トップが語る、「いま、伝えたいこと」
私の親友に工学博士の五味隆志さんがいます。
日本で最先端を行くロボット博士ですが、日本の学者も日本の大企業も、彼の考え方や技術を活用しようとしないようです。これにはびっくりです。
いま、世界一のロボット学者は、MITのコンピュータ科学、人工知能研究所所長のロドニー・ブルックス博士です。五味さんは、ブルックスさんの親友です。
かつて、五味さんとともに私の執務室に訪れたブルックスさんは、私の部屋にパソコンがないのを見て、「どうして、あなたは経営者業をやっているのだ」と興味深げに問いかけました。
いまも私の執務室にはパソコンはありませんが、その答は別にして、その時ブルックスさんは、「コンピュータ理論(ロボット理論)では私は、ドクター五味より進んでいると思うが、技術では彼にはかなわない。どうして、このドクター五味が日本では活用されないのだろうか?」とも言いました。数年前のことです。
五味さんやブルックスさんは、その時点で「第8世代コンピュータ」の研究に取りくんでいて、ロボットに感情や意識を持たせることに、ある程度成功していたのです。ちなみにいまでも、日本のロボットは「第4、第5、第6世代コンピュータ」のようです。
その後、五味さんの技術は、日本国内では、農水省や建設省の現場で細々と活用されてきましたが、その効果は、びっくりするようなものだ・・・ということです。
ところで、今年1月30日にロドニー・ブルックスさんの著書が五味さんにより『ブルックスの知能ロボット論』という題名で訳され、オーム社より出版されました。先週、ようやく読み終りましたが、結論は「原理的には機械も感情を持ちうる。・・・その延長として意識や意志を持つことも可能だ」ということを説明した本といえます。その面では、現にブルックスさんも五味さんも実績をつみ重ねているもようです。
ともかくびっくりすることです。
この2人の天才の言に、できれば日本人も耳を傾けてほしいものです。興味のある方は、ぜひ同書を御一読ください。
以下に同書に掲載されているブルックスさんと五味さんの経歴を紹介しておきます。
■Rodney Allen Brooks (ロドニー・ブルックス)
1954年オーストラリア生れ。77年フリンダース大学(修士)、81年スタンフォード大学(博士)、同年MIT人工知能研究所研究員、84年同助教授。86年サブサンプション・アーキテクチャを提唱、90年iRobot社の前身Creature社創立。91年「コンピュータと思考賞」。93年同研究所副所長・正教授、97年同所長、2003年MITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)所長。現在iRobot社創立会長・主任技術役員を兼職。
■五味 隆志
1967年早稲田大学大学院理工学研究科博士課程終了。71年カナダ・アルバータ州立大学大学院助手。73年ペル・ノーザン研究所研究員。 83年アプライド・AI・システムズ社創立、社長。95年(株)AAIジャパン創立、代表取締役。97年福井大学客員教授、2000年琉球大学客員教授、2002年カナダ・グエルフ大学客員教授。工博(北大)。
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