日日日是好日 〜熱海だより〜 -熱海秘書 相澤智子-

このページは、2009年11月から(株)船井本社 熱海本社で船井幸雄の秘書として勤務することになった相澤智子(あいざわ さとこ)によるコラムページです。
日々、船井幸雄やまわりの人たちと接する中で気づいたこと、学んだことなどを皆さまにお伝えしていきます。
2011年5月11日
仙台に行き感じたこと

  みやこわすれ
 5月に入り、新緑が美しい季節となりました。
 さわやかな風が吹き、木々の緑が輝いています。
 皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 先日のゴールデンウィークに、地元である仙台に帰省しました。
 新幹線は連休前に復旧し、仙台駅は人々でとてもにぎわっていました。
 地震直後は、仙台の様子をニュースで見て、つぎに新幹線に乗れるのはいつ頃になるのだろう‥‥と思っていたのですが、急ピッチで復旧作業が行われ、思っていたよりもずっと早く新幹線に乗ることができました。
 日本の底力はすごいですね。これも、現場で昼夜問わず、懸命に作業をしてくださった方々のおかげです。ありがとうございます。

 新幹線に乗っていて、福島を通り過ぎたときも感じたのですが、東北の人たちは街などではあまりマスクをしている人が少ないことがとても意外に感じました。東京など関東のほうが圧倒的にマスクをしている人が多いように思います。ニュースなどで「放射能が心配だ」ということがニュースで言われていますが、東北の人は情報に振り回されすぎず、落ちついて過ごしていました。
 仙台の地下鉄に乗って帰っていたときも、見渡してみると、マスクをしていたのは私と遠くにもう一人くらいしか見かけず目立っていたので、自分が過敏になりすぎているのだろうかと思ってしまうくらいでした。

 私の実家は大きな影響を受けた場所からは離れているのですが、それでも周辺の道路が隆起していたり、割れている箇所がありました。ブロック塀が崩れていたり、電信柱の根本部分が地震で揺さぶられたせいで割れていて、どれほど大きな地震だったのかがよく分りました。
 瓦屋根の家は、瓦が地震で落ちてしまったため、ブルーシートがかけている家も多くありました。修理の業者もまだまだ手が回らない状況のようです。
 地震で大きな被害を受けた地域の周辺には、津波で流されてきた瓦礫がまだ多く残っていました。親戚に会うために被害が多かった地域の近くに出かけたのですが、自分が知っている場所が信じられない光景になっていて、ただただ呆然としてしまいました。

 道路に津波で流された船がそのまま残っていたり、津波で瓦礫が押し寄せて、家の半分がなくなっていたり、車がアルミをくしゃっと潰したように、ぺしゃんこになってごろごろ転がっている様子など、まるで映画の一場面を見ているような、信じられない光景が広がっていました。
 あまりにすごい光景を見ると、目の前の現実を「本当だろうか」と自分の頭で受け止められないような状態になります。ニュースなどで被災地の様子を見ていたはずでしたが、実際に見るのとでは全く違うものでした。いままでの考え方ががらっと変わるような体験でした。
  
 自然の力は、人間の力や想像をはるかに超えているものであり、私たちは自然によって生かされています。自然は、私達人間がどうにかしようとして何とかできるものではありません。人は自然に対して謙虚な心を忘れてはいけないのだと思います。
 自然に対する謙虚な心を忘れたとき、それはすべてに対してつながっていき、「自分だけ・いまだけ・お金だけ」のような、自然の理に外れた生き方へ向かってしまうのだと思います。
 今回の地震を体験した私の友人は「生きているだけでありがたい」とよく言っています。
 余震が続き、不安な気持ちで過ごす中で、一日一日が、かけがえのないものだと感じるようになったそうです。
 まずは、自分の今ある生活やまわりにいる人たちに感謝して過ごし、今ある自分の場所でできることをしたいと改めて思いました。

 
  みやこわすれ(紫)
 
  津波を受けたガソリンスタンド
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Profile:相澤智子(あいざわ さとこ)

船井家の愛犬ゴンちゃんと一緒に。

1981年仙台市生まれ。6年間美容室に勤務後、一転して、2008年に船井幸雄グループに入社。学生時代から、船井幸雄の著書を愛読し、2007年の「船井幸雄オープンワールド」に参加。その後、すぐに「にんげんクラブ」に入会。2009年11月より、(株)船井本社の熱海本社にて、船井幸雄の秘書業務に携わる。現在、大好きな船井幸雄のそばで、いろいろな刺激を受けながら楽しく働いている。好きなものは、音楽鑑賞、ジブリ映画、犬。



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