トップが語る、「いま、伝えたいこと」
デリバティブ(金融派生商品)とは、素人は、付きあわない方がよい…と、今月に入ってから、このHP上で何回か書きました。
特に、「仕組み債」と言われる通貨スワップや日経リンク債などには、まちがっても手を出さない方がよい…というのが私の意見です。
私は、これから株価や為替がどうなるか…を、ほぼ正確に把んでいる人たちがアメリカにはかなり多くいると思います。それらの仕組みをつくった張本人だから、分るはずです。
ただし彼らは、それらでもってこれから合法的にこれから儲けようと思っているようですから、本当のことは決して表言しないように思います。
多分、近々に1ドルが50円以下になるとか、日経平均が5000円よりも下回る可能性の高いことも知っているように思うのです。
その証拠に、日経リンク債でノックイン価格が4300円のものが売り出されました。胴元は、欧米のデリバティブ業者です。しかもそれを窓口となって販売しているのは日本の証券会社や銀行なのです。債券販売の手数料が高いからでしょう。なげかわしいことです。
いま日本人の多くは、日経平均が5000円を切るなどとは夢にも思っていませんから、よく売れているもようです。
多分、私の見解では、これらに投資しますと、1年くらいで投下資金は半分とか1/3になる可能性が高く、5〜10%の金利を得られると思って契約したのが大損で終る可能性が80%以上あると思うのです。
私くらいの人間の知る情報でも、今年中に日経平均が5000円を下回り、1$が50円以下になる確率は、常識的、理論的には50%以上まちがいない…と思えるから書くのです。
これらのことに気づいている日本人も出て来ましたが、彼らの発言は一般人にはなかなか届きません。悲しいことです。
だから、とりあえずこのHPや私の本、副島隆彦さんや朝倉慶さんの本やセミナーには、注目してほしいのです。
朝倉慶さんは今月7日に私へのレポートでつぎのように書いてきました。
なるほどと思って読みました。ポイントだけ紹介します。
経済発展の制約というものがあって、もはや、従来の成長神話は通用しない、という視点から書いてきましたが、現実にその兆候が株式相場の中に現れています。株式をみていく上で移動平均線という指標があります。これは、単純に5日なら5日、25日なら25日という期間を取って、その平均値を出して、グラフにしたものです。たとえば、25日間の平均値から、現在の株価が上であれば、大まかに言うと、この25日間に投資して人は、たいていは儲かっている、ということになります。 また逆に25日移動平均値より、現在の株価が下回っていれば、損失を抱えている投資家が多い、というわけです。これを1年に拡大するとその1年間に投資した人は儲かっているのか、損しているのか、傾向を取ってみることができます。そしてこの株価の移動平均値に50年移動平均というデータが、あるのです。いわゆる50年間に渡って投資をしていた方の平均値段を算出しているわけです。この値段が現在で10500円、何と、今の株価はこれを大幅に下回っているのです。要するに過去50年間に株を投資した人は、ほとんど損失を抱えているということです。50年間投資して儲からないということは、株式投資などしない方がいい、ということです。こんなことは、経済が成長する世界では、あり得ないことです。この辺が面白いところで、今70歳以上の人であれば、過去全く違った体験(株は保有さえしていれば数百倍になった)をしているので、感覚が違うのです。若い人達は株式投資には興味を持てないでしょう。これがいわゆる時代の変化というやつです。今や、株式の長期投資という考えは破綻した、と捉えるべきなのです。ところが、巷では、経済発展を前提として、相変わらず考えていますので、損失ばかり被ることになってしまっています。そして、今だに、銀行や生保、損保といった機関投資家も成長神話が頭から離れません。成長するのが当たり前と思っているのです。しかしこの投資環境の現実を見れば、もはや、今までの考えは破綻していることを認識しなければならないのです。何故かと言えば、これは極めて重要なことですが、生命保険も損害保険も、資産運用をしているわけです。不特定多数の人からお金を預かって運用して利益を生みだすわけですが、この根本的な投資態度が、経済が成長できるのか、否か、という観点が間違っていては、企業として、沈没してしまうからです。そして今、そのようなことが起きつつあるのです。これら機関投資家が破綻してしまった時に、やむなく最後の頼りにしている国ですが、その、日本国も似たような成長神話を信じているから、たちが悪いのです。いい加減で、現実を直視して、対応策を考えなければ大変な事態に追い込まれることは必至なのです。1989年に39000円をつけた日経平均が、20年近くも経っても、その水準の4分の1にしかなっていない事実を重く受け止める時期にきているのです。まだ、人々も日本国も過去の蓄積がある、今までの流れから将来の経済発展を疑うことをしません。実際は1990年、バブル崩壊以後は、国債の増発という借金生活に浸っていますが、まだ破綻には至っていません。しかし、借金生活というものは、お金が借りられるうちは続きますが、ある日、いきなりお金が工面できなくなって、一気に奈落の底に落とされるのです。今の日本も世界経済の破綻が連鎖してきて、立ち行かなくなるのは時間の問題でしょう。もはや、今回の世界経済の破綻から日本の現在の状態が持続不可能になる、という現実をはっきりアナウンスしなければならない時期なのです。一番言いづらいし、そんなことを言えば、嫌われるでしょうが、後になって歴史が、その行動が正しかったことを証明してくれるでしょう(転載ここまで)。
私は朝倉さんのように、この点ではプロでもないし、超プロでもありません。
しかし、永年の経営者や経営コンサルタントとしての直感から、絶対に、仕組み債のような変なものに手を出すべきではないことが分ります。アメリカやデリバティブの世界は日本よりひどいのです。
デリバティブの時代は、もう終ろうとしています。
もうすぐペーパーマネーの時代も終るでしょう。
いまは実物経済の時代に復帰しつつあるのです。
それらを知り、利殖には、充分に気をつけてください。
=以上=
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