トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　最近、相ついで３人の人から一方的に約束を破られました。
　私は、ここ４０年くらいで約束を破ったことが数回あります。そのうちの４回は、約束の時間に５分くらい遅れたことです。これは交通事情によるものですが、その時は相手の人に電話で連絡し、了解してもらいました。
　他の１回は、母の死去による葬式の日で、喪主である私はある市からたのまれた講演にどうしても出席できず、前日に了解をもらいました。その時はかわりの講師を準備しましたし、私は後日、その市へ講演に行くということで了解してもらったのです。
　後の２回は、２０００年の１２月に声がまったくでなくなり、コスモスクラブの東京、大阪での講演を中止しました。この時は、かわりに船井総研の小山社長にたのみましたし、出席者にも前もって了解を得ました。
　今年になって７月１３日に３８．６℃まで発熱しました。風邪をひいたのです。
　医者は「休むこと」を奨めます。
　しかし、７月１４日は、京都の宝ヶ池プリンスホテルで、何百人かの経営者に２時間の講演を引きうけていました。
　また７月１５日は、大阪のリッツカールトンホテルで本物研究会があり２時間の私の講演が予定されていました。
　結局両方とも予定どおり行ないました。
　７月１４日は講演前の体温が３８．３℃。２時間立って話した後で計測しますと、３７．３℃と体温が下がっていましたし、この時は実によい話ができました。
　７月１５日の講演後は、ほぼ体調が正常になり、その翌日の７月１６日は東京の品川プリンスホテルで１時間半の講演を行ないましたが、その時は体温は平熱になっていました。
「約束した以上、それは守るべきだ」・・・というのが、私の生き方です。しかし、守れない場合もあると思います。その時は、事前に相手の了解をとるのが最低限に行なわねばならない礼儀です。
　このように考えて、いままで生きてきましたが、おかげさまでここ４０年間をとっても、５分内おくれの時間の約束違反を含めて、７回だけ約束を破りましたが、それ以外は守れました。
　私がこのような生き方をしてきましたので、私と約束をした人は、それを守ってくれました。また、守れない場合は、前もって連絡をしてくれました。

　ともかくいままでの私は、約束を連絡もなく一方的に破られた場合は、その時点からその人との付き合いは不思議なことに無くなってしまいました。
　そういう人は、信用できない人ですから、それでよかったのでしょう。しかしそんな人はほとんどいなかったのです。
　ところが今年９月に１人、大阪である女性に一方的に約束を破られました。彼女は、その旨、私あての留守番電話には連絡してはいました。ただ前日には、「分りました」といい、当日、直前に「だめになりました」というのですから、あまり感心はできません。
　１０月には、ある男性から、理由もいわず一方的に「約束は実行できません」とだけ言ってきました。結局、約束は破られました。
　この人との付き合いは、それから無くなりました。
　１１月に入ってある女性から同様なことで約束を破られました。こういう現実が３回も続出すると気になります。そこで、ここに書くことにしたのです。
「『一度や二度、約束を破っただけで、付き合わない』なんて言っていると、いまどきは付き合う人がいなくなりますよ」と、このような話をすると、いまの若い人にはよく言われます。
「携帯電話が普及したので、約束を破るのも平気になったんです。直前に連絡すれば、たいてい分った・・・と了解してくれますから」という人もいます。

　しかし人間が社会生活を営む上で、約束は一方的に破っていいものではありません。
　約束というのは、一旦した以上は、相手の了解なしに破ってはいけないものです。これには束縛されて当然なのです。
　したがって私は、なるべく約束をしないようにしています。

　この点をあらためて充分に知ってほしいのです。
　お願いいたします。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＝以上＝