トップが語る、「いま、伝えたいこと」
学研から、高橋五郎著『天皇の金塊』(2008年5月30日刊)という本が出ました。
副島隆彦さんが「この本は第一級のすばらしい歴史書であり、後世に残る重要な知識の集合体である」と帯に推薦文を書いていますので、興味深く読みました。
ここ2〜3年、いままでなら表に出せなかったことが、太田龍さん、ベンジャミン・古歩道(フルフォード)さん、飛鳥昭雄さんなどにより、著作という形で、いまは、どんどん発表されています。
みんな親しい人なので、私もこれらを読むことが多くなりました。
この『天皇の金塊』も、そのような著作の一冊です。
たとえば同書の132−134ページには次のような著述もあります。
●戦争加担(談合)国としての「金の百合」権利を日本(天皇)は有している
天皇は欧米金融界の動向に鈍感ではなかった。たとえば宮中に出入りを許した原田の徘徊(はいかい)ぶりや日本の天皇家とゴールド・カルテルの大財閥たちが、日清、日露と続く戦争以前から友好関係にあった経緯、つまり日本の天皇家と日本の財閥会社が日清、日露の両戦争の以前から世界のゴールド・カルテルと利害情報を分かち合ってきた親密な関係から見れば、欧米金融界の動向にはひときわ天皇は敏感だったといえる。
本書の主題である「金の百合」は、欧米の金融界を二分するロエブとモルガンの二大金融会社(ゴールド・カルテル)の手で「黄金ファンド」に合体されるが、そのファンドが彼らの独占物にはならないのは、天皇の目が、“節穴”ではなかったこと、つまり、日本は意図的に金(キン)に着目して戦争に臨み、金を求めてきたことを暗黙に語っている。そのことを世界の二大金融会社はよく心得ていて天皇の意図を尊重した結果なのだ。
世界の二大金融会社が、盟友の大財閥天皇家と産業財閥を戦争に誘い込んだ揚げ句、つまり、国際金融界と日本政府による“談合”の結果、ひとまず天皇に代わって預かったのが「金の百合」だったのだ。言ってしまえば、戦争加担国として戦争で得た権利(果実)を日本(天皇)は最初から有していたということだ。
こうした戦争にまつわる因果関係について近代史は国民に対して想像だにさせなかった。フィリピンの隠匿場所で殉死させられた175名の将官ときたら、もはや限りなく疑わしい「近代史」を信じ込まされた“愚直な”日本国民だったのだ。戦争をひたすら敵味方の対決図式でのみ表層的に説明してきた近代偽史を頭から信じたその将兵たちに“悲願”を宿らせ期待感を沸かせ死に追い込んだものだ。
言うまでもなく、天皇家は顧問団の誘導(さしがね)で19世紀半ばから欧州の王室と懇意な関係を続けてきた。のちに「金の百合」の秘匿を指揮した秩父宮殿下はオックスフォード大学に学んだ。しかし日本国民には、天皇家とヨーロッパ皇室との親戚つきあいぶりはニュース発表程度の範囲で明かされてきたのに、日本の金融産業を支配したユダヤ大財閥と、明治維新を大胆に実行させた女王陛下のイギリスとの間の利害共有については、国民には知らされていない。強く知らされたのは顧問団たちが発明した「不敬罪」と呼ぶ掟(おきて)のみだった。しかし、2008年の現在は明治政府そのものがイギリス王室と二大金融勢力が誕生させた政府だった事実も研究者の間では知られるようになった。明治維新における日本の歴代の為政者や近代史家たちが吹聴してきた戦争対決の構図は国民に対する巧妙な目晦(めくら)まし策だったこともバレて色あせてきている。半世紀前に終わった世界戦争は、なんのことはない、天皇家と日本の商人財閥との親密な関係の中で、欧米財閥が仕掛け、日本も加担した(ブレーンたちが天皇家を巻き込んだ)、一過性の商売だったということだ。
こんな歴史前提に立てば、「金の百合」がイギリス支配のワシントン政府に渡ろうが、それは、天皇家が「金の百合」を失ったことを意味しなくなることが簡単に飲み込めるだろう(転載ここまで)。
ここに書かれていることが正しいか否かについては私には分りません。だから肯定も否定もできません。
ただ、何が過去にあったかは別にして、われわれには現在の現実があります。
したがいまして、私の姿勢は、「ともかく過去は肯定し、現状に立って、よりよい今後を考え、実践しよう」ということになります。
ともかく『天皇の金塊』は副島さんの言のように、歴史書として読めば、それなりに貴重なものだと思います。
興味のある方には、ぜひ御一読を奨めます。びっくりするし、そうかとも思うでしょう。
とはいえ、ここに書かれていることが真実でも、あるいは真実に近くとも、それらはあくまで参考にし、勉強の材料とし、いまやわれわれはよい未来づくりにはげむべきだと私は思います。
=以上=
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