ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

このページは、社会分析アナリストで著述家のヤス先生こと高島康司さんによるコラムページです。
アメリカ在住経験もあることから、アメリカ文化を知り、英語を自由に使いこなせるのが強みでもあるヤス先生は、世界中の情報を積極的に収集し、バランスのとれた分析、予測をされています。
スピリチュアルなことも上手く取り入れる柔軟な感性で、ヤス先生が混迷する今後の日本、そして世界の情勢を予測していきます。

2023.08.01(第114回)
アメリカ経済は不況にならないのか?

 ウクライナ情勢の実態が日本で報道されることはまずない。この未報道の状況は、経済についてもそうだ。特にアメリカ経済については楽観的な報道ばかりが目立つが、やはり実態は異なっているようだ。
 確かに、米経済に関しては景気の拡大を示す数値が多い。アメリカの6月の消費者物価の伸び率は3.0%で、12か月連続で伸びが縮小した。一時は9%を越える高い伸びが続いていたアメリカの物価上昇の勢いは、だいぶ落ち着いてきた。また失業率も3.6%と低く、個人消費も伸びている。これを反映して、株価も一時過去最高値まであと5%の水準にまで達した。
 また、「FRB」が発表した最新の調査結果で、製造業の活動が増加し、5月は製品の新規注文が前月比で1.7%プラスと、3カ月連続で増加したことがわかった。さらに消費者信頼感も回復している。「全米産業審議会」は消費者信頼感指数が6月に109.7に上昇し、2022年1月以来の最高値となったと述べた。
 このように、どの数値を見てもアメリカの景気が拡大していることを示している。景気が拡大している大きな理由は、一時は9%台にもなっていたインフレが、3%にまで下落したことである。アメリカではパンデミックで拡大したリモートワークと、フリーランス化のトレンドが背景になり、企業が必要な人員を集められなくなっている。慢性的な人手不足が常態化している。
 このため賃金は継続的に上昇していた。しかし、インフレ率が9%と非常に高い状況では賃金の上昇分がインフレに相殺されてしまい、実質賃金は逆に下落していた。ところがインフレ率が3%と落ち着いたので、賃金の上昇率の方が高くなったのだ。この結果、実質賃金は上昇し、個人消費が拡大したのだ。これがアメリカの景気拡大の中心的な要因であると説明されている。

●年内から2024年の早い時期に不況になる可能性
 しかし、米国内のメディアをくまなく調べると、年内か2024年の始めには不況に入るとする予測がかなり多いことに気づく。例えば、「JPモルガン・アセット・マネジメント」のアナリスト、ジョナサン・リャンは次のように予測している。
「米国は今年末から2024年にかけて景気後退に向かう可能性が高いと考えています。銀行のバランスシート、特に米国の地方企業のバランスシートは、やや欠陥のあるままであり、銀行融資を再開するためにはまだ修復が必要であるため、その主な原動力は信用状況の引き締めになると考えている。したがって、信用状況の悪化が米国を景気後退に導くと考える。今年末から来年初めにかけて、米国は景気後退に転じるだろう」

「FRB」はこれまで連続10回にわたり金利を引き上げてきた。現在の金利は5.25%になっている。この金利高騰の影響は時間差で現れ、ローン金利や企業融資の金利上昇から信用の収縮が起こるだろうということだ。この専門家の予測を証明する数値は意外に多い。
 例えば、将来の経済活動を予測する指標である景気先行指数は、5月の0.6%減に続き、6月も0.7%減の106.1となった。これは、2007-09年の景気後退に向けた準備期間以来、最長の連続低下となった。6月の低下率は、ロイターの世論調査でエコノミストが予想した0.6%低下の中央値を上回った。これは、すでに米国が景気後退に入っている可能性を示唆している数値である。
 景気先行指数の収縮は今年に入って加速しており、2022年6-12月期の3.8%減に対し、過去6ヵ月間では4.2%減となっている。

●消費者の否定的な見通し
 こうした否定的な観測は、消費者の実感にも現れている。世論調査会社、「Numerator」の最新の消費者感情調査によると、アメリカ人の63%が現在アメリカが不況にあると感じているという。さらに、この月例調査の回答者1000人のうち63%が、米国経済は今後数ヶ月で悪化すると考えている。
「Numerator」によれば、消費者の悲観的な見通しを後押ししているのは、さまざまな懸念である。ひとつは、過去12ヶ月の消費者物価指数(CPI)が着実に低下しているにもかかわらず、世論調査対象者の73%がインフレ率の上昇を予想していると答えたことだ。
 調査対象となった消費者の59%が、ガソリン価格の上昇によって他の買い物をする能力が圧迫されていると回答したことを指摘した。61%が経済的懸念として燃料価格の上昇を挙げたが、72%が必要不可欠な商品やサービスの価格上昇を懸念として挙げた。

