トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　きょう１０月３１日に、仕事上でお金の必要なことがありました。私個人のことです。そこで、１０月９日に、私とは五十年来の付きあいがあり、預金も一番多くしているある銀行のある支店に電話をし、お金の使途と必要額を言って借入れをたのみました（もちろん、私と五十年来、付きあいのあった銀行は、現在合併をくりかえし、あるメガバンクの一つに吸収された形になっているのですが、預金量や付きあいの長さから、私が借入を申し入れたその銀行のある支店の支店長は私のことをよく知っていました）。
　結局、１０月１６日になって、「お金をお貸しするわけには参りません」と同行の他の部門から断って来たのです。これには、びっくりしました。しかも、私が借入を申し入れた当の支店長は「船井さんの場合、貸すか否かの決定権は私にはないのです」と言います。そのうち同銀行の他の部門の責任者から「今回の件は、ごかんべんください」と平あやまりの電話がありました。
　借入れを申し込んだ額は、私の同行への預金額よりかなり少ないのです。しかも短期間で返せる理由も話し、事情も支店長に話しました。それを支店長は分ったもようですが、私に電話をくれた他部門の人や責任者は事情を充分に理解していなかったように思えるのですが、ともかく「貸せない」というのです。理由は？…と聞いたら「言えません」の一点ばりです。３０分ぐらい押し問答をしました。
　いままでなら、一言で「分りました」というはずのことですが、ともかく面倒くさいので、必要額を同銀行の預金から引き出して、きょうの必要なお金をつくりました（他の銀行で借りようかとも思ったのですが、とりあえず、同銀行が「貸せない」とした理由を調べたいので同行に預けていたお金だけで処理しました）。
　私は、いま、どこにもだれからも借入金はありません。そこそこの収入もあり、財産もあります。決してやましい人間でもないし、そのことは同行も知っていると思います。今度の場合、お金の使途もはっきりしています。返済日もすぐだし、理由も説明しています。ただ勘ちがいされた可能性はあります。
　ともかく「貸せない」と言いますし、その理由をどうしても言わないのです。まったく失礼なことです。最近はアタマに来ることのない私も、珍しく憤慨しました。
　お金を貸すことで商売をしている銀行が絶対に貸し倒れの心配がないと分るのに、しかも永い付きあいなのに貸さない…これに、まったくびっくりしました。
　そこで私は、その銀行には最低限の預金だけを残して、とりあえずほとんどの預金は引き出して、別の銀行に預金しました。きょうの必要なお金は、その別の銀行から引き出して間に合せました。こんなことは同行と合併した、私と特に親しかった銀行との約五十年前からの付きあいで、はじめてのことです。
　ともかく借り入れ申込者に充分な預金があっても、銀行にとって貸し倒れの心配が皆無でも、理由を言わずに貸してくれないのが…いまの銀行かな…とも思いますが、ともかく腑に落ちないので、これからとことん調べ、なぜ私に貸してくれなかったかを明らかにし、ことによっては、いま書きはじめた本『断末魔に陥ちた資本主義』にストレートにこの銀行名や事情を書こうかとも思っています。ともかくその銀行とは、今後は親しく付きあうことをやめることになりそうです。
　いまの銀行は「お金は預ってくれる」「送金、入金などの手続きはしてくれる」、しかし個人にはなかなか「お金を貸してくれない」ようになったのかもしれません。
　とはいえ、余りにもびっくりしましたので、このホームページ上に、とりあえず事実を載せることにしました。「船井幸雄は危険人物（？）なので、お金を貸してはいけない」という指示がどこかから、その銀行に来ているのかも知れませんが、私はそんなに大物でも危険人物でもないと自分では思っています。税金もきちっと払っているし、ややこしいことは一切していないつもりです。また、良識的に生きています。卑怯なことはしない人間です。このホームページに載せることも「貸せない」と意思決定した人に、私の納得する理由を言ってくれないと、私のホームページにありのままに書きますよ。また、次に出す本にも、御行の名前をあげて、はっきり書きますよ…と、はっきり言ったうえで書いています。ともかく納得できないだけでなく、その態度にびっくりしたのです。アタマにもカッときました。いまだに、なぜ貸せないか…の理由も言ってきません。その後、他の大手銀行や地方銀行の幹部に事情を話しましたら、みんな首をひねっており、「これからは、私の方でお貸ししますから」と言ってくれました。いずれにしても、変なことがあるものです。
　日本のメガバンクの中には、こんなところもありますから、皆さんも気をつけてください。
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