トップが語る、「いま、伝えたいこと」
多分、後2−3日もすれば発刊されると思いますが、私と外交評論家の岡崎久彦さんとの共著『気の力』(海竜社刊)を、できればお読みいただきたいのです。
岡崎さんは各国大使を歴任した外交官出身の外交評論家ですが、「気」を通して私と親しくなりました。「気」とは、「気功」の「気」のことです。この本の帯には「気とはこんなにすごいものだったのか!」というキャッチコピーとともに「岡崎久彦氏、達人船井幸雄氏の門をたたく」とも書かれています。
ともかく、この本の「あとがき」の冒頭には、岡崎さんが次ぎのように書いています。
出版社から「なぜ気功は効くのか」の続編を書け、と催促された。約束した記憶はどうもたしかではないのだが、何かのときに約束したらしい。といっても、もともと素人で、あれ以上書くこともない。
それで、その後気功をしながらいろいろ疑問に思ったことについて、誰かに教えを乞うことを考えた。
船井先生は、かつて私の目の前で、人を金縛りにしたり、船井先生の指示通りに動かしたり、気を自由自在に操れる達人である。その後お話を伺ったり、時としてご馳走になったりしているうちに、この方は本物だという確信を持つに至って、教えを乞うこととした。
それがこの本である。まだまだ伺い足りないところは多々あるが、それでも今後一生思索しつづけるに足るだけの、種々の示唆はいただけたように思う(抜粋ここまで)。
たしかに私が「気」を自由に扱えるのは事実ですが、この本のポイントは、私の立場からしますとアタマが良い上に博識の岡崎さんの「思想」や「哲学」、そして「世の中の構造」についての考え方や質問などに、本当に勉強させられたことにあります。
彼は同書内で、つぎのように言っています。
船井先生のお話は西田幾多郎の『善の研究』と共通します。先生のおっしゃるように、万物は波動を持って生まれているのなら、波動と波動との間の調和ある発展の過程で、他との関係を律する価値観、つまり善悪が生まれることは避けがたいと思います。そして他との関係を律する価値観の中で最高のものは、愛と慈しみであるということは、キリストと仏陀の教えのとおりだろうと、私も思います。
船井先生のお話を聞けば聞くほど、西田幾多郎の『善の研究』の考え方とも共通するところがありますね。引用してみます。
「ここにおいて善の研究は美の概念と接近してくる。美とは物が理想の如く実現する場合に感ぜらるるのである。理想の如く実現するというのは、物が自然の本性を発揮する謂である。それで花が花の本性を現じたるとき最も美なるが如く、人間が人間の本性を現じたるとき美の頂上に達するのである。善は即ち美である。」
「及ち、善を求め善に還るというのは、つまり自己の真を知ることとなる。合理論者が真と善とを同一にしたのも一面の真理を含んでいる。しかし抽象的知識と善とは必ずしも一致しない、この場合における知るとはいわゆる体得の意味でなければならぬ。これらの考えは希臘(ギリシャ)においてプラトーまた印度(インド)においてウパニシャッドの根本思想であって、善に対する最深の思想であると思う。」
西田哲学の根底には、「物事すべてを統一する或る者」の存在がありますが、それを船井先生のおっしゃる創造主の思いというふうに考えればほとんど同じことになります(抜粋ここまで)。
ともかく、いま、多くの人にもっとも知ってほしい「見えない世界(?)」のことなどを、超合理的人間の岡崎さんと話し合った本です。
ぜひお読みください。
=以上=
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