舩井幸雄の「この人いいよ!」

このページでは、超幅広い舩井幸雄の人脈の中から、舩井幸雄がぜひ皆さまに紹介したいと思う人を、さまざまな角度からご紹介します。

本当の"悟り"を求め続けた結果、
『肥田式強健術』に出会ったのです。

今回は、肥田春充(ひだ はるみち)氏が創始した、丹田と気合を練磨する『聖中心道肥田式強健術(せいちゅうしんどうひだしききょうけんじゅつ)』の伝承者で、丹田研究所 所長の佐々木 了雲(ささき りょううん)さんを紹介します。
現在、『聖中心道肥田式強健術』を普及する活動を行っている佐々木さんは、見るからに男らしく、カッコいい方です。天地と一体化した"悟り"を求め続けた結果、行き着いたのが『聖中心道肥田式強健術』だったそうです。
その場にいるだけですべてを包み込んでしまうようなあたたかい空気を持つ佐々木さんは、『聖中心道肥田式強健術』の魅力そのもののように感じられました。

丹田研究所 所長佐々木 了雲さん

丹田研究所 所長 佐々木 了雲さん

プロフィール
佐々木 了雲(ささき りょううん) 丹田研究所 所長
1947年東京生まれ。『聖中心道肥田式強健術(せいちゅうしんどうひだしききょうけんじゅつ)』の天真療法伝承師範。道統二代目継承者肥田道夫氏より唯一人全伝終了を証明する認可状と大看板を1991年に拝受。
最新刊『肥田式強健術』(BAB出版刊)と、基本習得ビデオ全7巻シリーズ(45分)を主演にて完成させる。その他として丹田関連の著作多数あり。奉納・公開演武も全国的に展開している。その他の活動として、武道・芸能などに残る伝統の腰腹文化を紹介しながら、前衛能「平成腹芸座」座長としても活躍中。
同時に、「いのちと水の健康科学」をテーマに、農業、畜産、食品の鮮度保持などの活動を行う(株)ま水倶楽部の代表取締役会長でもある。「日月神示」研究家の中矢伸一氏が編集する月刊『たまゆら』誌上で「地球(テラ)サイエンス」をテーマに現在連載中。
―まず、佐々木さんは『肥田式強健術』の秘伝伝承者だと伺ったのですが、どのような流れでそのようになられたのでしょうか?
佐々木:まず、子供の頃から私は武道をやっていたんですね。家に柔術という、いまでいう、合気道と柔道が組み合わさったものや、棒術(※棒を武器とする武術)が伝わっていたこともあって、そういうのを幼い頃からずっとやっていました。
 それもあって、私は子供の頃から"氣"が分かります。人のオーラみたいなものも見えるんですよ。

丹田研究所 所長佐々木 了雲さん

―えー、人のオーラも見えるんですか? すごいですね。武道と"氣"というのはやはり関係しているのでしょうか?
佐々木:ええ、武道と"氣"やオーラというのは関係していると思いますね。
 武道では、相手が討(う)ってきた時にそれを避けていてはもう遅いんです。だから相手が討ってくる"氣"を察して、それを避けるというように、相手の動きの先を読むという予知能力がないと、結局一流にはなれないのです。
 「一流になるためには、常にそういう潜在能力を磨いていかないといけない」と私は子供の頃から教わっていました。そのための呼吸法や、集中力を高める訓練を行っていましたね。
 また、私が10代の頃に、中国拳法をやっている方と知り合ったこともあり、中国拳法も習いました。それから、中国や台湾に行き、そこで気功法のことを知りました。
 それをきっかけに、「ぜひ気功法を日本に紹介したい」と思い、日本で最初に気功法を紹介しました。講談社から『驚くべき気功法』という本も出しましたが、それが日本で"気功法"という名前が付いた最初なんですよ。
 自分の"氣"の力を使って、人の骨折や肩こりなどの治療もできたので、武術を教える道場と治療院を一緒に行っていたこともあります。
―そうなんですか。ご自分の"氣"の力を治療にも使われていたのですね。それにしても、子供の頃からいろいろな武道をやられていただけあって、佐々木先生は見るからにたくましく、強そうですね。やはり昔から強かったのでしょうか?
佐々木:まあ、子供の頃から、弱い人には強かったですね(笑)。でも強い人には弱かったですよ(笑)。みんな、強い人に対して強くなろうと思って武道の稽古をするんですよ。
 でもね、自分より強い人に勝つための稽古をずっとやってきたら、ある時気づいたのです。「本当に強い人間は、自分に強い人間だ」ということに。相手に対して、弱いか強いかというのは、結局自分の心が思うだけのことなんです。その「強い」とか「弱い」というものを超越せずに本当の強さというのは得られないのではないかと思ったんです。
 そこに気づいて、私は鎌倉に行って禅(ぜん)の世界に入りました。だから16歳の頃からずっと禅に取り組んでいます。一時は禅の坊主の世界に入ろうと思ったこともあるのですが、坊主の世界というのは、禅の修業よりも人間関係などの方が主になっているところがあり、それでは意味がないと思って坊主になるのはやめましたがね。
 日本には書道とか華道とか茶道などのいろいろな"道"がありますが、これらすべての道の底には皆、禅の精神があります。
 禅というのは、正座をして、ぐっと瞑目(めいもく)して、呼吸を整えるんですね。そうすると、頭がスーッと透明になってきて、いい状態になるのです。そんな状態の時、五感もすべて敏感になるのです。そういう敏感な状態の中で技(わざ)を磨いていくと、武道をやっていてもケガをしないですむのです。心に余裕が持てるため、相手に対しても手加減ができ、相手にもケガをさせないですみます。
 禅をやっていると常に客観性の維持ができ、さらに相手の動きを先読みできるようになるのです。
―そうなのですか、すごいですね。ところで佐々木先生が現在広めていらっしゃる、肥田春充氏が創始した『肥田式強健術』に出会ったのはいつ頃でしょうか?

