トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　今月６日にビジネス社より本山美彦さんの新著が出ました。私の注目している人です。
　ビジネス社の「新刊紹介」によると、つぎのように書かれています。

『格付け洗脳とアメリカ支配の終わり』

本山美彦　著　京都大学名誉教授　福井県立大学経済学部教授
（四六版上製、２３１頁、定価１５００円（税別）、２月２９日書店発売）

サブプライム・ローンに関する問題が世界経済を破壊しようとする最中、新聞やテレビなどのマスメディアは、いまだ「格付け会社」の犯罪について報道していない。この問題こそ、実はこれからの世界経済に深い影を落とすことになる問題なのだ。彼らが世界に対して犯した罪の中身は？

序　章：　「巨大貧困層」誕生の裏側
第一章：　サブプライム問題と米国金融支配の崩壊
第二章：　深すぎるマネーゲームの闇
第三章：　国家や企業を左右する「新しい支配者」
第四章：　米国の巨大金融権力と「人脈」
第五章：　二大格付け会社「独占」の構図
第六章：　世界を破綻させるリスク・ビジネス

■内容に関するお問い合わせ先■
（株）ビジネス社　〒１０５−００１４　東京都港区芝３−４−１１　芝シティビル
書籍部　０３（５４４４）４７６４　編集担当／瀬知洋司（せち・ひろし）
sechi@business-sha.co.jp

　なお、著者の経歴は同書には以下のように載っています。

本山美彦（もとやま・よしひこ）
京都大学名誉教授、福井県立大学経済学部教授。社団法人国際経済労働研究所理事。日本国際経済学会顧問。経済学博士。研究テーマは「金融モラル」の確立。
１９４３年神戸市生まれ。１９６５年京都大学経済学部卒業後、同大学院経済学研究科修士・博士課程を経て、１９６９年甲南大学経済学部助手。同大学講師、助教授を経て、１９７７年京都大学経済学部助教授。１９８６年同教授。社団法人国際経済労働研究所長（１９９６〜２００５年）、日本国際経済学会長（１９９７〜１９９９年）、京都大学大学院経済学研究科長兼経済学部長（２０００〜２００２年）、日本学術会議第１８期第３部（経済学）会員（２０００〜２００３年）。
著書に『売られ続ける日本、買い漁るアメリカ』『姿なき占領』（以上、ビジネス社）、『民営化される戦争』（ナカニシヤ出版）、『儲かれば、それでいいのか』（共著、環境持続社会研究センター）、『論理なき資本主義時代』（三嶺書房）、『環境破壊と国際経済』（有斐閣）、『南と北』（筑摩書房）、『豊かな国、貧しい国』（岩波書店）、『倫理なき資本主義の時代』（三嶺書房）、『売られるアジア』（新書館）、『ドル化』『ＥＳＯＰ』（以上、シュプリンガーフェアラーク東京）など多数。

　同書の内容は、読んでもらうともっともよいのですが、序章と第一章の目次だけで推定がつくと思います。以下に序章と第一章の目次を載せます。

序　章：「巨大貧困層」誕生の裏側　
・大金持ちの「ゲーム」のツケを払わされる庶民
・カリフォルニア州に出現したテント村
・平均水準以上の所得のある人は破産したくともできない
・食糧バンクの崩壊で２５００万人が飢え始めた
・金融市場の自由化賛美と米国経済学者の警告
・大恐慌以来の最悪の事態へと突入した
・州政府が州民を、融資の餌食から保護できなくなった
・諸悪の根源は「債権の証券化」にある

第一章：サブプライム問題と米国金融支配の崩壊　
・「金融賭博」のルールが変わってしまった
・リスク・テイキングという言葉の意味がねじ曲げられた
・仕組み債、ヘッジファンド、格付け会社の闇
・格付け会社への「利益相反」疑惑
・円キャリー取引を放置した日本の金融当局の罪
・ノーベル賞級の頭脳を動員して、自らのシステムを世界標準にした米国
・ＥＵによる「脱ドル宣言」
・アジア通貨危機に見る「固定相場制」採用の裏側
・投機家のカラ売り圧力に負けたタイ中央銀行
・格下げから三日後に廃業した山一證券（転載ここまで）

　日本人ならぜひ知っておいてほしいことです。
　私も著者とほぼ同意見なので紹介しました。
　同書を読んでから新聞やテレビニュースを見聞されることをぜひお奨めします。
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