船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
黒い聖母マリアとケルト
2022.1.24(Mon)
社名:(株)51コラボレーションズ
名前:服部 真和

フランス・トゥールーズの教会の黒い聖母マリア様

レンヌ・ル・シャトー、手前の岩がケルトの遺物と説明を受けた

イシスの椅子、周囲には石垣が組まれていた

皆様、こんにちは!51コラボの服部と申します。いつも本コーナーをお読みいただき誠にありがとうございます。

さて、私はこのコーナーで何度か書かせていただいたことがあるテーマがあります。
それはヨーロッパ古層文化を形成した「ケルト」についてです。なぜ、それに注目しているかというと、ヨーロッパには黒い聖母マリア様が祀られている教会があるということ。この黒い聖母マリア様は、なぜ黒いのか? ということについて諸説あるのですが、そのひとつに、キリスト教が入る以前の土着の宗教的文化を反映した名残りというものがあります。それらの教会が建っている場所は、キリスト教流入以前は土着信仰の聖地だったところが多いというのです。

実際、私がフランスのレンヌ・ル・シャトーという不思議なスポットに行った時(小説「ダヴィンチ・コード」の大ヒットで有名になった場所)、教会があるのですが敷地内には不思議な岩が無造作にあり、そこを案内してくれた現地に住むスピリチュアル系アメリカ人女性から、その石はケルト文化の名残りと説明を受けました。

また、その近くには、森の中に「イシスの椅子」と呼ばれている現地に住む人だからわかるというような場所があり、そこも椅子の形をした岩があり、太古の昔、そこで儀式のようなものが行われたようなのです。

ケルトというと、エンヤの癒し系音楽を連想するだけの私でしたが、いろいろ調べるとそこには深い自然観や生命観があったことがわかってきました。そして、それらは日本の感性とも共通する部分が多いこと、もしかしたらケルト的な世界観を見直すことが、問題を抱える地球環境にも大切なことなのでは? と思うようになってきたのです。そうした点が、ケルトについて考えてみるきっかけだったと思います。

ところで、太古の文化ですから、ギリシャ神話、エジプト神話といったようなものから、当時の文化を推察していくしかないのですが、ケルト文化はヨーロッパ文明の基礎とか、ヨーロッパのルーツという見方がされるものの、ローマの支配によりその文化は滅んでしまいます。基本、文字を使わず文書を残さなかったケルトの神話を見る場合は、大陸に広がったケルトはそうした歴史をへたため、アイルランドなどに残った島のケルトと呼ばれる場所では、かろうじて残されていった伝承を見ていくしかないのです。

なのでケルト神話に関して語られる場合は、アイルランドやウェールズの伝承を見ていくことになるのですが、吟遊詩人、吟唱詩人らが口頭で世代を越えて伝わり、かつ、キリスト教の修道士がそれらを書き残していったのです。それら口頭で伝承された神々はキリスト教から見れば異教の神々であるわけですが、完全否定をしないでキリスト教教義に結びつけていって信仰と普及に結びつけていった事情があります。

つまりケルトの宗教であるドルイド教の神官であるドルイドとキリストを重ね、アダムをケルトの祖先とし、ノアの娘を洪水40日前にアイルランドに上陸した最初の女性とすることで、「創世記」とアイルランドに先に入島していた先住の種族を大胆にも結びつけたというのです。それによって土着の信仰は邪教として抹殺されることが逃れ、ヨーロッパの他の国と比べていきいきと息づいているのだと。またイングランド島のウェールズの神話的伝承は異界との交流をもつ王族の話、「マビノギオン」という英雄サーガがあり、有名なアーサー王伝説はそうした影響を受けていると言われています。

この「ケルトの神話」について研究者の井村君江氏は、
『ドゥルイドの信仰は、太陽崇拝であり、自然は霊的な力を持つという汎神論的な考え方です。自然すなわち太陽や星など天体の軌道の運行や、四季の移り変わり、そうした悠久の円環の動きを崇拝して、すべての霊、人間の魂は、この軌道と同じくまわると信じたのです。そして自然の草木や動物や人間を貫いて、しかも森羅万象に生命と活動を与える遍在的な霊が存在すると信じ、その霊が不滅であり、永遠に活動を続けると考えていたのです。その大霊は永劫にめぐり動いて、生命を転生させてゆくと考えれば、死というものは終わりではなく、もう一つの生への入り口となり、他の生へ行くまでの休息期間となります。』
と言っているように、ケルト人は目に見えない世界や目に見えない妖精の存在を信じていたということ。(『』部分、「ケルトの神話」井村君枝(ちくま文庫)から引用)