 また、ウクライナでの戦争がまだ続いていることから、18%が米国経済への潜在的な悪影響として世界の出来事を指摘している。その他の懸念としては、退職金/年金制度への悪影響(42%)、政府給付の削減(31%)、株式市場の不安(27%)、雇用の安定/失業(19%)などが挙げられた。
 このような不安が背景になり。世論調査対象者のうち、70%が贅沢品やプレミアム商品・サービスに支出することに抵抗があると回答した。同様に、60%以上が預貯金口座からの引き出しに抵抗があり、半数が株式市場への投資に抵抗がある。
 回答者は今後数ヶ月の間に、レストラン/バー/フードデリバリー(39%)、旅行(37%)、衣類(34%)、電化製品(33%)、スナック/キャンディー(25%)、おもちゃ/ゲーム/美術工芸品(25%)、アルコール(22%)、健康/美容ケア(19%)、家庭用品/園芸用品(18%)、家庭用品(15%)への支出を抑える予定であることが明らかになった。一方、30%は支出を減らすつもりはないとしている。

●不況入りを示すリアルな状況
 このような状況を見ると、アメリカの景気の拡大がこれから順調に続くとは考えにくい。まず「FRB」による金利の引き上げから、時間差で信用収縮が起こる可能性はある。それらは、商業不動産の破綻、ローン金利の上昇による中小企業の経営悪化、そして地方銀行の破綻懸念である。これに消費者心理の冷え込みが重なり、個人消費が縮小するという現象だ。ということでは、現在の景気のよさは、金利上昇や消費者心理の冷え込みといったことが、時間差で現れる前の一時的な現象であるのかもしれない。
 こうした状況は、アメリカ国内のリアルな状況にも現れている。「全米不動産協会によると、6月の中古住宅販売件数は5月に比べ3.3%減少し、季節調整済み年率換算で416万戸となった。昨年6月と比較すると、販売件数は18.9%減少した。これは2009年以来、6月としては最も遅い販売ペースである。

 住宅販売は過去10年以上で最低の水準に達し、今年上半期に売買が成立した物件は全体のわずか1%に過ぎなかった。2009年6月は、まさに住宅クラッシュの真っ最中だった。これは、金利上昇のため、住宅ローンの金利が7%にもなっていることが原因だ。
 また、ホームレスの数も増大している。全米の各自治体から提供されたデータの分析によると、1月現在、全米の大都市20都市では、子供のいる家庭で72,700人がホームレス状態にあり、前年比37.6%増となっている。シカゴ、コロンビア特別区、テキサス州フォートワースでも大幅に増加している。
 さらに、異常気象による凶作や不作が農産物価格を将来引き上げる要因にもなる可能性も指摘されている。例えば、サンベルト地帯では、長引く熱波によって気温が3桁まで上昇し、農作物に熱ストレスを与える危険性がある。一方、中西部の穀倉地帯では、2年連続で干ばつに見舞われている地域がある。「米国干ばつモニター」によると、カンザス州の3分の2近くが深刻な干ばつ、極端な干ばつ、または例外的な干ばつに見舞われており、ミズーリ州とネブラスカ州の約半分も同じような荒れた状態である。

●不況から新たなシステムの導入か?
 このように見ると、やはり年内か2024年の早いうちにアメリカは不況に入る可能性は大きいように思う。すでにドイツ、フランスは不況入りし、さらに政府は認めないものの、数値ではイギリスもすでに不況に入っている。2024年は厳しい年になるのではないだろうか?
 そして、そうした状況で「中央銀行デジタル通貨(CDBC)」の導入と現金の流通禁止による新しい経済システムの導入へと向かう可能性はあると思う。これは、国家が国民を管理する高度管理社会のシステムになることだろう。
 コロナのパンデミックやウクライナ戦争の勃発もそうだが、状況はあっと言う間に一挙に激変することがある。いまのアメリカの好景気が、一挙に逆回転することだってある。潮目が変化する兆候をいち早く捕らえ、伝えるつもりだ。

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コロナのパンデミックは収まっているが、やはり大人数での勉強会の開催には用心が必要だ。今月の勉強会も、ダウンロードして見ることのできる録画ビデオでの配信となる。ご了承いただきたい。

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Profile:高島 康司(たかしま やすし)
高島 康司(たかしま やすし)

社会分析アナリスト、著述家、コンサルタント。
異言語コミュニケーションのセミナーを主宰。ビジネス書、ならびに語学書を多数発表。実践的英語力が身につく書籍として好評を得ている。現在ブログ「ヤスの備忘録 歴史と予知、哲学のあいだ」を運営。さまざまなシンクタンクの予測情報のみならず、予言などのイレギュラーな方法などにも注目し、社会変動のタイムスケジュールを解析。その分析力は他に類を見ない。
著書は、『「支配−被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる』(2011年1月 ヒカルランド刊)、『コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル』(2012年2月 徳間書店刊)、『日本、残された方向と選択』(2013年3月 ヴォイス刊)他多数。
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★ヤスの英語: http://www.yasunoeigo.com/

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