船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
美術館は妖怪ブーム
2013.8.23(Fri)
社名:(株)船井メディア
名前:服部 真和

そごう美術館

横須賀美術館

三井美術館

 皆様、こんにちは。船井メディアの服部です。
 今日からこの社員コラムは19周目を迎えます。いつもお読みいただき、どうもありがとうございます。

 本日はこの夏、美術館で起こっている特徴的なことを書きたいと思います。それは何かと言いますと、関東地区の美術館において妖怪をテーマとして展覧会が3館も同時に開催されていることです。
 夏イコール、怪談、幽霊、妖怪というテーマは巷ではよくみかけることなのですが、美術の殿堂である美術館で妖怪をテーマとした展覧会が、同じ地域内で同時に3ヶ所も開かれるのは異例のことではないでしょうか? 私は1〜2ヶ月に1度程度は美術館へ行くですが、このようなことははじめてではないかと思っています。

◆『幽霊・妖怪画大全集』(横浜そごう美術館)7月27日〜9月1日
◆『大妖怪展―鬼と妖怪そしてゲゲゲ』(三井記念美術館)7月6日〜9月1日
◆『日本の「妖怪」を追え!』展(横須賀美術館)7月13日〜9月1日

 美術とは商業的なビジュアル・イメージとは違い、どこか堅苦しいイメージがあるのですが、大衆的なイメージである<妖怪>を積極的に取り上げるとはいろいろ考えるキッカケになりそうです。
 その事例について、私が思うには<妖怪>というキーワードが、日本文化を語るに実は欠かせないものであるということ。鬼とか河童、天狗、お岩さんという妖怪の浸透性を見れば一目瞭然で、私たち日本人は説明が難しい摩訶不思議な出来事や極端に増幅された感情(この場合、怨念といった恨みが多い)など、およそ目では見ることのできないコト(=現象)を妖怪というモノに視覚化させ、果てはキャラクターにまでしているということです。
 私はこの3館で開催された妖怪をテーマとした美術館を見てきましたが、いずれも江戸の浮世絵絵師らによる妖怪画がメインに展示されていました。
 たとえば、日本が世界に誇れる葛飾北斎にしろ、最近注目されてきている歌川国芳、月岡芳年といった絵師など、何れも妖怪の浮世絵を残しており、日本美術史としても無視できないでしょうし、双六という遊び道具にも妖怪のが描かれているなど庶民に受け入れられたビジュアル・イメージの文化史としても必然の流れなのでしょう。

 それともう一つは、美術館経営から見ると、そもそも美術館は儲からない、赤字を垂れ流しているとよく言われている点です。美術館運営は国にしろ、自治体にしろ、企業にしろスポンサードなくして成立しないメセナ事業なのです。だからといって美術愛好家だけのものでいいというわけにはいきません。
 大切な啓蒙活動であるからです。一人でも多くの人が美術に触れることを目指すならば、「動員」が大きな指標になるのだと思います。あるいは、動員=売上にも直結するわけですから、高いお金をかけて海外の有名な人気画家の作品を引っ張ってくるというのも必要ですが、国内の美術に目を向ければまだまだ宝は眠っているのです。
 近年、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」が数十年に渡りその人気が定着していることもあり、<妖怪>は動員を考える際のキーワードに違いないのです。

 この猛暑の夏、涼しさの日本人の智恵(?)である<妖怪>を通してこんなことを考えてみました。


2周目:「映画館へ行こう!」
3周目:「清々しいメロディに紡ぎだすハート」
4周目:「刺激的な人物がいた!」
5周目:「人の変化で時代を感じる」
6周目:「ひまわり大作戦」
7周目:「雑感」
8周目:「あらためて「プラス発想、素直、勉強好き」を・・・」
9周目:「想いは実現するということの私なりの解釈」
10周目:「宮沢賢治と手帳」
11周目:「防災の心得」
12周目:「書と陶の融合・・・私探しの旅に出て私になる」
13周目:「麻について」
14周目:「歩くことが楽しくなってきた」
15周目:「工夫をしよう!」
16周目:「アルゴ」
17周目:「私が過ごした本物研究所について」
18周目:「「笑いとばせ」という感性」
18周目:「「ありがとう」の言葉の力」

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