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先日の新聞に「駒沢大学が資金運用の失敗で154億円、慶應大が274億円の損をした」と報じられました。いま多くの個人や法人が、資金運用の失敗で大損をしています。それぞれが上手に多く資金をふやそうとして逆に減らしているのです。
その理由は、詳しく知らないで、資金運用をするからです。
多くの人は、世の中の仕組みの、ほとんどの詳細を知りません。マスメディアも大学も教えてくれません。
仕組みをつくり運用する当事者が、善意の「自然」とか「神」であればいいのですが、我欲と金銭欲の固まりで、他人から収奪することなどが平気な人や法人ですと、運用者が、充分に、真実、時流、詳細などを知らないと、大損をさせられることになります。
これらをほぼ知っているのを、その分野の「プロ」と私は言っています。完全に知り、対処法まで分る人を「超プロ」と言っていますが、いずれにしても大事なことは、知らないことについては「プロ」や「超プロ」に相談し、安心して対応するべきでしょう。
たとえば資金運用については、私は「プロ」であり、私の友人では朝倉慶さんは「超プロ」だと思います。
朝倉さんは、駒沢大の件について、私につぎのように教えてくれました。
まず、駒沢大学の154億円の損失ですが、一般的に考えると、投資で損をしたということで、イメージとしては、不動産を高値で買って損をした、とか、トヨタの株を5000円で買って、値段が半分に落ちたので損失になってしまった。というような感じを抱くと思います。いわゆる純粋な投資の失敗で、誰でもよくあることです。ところが、これはちょっと違うのです。この商品にはデリバティブが絡んでいます。デリバティブはゼロサムゲームです、ゼロサムゲームということは、お金の総額は変わらないで、ある金を取りあっているわけです。このケースでいいますと、この駒沢大学の損失154億円は、綺麗に誰かの儲けになっているわけです、そのような話は一切出てきませんが、実はそうなのです。恐らく損失を被った投資家の誰もそんなことは意識したことはないでしょう。仮に儲かった投資家を、A投資家としましょう、駒沢大学は154億円の損をしましたが、恐らくこのA投資家はこの154億円を得るのに、使った資金は1億円か、多くて5億円くらいでしょうか? 要するに駒沢大学はA投資家に微々たる資金で綺麗に大金を巻き上げられたのです。
この辺の仕組みを、わかりやすく日経リンク債と呼ばれる、仕組み債で解説してみます。日経リンク債とは、日経平均が、あらかじめ決めた下限価格を下回らなければ、一定の利回りを保証する投資信託です。下限価格を<ノックイン価格>と呼ぶことが多く、<ノックイン投信>とも言われます。銀行預金よりも、かなり高い利息は取れるので、人気になりました。たとえば、ノックイン価格が5000円、利回りが5%の、日経リンク債を想定してみます。この商品は償還までに日経平均が5000円を下回らなければ、5%の利息を取り続けることができます。通常は年4回、利息が支払われます、ただしノックイン価格の5000円を日経平均が下回れば、大まかにいうと、現在の日経平均7994円から5000円までの下落部分の損失、およそ40%の損失を被り、さらに日経平均が下がれば、下がった部分だけ損失が拡大する、といった商品です。要するに、日経平均がノックイン価格まで下がらなければ、利息はいいが、ある一定以上下がれば、それにリンクして損をするというわけです。駒沢大学のケースでは、これが豪ドルの契約でした。駒沢は豪ドルが思わぬ下落をしてしまったために、ノックイン価格に到達され、巨額の損失を被るに至ったのです。
では、何故こんな商品ができるのでしょうか? 日経平均が5000円以下になったら、急に損失を被るということは、この日経平均5000円の節目にデリバティブ契約を成り立たせているわけです。この商品の組成側、いわゆるリスクを引き受けている側は、日経平均が5000円を割れる、と思っていて、ある一定の資金を投入して、それが実現したら巨額の利益が得られるように、契約を結んでいるわけです。その契約金がいわゆる日経リンク債の、利息となって上乗せされるのです。ですからその契約を結んだ側は、もし日経平均が5000円を割れなければ、投下した資金は消えてなくなります。ところが日経平均が5000円を下回ってくると、巨額の利益が入ってくる、というわけです。
駒沢大学の例ですと、豪ドルが100円以上のときに、72円くらいの下限価格(ノックイン価格)で、契約したものと思われます。少し難しい概念になりますが、仕組み的には、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などと同じで、日経リンク債を買った投資家や、この駒沢大学は、CDSの売り手、いわゆる保険の引き受け手になったのと同じことです。豪ドルが72円になったときの保険の引き受け手、また日経平均が5000円に落ちた時の保険の引き受け手と考えればいいと思います。ですからその水準(豪ドル72円、日経平均5000円)に到達すると、急に巨額の損失が発生することになるわけです。そしてその瞬間は、いわゆるデリバティブ取引が決済される瞬間でもあるのです。いわば、駒沢大学や、日経リンク債の買い手は、このデリバティブ勝負に負けて、お金を支払う羽目に陥ったというわけです。
問題はこの駒沢大学や日経リンク債に投資した方々は、そのような大きな<ばくち>をしているということを全く意識していない、ということなのです。自分達は、手堅い投資をしていると思っているところが悲劇なのです。また、このような複雑な商品は、実は販売側は手数料が非常に高いのです、普通の商品の2−5倍くらいあるでしょうか、組成側も組成料が高く、共々、笑が止まらない商品なのです。勢い、販売に力も入るというわけです。
これでよくお分りでしょう。
いま多くの人は日経平均が1〜2年中に5000円以下になるとは夢にも思っていないでしょう。また1ドルが50円以下になるとも思っていないと考えられます。
しかし経済予測の超プロの朝倉慶さんや副島隆彦さんは、1−2年中に日経平均が5000円以下になり、1ドルが30円になる可能性が高い…とすでに著書などで発表しています。
私もその可能性は50%くらいあると思うのです。
よろしければ昨年12月に発刊して、すでに4万部を突破した拙著『2009年 資本主義大崩壊!』(ダイヤモンド社刊)や、朝倉慶著『大恐慌入門』(徳間書店刊)、また、数万部を突破したと新聞広告に書いている副島隆彦、佐藤優さんの共著『暴走する国家 恐慌化する世界』(日本文芸社刊)くらいは読んでください。
将来のことははっきりとは分りませんが、このような「プロ」や「超プロ」の意見を知ると本当のプロ以外は「仕組み債」などには、手を出さない方がいいと思います。
=以上=
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たとえば、経済予測については、副島隆彦さんや朝倉慶さん。未来予測については中矢伸一さんや坂本政道さんといったように、私と親しい「超プロ」の人たちが毎回1〜2人、本音で話してくれます。
ぜひ、この機会に一緒に船井塾でこれらの「超プロ」たちから学び、これからの時代を乗り切るための正しい情報を知って欲しいのです。
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船井幸雄
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