佐々木了雲著『肥田式強健術』(BABジャパン刊)

佐々木了雲著『肥田式強健術』(BABジャパン刊)

佐々木:『肥田式強健術』というのを知ったのは、私が19歳の頃だったと思います。入門したのは、32歳の頃でした。
 なぜ、この『肥田式強健術』に入門したかといいますと、それまで、禅をやり、古武道をやり、中国拳法をやり、気功法もやったんですが、「本当に自分を強くする」ことは結局どれをやってもできなかったんですよ。そのするための潜在能力を高めるという点では、どれも欠落していたんですね。それらはすべて、頭をよくするとか、腕力や体力を高めるといういうものだったんです。
本当に強い人間は腹が据わっている!
佐々木:しかし、本当に強い人間というのは、「頭が据(す)わっている」のではないのです。また「人間が据わっている」のでもないのです。何が据わっているかというと、腹が据わっているのです。
 人間というのは、皆、持って生まれた"器"というのがあるのですが、皆、自分の持った大きさの器の中にしかものが入らないのですよ。お金や地位や名誉、力や能力といったすべてのものがね。この器を大きくしたり、器の歪みを正すために学問や武道があります。
 しかし、本当の意味で器を大きくするためには、一旦、「自分」というものの器を壊さなければならないのです。本当にすごい器というのは、天地と一体になって、天地の器を自分の器としてしまえばいいのです。それが実は"悟り"なんですね。
 そのように悟るためには、まず腹が据わらなければならないのです。
 ところで人間は、60兆個の細胞でできていますが、その60兆個の細胞を動かしているのは神経です。神経の中枢は脳にあります。そして脳の中でも、脳幹の部分に、人類の進化の全過程の記憶が入っているのです。この脳幹を覚醒させることが、実は悟りなんだというわけなのです。そのことを、『肥田式強健術』をつくった肥田春充先生の文章を読んではじめて気づいたのです。その時、「自分が学ぶものはこれだ!」と思いましたね。
 ちょうどその時、肥田式の二代目を継がれた肥田道夫氏と縁があり、入門することができました。肥田道夫氏から『肥田式強健術』を習って、看板をいただき、現在はこの『肥田式強健術』の本格的な普及のための活動を行っています。ご興味のある方は、ぜひ私の著書『肥田式強健術』(BABジャパン刊)や解説ビデオ(DVD)をご覧いただければと思います。腰腹文化の中心に位置する「日本が世界に誇る人類の文化遺産」である強健術の魅力や効果をきっとご堪能いただけると思います。

肥田式強健術 DVD全集版

肥田式強健術 DVD全集版

―佐々木さん、今日は興味深いお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。
舩井幸雄よりのコメント
私は若年時より、なぜか肥田春充さんに惹かれ、彼が修業したすぐ近くの城ヶ崎に船井総研の研究所をつくったりしました。佐々木さんとは中矢伸一さんの紹介で知ったのですが、礼儀正しい謙虚な方です。勉強家で、いろんなことを知っておられます。多くの人に、佐々木さんを知ってもらいたい・・・といま思っています。よい人です。ぜひ、お付きあいしてください。
舩井幸雄よりのコメント

『肥田式強健術』の創始者・肥田 春充(ひだ はるみち)氏 プロフィール

1883年(明治16)山梨県に生まれる。幼少の頃より虚弱体質であったが、18歳の頃発奮、自身の肉体改造を志し、西洋の肉体鍛錬法と日本の武道の精髄である気合、丹田開発法とを融合させることにより川合式(肥田式)強健術を創始する。
1923年(41才時)深夜の鍛錬で禅史上でも希といわれる『大悟徹底』を悟得した。
悟得以後は、透視や念力などの潜在力を活用して多くの方の個人的難問を解決に導き、国難を裏から支えるなどをした。その逸話は現在でも数々伝えられているが、日本が未曾有の敗戦という国難の転機となった2.26事件の逸話もある。それは以下のような逸話である。
実は、2.26事件は、史実の前年に大がかりで全国的な規模で軍部クーデターとして勃発するところだったのを、決起将校の一部と親しくしていた大川周明氏から春充に、是非、首謀者らと話し合って決起を止めて欲しいと懇願されたために決起前に会合を持った。
その際、「断固、革命を遂行する」と激昂して、「貴様から血祭りにしてやる!」と、軍刀で斬りかかる将校連に向かい、渾身の気合で春充が「馬鹿者!陛下の御心を何と心得る!」と一喝したところ、将校連がガクンと腰を抜かしてしまい、すっかり気勢をそがれたため前年の決起が中止となり、翌年に規模を縮小して2.26事件が起きたという経緯がある。
この他にも春充の超能力発現の逸話は、文献にも紹介され資料として現在に残されている。
1956年(昭和31年)には人類前途を憂い、完全絶食の後死去。その活動は、健康法のみならず、政治、経済、哲学、宗教など幅広い方面に多大な影響を与えている。.
★佐々木了雲さんのホームページ【武禅丹田.com】: http://www.buzentanden.com/
★佐々木了雲さんは、中矢伸一さんが編集する月刊『たまゆら』上で、「地球(テラ)サイエンス」をテーマにした連載もされています。
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