このような思想はケルト神話に貫いており、その要素は、変身や死と再生、円環、循環、輪廻転生といった考え方として見ることができます。さらにはケルト文化をキリスト教にうまく融合したアイルランドのそれは、太陽の円環である円と十字架を組み合わせた「ケルト十字」という独特の形態を残しています。ケルト文化を見直すことにより、未来の私たちのありかたのひとつの参考になることが見えてくるように私には感じるのです。

51コラボオンライン講座「ケルト、癒しと再生の森」
https://51collabo.com/?page_id=35053


2周目:「映画館へ行こう!」
3周目:「清々しいメロディに紡ぎだすハート」
4周目:「刺激的な人物がいた!」
5周目:「人の変化で時代を感じる」
6周目:「ひまわり大作戦」
7周目:「雑感」
8周目:「あらためて「プラス発想、素直、勉強好き」を・・・」
9周目:「想いは実現するということの私なりの解釈」
10周目:「宮沢賢治と手帳」
11周目:「防災の心得」
12周目:「書と陶の融合・・・私探しの旅に出て私になる」
13周目:「麻について」
14周目:「歩くことが楽しくなってきた」
15周目:「工夫をしよう!」
16周目:「アルゴ」
17周目:「私が過ごした本物研究所について」
18周目:「「笑いとばせ」という感性」
18周目:「「ありがとう」の言葉の力」
19周目:「美術館は妖怪ブーム」
20周目:「インフレ時代到来か?」
21周目:「20代の仕事の思い出」
22周目:「舩井幸雄が遺してくれたもの」
23周目:「まっ直ぐなやさしさ」
24周目:「山口敏太郎さんという方にお会いした印象」
25周目:「突出したことをしないでセミ・リタイアした男性」
26周目:「「精麻」で幸運を呼び込む」
27周目:「新春はこの人に注目!」
28周目:「20年前を振りかえる」
29周目:「新しいことをやるには……」
30周目:「月並みですが持続のコツ」
31周目:「やってみて気づく」
32周目:「運を味方にするサイトがオープン!」
33周目:「雑感」
34周目:「セルフ・ブランディングの時代を感じて」
35周目:「絶望と無気力の淵から立ち上がって・・・」
36周目:「今から、ワクワクしています!」
37周目:「スピ・サミ・レポート」
38周目:「3・3・3の原則」
39周目:「この人、イイね!」
40周目:「エジプトに行ってきました!」
41周目:「違和感を感じる自分」
42周目:「スピリチュル・サミットの季節が・・・」
43周目:「禅を新発見」
44周目:「道教」
45周目:「ゴッズ・オブ・エジプト」
46周目:「タオという宇宙観」
47周目:「ドラゴン・イン台湾」
48周目:「テレサ・テンは菩薩だった!」
49周目:「宮沢賢治の言葉に触発されて」
50周目:「新しい女性美の提案企画スタート!」
51周目:「響」
52周目:「イスラエルに行き感じたこと」
53周目:「不思議な施術体験、すごかった!」
54周目:「次元上昇」
55周目:「呪詛大国日本」
56周目:「遥かなるイスラエルへの旅」
57周目:「伊勢神宮の月次祭を奉拝して」
58周目:「古本屋で昔、買えなかった本に出合う」
59周目:「カバラの衝撃」
60周目:「女神の時代へ」
61周目:「フェニックス=火の鳥=鳳凰」
62周目:「不思議大好き!知られざる日本」
63周目:「今、最も注目される哲学者は何を語るのか?」
64周目:「奇想のクリエイティブ」
65周目:「熱き心の姿勢が多くの人に希望の火を灯す」
66周目:「チベット死者の書」
67周目:「100年以上前にチベットで修業した僧侶の話」
68周目:「世界にはすごい聖地があるもんだ」
69周目:「極限状態から起こる気づきの嵐」
70周目:「ミャンマーに行ってきました」
71周目:「ヴィパッサナー瞑想の聖地へ」
72周目:「魂が喜ぶ瞬間へ」
73周目:「イスラエルを巡る3つの謎」
74周目:「幸運は準備している人に訪れる」
75周目:「ゴーイチプレミア」
76周目:「協力と情報共有」
77周目:「オンライン化の波」
78周目:「魔術的要素があるという古代ルーン文字」
79周目:「数字の持つ神秘な側面」
80周目:「エジプトに注目」
81周目:「女神の知恵を取り入れていく時代へ」
82周目:「エジプトの息吹を感じる」
83周目:「聖書に隠された数の暗号の秘密とは?」
84周目:「カバラって複雑で難しいけど興味深い」
85周目:「紫微斗数(しびとすう)ってご存じですか?」
86周目:「コロナ禍の状況下、絶体絶命下で開かれた叡智の光がヒントになる?」
87周目:「私という謎と数の関係性」
88周目:「ケルト文明の謎に惹かれて」
89周目:「アーサー王伝説について」
90周目:「2つの「死者の書」と死んだらどうなるのか?」
91周目:「ケルト巡り」

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