は、
「武士道とは日本の宗教」
 と述べていますが、武士道の根本にも日本の源流があると考えます。
 霊性、という言葉があります。日本という国はそんな霊性により護られてきた国だと教えられます。ただ、国民、国家の安寧と安泰を祈ることを使命とする天皇を象徴的権威として抱く国ゆえの哲学、国民性が底流にあるのです。
 今、国を揺るがす大災害に直面し、私たちはどんな国家国民なのか、どんな哲学の元に結集しているのかを深く考えさせられます。
 我欲とエゴへの迷路に踏み込んだ日本人。その誤りに気づき始めた時の大災害です。
 失われた余りに多い生命。抉(えぐ)られたような喪失感の中で、立ち直る力は人々の絆であり、祈りであり、慈しみであると思っています。
 遠く響き続けるサイレンを耳に、この必然の意味を深く深く考え続けています。



2周目:「にんげんクラブ東京大会で、“よりあい”実現しました。」

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