トップが語る、「いま、伝えたいこと」
今年2月17日に『船井メディア誌』の「イヤシロチ探訪」で、下田を訪ねました。私は、昔からなぜか吉田松陰や佐久間象山に惹かれて仕方がないのです。下田は数え年25才の松陰が、ペリーの船を訪ね、「アメリカへ連れて行ってほしい」と頼みこみ、それがもとで死罪になったところです。そこでペリーのもとへ強引に行く前に、何日間か滞在した蓮台寺温泉の村山邸を2月17日に訪問しました。
当日は、実に親切に村山邸内を案内してもらい、松陰のことも説明してもらったのですが、この時私が一番びっくりしたのは、松陰の25才の時の肖像画なのです。
顔が長いのと、どこから見ても青年らしくなく、50〜60才の顔に見えるのです。案内してくれた人は「人生が50年の時代ですから」という説明をしてくれたのですが、気になって仕方がなかったので、半月あまり幕末から明治初期の人々の写真などを調べました。
そしてようやく納得したのです。
明治初年の日本人の平均寿命は40才ぐらいと思われます。乳幼児の死亡率が高かったとしても、成人した人の平均寿命も45才弱だったようです。
ちなみに地球人口は、1万年前に約500万人、4000年前に5000万人、2000年前に2億人、300年前(西暦1700年)に6億人、200年前に9億人、100年前に16億人、いま65億人です。
そして地球人の平均寿命は、4000年前に18才、2000年前に22才、600年前に35才、50年前に50才、いま65才(ただし日本人は82才)と、いわれています。
最近、急速に人口が増え、寿命が延びているのがわかりますが、これは科学が発達したおかげだと思われます。
私はいま73才ですが、私の幼少時、60代はじめの祖母、70代はじめの祖父は、本当に老人でした。祖母は数え年63才で、祖父は73才で亡くなりましたが、「永生きをした」と言われていました。
それに比べると、いま満年齢で73才の私や64才の家内は、見かけも実際もはるかに祖父母よりも若く感じますが、これは衣食住や医学の進歩のせいと思われます。
昭和初期の日本人の衣食住や医学状態と、現在のそれらは本当に格段の進歩です。
それらを思い出し、幕末の松陰の肖像画の「びっくり」から、ここ100年余りの科学と生活水準の進歩をつくづくありがたいと「びっくり」しなおしたのが、先週でした。
これは、虫歯で歯がぬけた顔を、想像しただけで老人くさくなるという一事でもっても、皆さんにも納得していただけると思います。
数十年前、われわれは、いまから考えると、まだいたって恵まれない生き方をしていたのです。
この「ありがたさ」を忘れていたことに、あらためて「びっくり」をしました。
読者の周辺にいらっしゃる70才以上の方々に、それらの人の若い時の生活ぶりをぜひお聞きください。私を含めて、いまの人々が聞くと、びっくりするような毎日を、いまの高齢者は若い時には送っていたのです。
そして現在に生きていることに感謝してほしいと思います。
=以上=
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