トップが語る、「いま、伝えたいこと」
つい先日、「副島隆彦の学問道場」というホームページ(http://soejima.to/)を見ていた時、どのようにして薬が厚生労働省によって決められているかに触れていたのですが、これを読み、少しびっくりしました。(これは副島さんの無料=広報ホームページの方に載っているので、だれでも読めますから、ぜひ一読してください。)また、そこには薬として認可されていないものを「効く」というと法律に違反するのだ・・・と書いてあり、びっくりしました。
「効く」という日本語を、実際に効くものにも使用できない・・・というような変な国に、いまの日本がなった・・・としたら、これは憲法の「言論の自由」に反することなので、本当か否かをいま調べています。その後副島さんと話したところ、彼はこのことに詳しくて、ふんがいしていました。
ところで、先週、京大名誉教授の渡辺久義さんから、最近、彼が監訳して、コスモトゥーワンから5月24日に発売されたばかりのジョナサン・ウエルズ著『進化のイコン』という本をちょうだいしました。一読、びっくりしました。
私の著書にも、時々渡辺さんの学説を取りあげてきましたが、彼は日本における科学の新しいパラダイムである「インテリジェント・デザイン理論(ID理論)」の第一人者で、日本の創造デザイン学会の代表でもあります。
ジョナサン・ウエルズ博士は、IDの主導者の一人であり、この著書“ICONS of Evolution”は2000年に出版された本ですが、文字どおり科学者にとっては衝撃の書なんです。
以下に少し長くなりますが、日本版の中の渡辺さんの解説文の一部を紹介します。
誇張でなく、本書は衝撃の書だと言っていい。本書のきっかけとなったのは、「序」に書かれているように、若い生物学者としての著者の、生物学教科書に対するちょっとした不審であった。しかしその不審(あるいは不信)をやり過ごさず、徹底的に追及していくうちに、それは大きな驚きへと変わっていく。いったいどうしてこんな理不尽なことが生物学教育の世界で起こっていて、しかもそれが長年にわたって続いているのか、という生物学界全体に対する大きな驚きと疑念である。そして、この疑念はついに告発に変わっていくのである。
これは単に、生物学教科書の進化に関する記述に間違いが多いという話ではない。そうではなく、ほとんどの教科書が共通して昔から載せ続けている進化の証拠と称するものが、すべて偽物、ごまかし、ないし詐術に属するものだという衝撃的指摘である。
本書はその十項目を取り上げているが、それがすべてイコンの形を取っている。イコンとは、特にキリスト教東方教会で用いられる聖画像のことであるが、「進化のイコン」とは、進化論刷り込みの手段としての聖なる画像、というような意味である。現代なら、毛沢東や金日成父子の肖像がそれに当たるだろう。原著のエピグラフ(本書ではカバー袖に掲載)に引かれているスティーヴン・J・グールドの言葉にある「説得の画像表現法(イコノグラフィー)」というのがそれであって、生物学教科書はまさにこうしたいくつもの「聖画像」を伝統的に利用してきたのである。グールド(故人)はダーウィニストの総帥ともいうべき人物で、著者とは正反対の立場の人だから、この言葉を皮肉をこめて利用しているだけである。勘違いしてはならないので注意しておきたい。
これは我々のすべてが知っておかなければならないことである。なぜなら、我々が調べたかぎり(附記参照)、わが国の生物教科書についても事情はほとんど同じである。ダーウィニズム批判の本は少なくない。しかし少なくとも英語圏や日本の若者が、長年にわたって、ニセモノの証拠を使ったダーウィニズム洗脳教育を施されてきたという事実は、この本によって初めて明らかにされたと言ってよい。これは、必ず誰かが書かなげればならなかった本である。
例えば、恐らく誰にでも鮮やかな記憶のある、あのヘッケルの胚の比較絵がそうである。これ(胚発生学)は著者の専門分野であり、この本のきっかけとなったものなので、ここは特に詳細に書かれているが、これを扱った5章の最後のセクション「これはひどい!」(Atrocious!)を読んでみていただきたい。まさか学問の世界で、教育の世界で、と思うようなことが現実に起こっている。スティーヴン・J・グールドはこの絵がニセモノであることを、とうの昔から知っていたという。そしてこれは「学問上の殺人に匹敵するものだ」と彼自身が言ったという。一方、恐らく最も有名なアメリカの教科書執筆者であるダグラス・フツイマはこれを知らず、自分の教科書に載せ続けていたという。グールドは、同じダーウィニスト仲間であるフツイマがそうしているのを、黙って見ていたことになる。だとすると、グールドはこの「学問上の殺人に匹敵する」大罪の共犯者になるのではないか、と著者ウエルズは言っている。誰しも「これはひどい!」と叫ばざるをえないだろう。
しかしフツイマが、単なるうっかり屋の素朴な生物学者でないことは確かである。それは、10章「ウマの化石と導かれた進化」の最後のところに引用されている彼の文章に明らかである。これはオックスフォード大学のリチャード・ドーキンズの文章ときわめてよく似ており、彼がヘッケルやドーキンズと同じ唯物論的進化論のイデオローグであることがよくわかる。恐ろしいのはこのイデオロギーが、中立的な科学的記述であるかのように、教科書に書き込まれることだとウエルズは言うのである。彼はこういった事態に対してどう防備したらいいのか、生物学者はどう行動すべきか、ということまで示唆している。特に最終章「進化論争の障碍」は教育にたずさわる人々に読んではしい部分である。この本の結びの部分をどうしても引用したい。
……こういったことすべてが、いったいどうしてわかるのか? 証拠があるからか? 違う。それは、生物学は進化という観点から見なければ何ひとつ意味をなさない(と、ドブジャンスキーが言った)からである。
これは科学ではない、これは真理の探求ではない。これはドグマ(独断)である。そしてこういったものが科学の研究や教育を支配するようなことを、許してはならないのである。我々は、学生にダーウィン理論を植え付けるために進化のイコンを用いるのでなく、理論というものは証拠に照らして、いかに修正され得るものであるかを学生に教えるために、それを用いるべきである。科学の最も悪い面を教えるのでなく、科学の最もよい面を教えるべきである。
(中略)
本書の翻訳は、「創造デザイン学会」の翻訳チーム六名が下訳をし、渡辺が全体を調整した。六名のうら五名までが理系の人たちで、医博二名、理博一名、工博一名、大学院農学研究科生一名、残り一名は若い気説の哲学者(文博)である。このうち何人かは、名前も所属も伏せてほしいということであった。この本の内容が内容であるだけに、(ウエルズ自身の「序」の最後にも書かれているような)経歴に危険が及ぶような可能性がないとも限らない。そこであえて全員の名を伏せることにした。監訳者としては、そういった事態がわが国で現実とならないとを願うのみである(転載ここまで)。
以上の文章をどう読まれましたか。
私は、まったく自由人で、自由に生きてきたので、学者の世界のことは知りません。医学業界や官公庁の世界も、詳しくは知りません。
しかし大学教授である副島隆彦さんが、「おかしい」とふんがいしているくらいだから、学者の世界や医薬業界にはいろいろおかしなことがあるでしょう。
私が『進化のイコン』を読んで、なぜびっくりしたか・・・ぜひ一度この本をお読みください。
人として、特にリーダーやインテリといわれている人は、「世のため人のためになることをし、ならないことはやめよう」では、ありませんか?
=以上=
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