トップが語る、「いま、伝えたいこと」
いまから24年前、1982年にPHP研究所から発刊されてベストセラーになった拙著『船井幸雄の人生五輪の書』が、7月1日刊グラフ社から『船井幸雄 生きざまの原点』という題名で復刊れます。若い人が、この本を読むと、目をかがやかせるからですが、私としてはびっくりです。以下は先週校正を終った同書の「あとがき」の文章です。私の本音です。ぜひお読みください。
いま私は73歳になりました。
どういうわけか私は、いまの多くの若い人には想像もできないような人生を送ってきたと思います。たとえば、13歳ごろからいままで、働きづめだったのです。もちろん、上手に働くために、いやおうなく学びました。
いわゆる働くことと勉強すること以外は、余暇、すなわちレジャーや観光、文化などとはまったくと言っていいほど無縁な人生を送ってきたのです。この60年問、終日休まねばならないような病気にもならなかったので、おそらく「働くこと」と「学ぶこと」から無縁だった日は、一日も無かったと思います。他の人と比べると、フシギな人生です。これは、いまも変りません。
私は仕事を通じて多くの人の人生、特に経営者というもっとも変化にさらされる人たちの、何千人もの赤裸々な人生をいやおうなく知らされました。そのために働き、学んだと言えるくらいです。
したがって、人間として生きるために根元的なことや世の中の仕組みについて、徹底的に知りました。ただし、それら以外のことは、ほとんどなにも知りません。私はこんな人間なのです。
最近の20年ほどの間で、このような人間である私が知ったことの中に、「競争はつまらない。人生で勝ち負けにこだわるほどばかげたことはない」ということがあります。
また「お金やエゴの追求は必要だが、最低限でよい」ということもあります。
さらに、生きるうえで人間は@約束は守らねばならない。A恩義は忘れてはならない。B他人のいやがることはしない方がよい。しかしこれら以外のことには、できるだけこだわらないで生きた方がいいという「生きざま観」もあります。
現に私は、このような考え方で生きています。その結果、いまも忙しく、余暇時間もなく、無趣味ですが、非常に幸せなことも事実です。
私の生きざまについて、昔もいまもよく人さまから批判されたり悪口を言われますが、いまでは、気にならなくなりました。しかし、本書の原本を書いた24年前は、気になって仕方がなかったのです。
なお、24年前も、いまも、私は人さまの悪口を言うことはありません。しかし24年前は、競争やケンカによく勝ったがゆえに、負けた人の足をよく引っぱっていました。いまは、人さまの足を引っぱるようなことはないと思っています。
これらは、最近の24年間の経験と勉強のおかげによる変化ですが、私はいまの私の生きざまも、24年前の生きざまも、それなりに肯定しています。若い時は激しく強者、勝者をめざしてがんばってこそよかったのです。
私の最近の考え方については、ほとんど毎日、情報を発信している私のホームページ
(URL:http://www.funaiyukio.com)を御覧いただくと、もっともよくわかると思います。拙著では、経営につきましては「まちはよみがえる」(2006年2月24日。ビジネス社刊)、多くの人への提言としては「百匹目の猿現象を起こそう」(2006年5月15日。サンマーク出版刊)、時流認識については「これから5年、いよいよ正念場」(2006年6月30日。徳問書店刊予定)などの私の新著を御一読ください。
本書により、読者の皆さまがより幸せな輝かしい人生を歩まれるようになれば、著者としてこれ以上の喜びはありません。
最後に、本書を再び世に出すことに協力いただいたPHP研究所やグラフ社の皆さまに、心からお礼を言い、ペンをおきます。
2006年5月5日
自宅書斎で 著者(転載ここまで)
=以上=
2006.06.28:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】なぜ『いよいよ正念場』という本を書いたか
2006.06.26:【主な行動と主として感じたこと】船井幸雄の先週(2006年6月18日〜6月24日)の主な行動と主として感じたこと
2006.06.23:【先週のびっくりより】『にんげんクラブ』6月号の日比さんの発言
2006.06.21:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】神坂新太郎さん特別講演会のこと
2006.06.19:【主な行動と主として感じたこと】船井幸雄の先週(2006年6月11日〜6月17日)の主な行動と主として感じたこと
2006.06.16:【先週のびっくりより】直感力研究会
2006.06.14:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】今月下旬発刊の『これから5年、いよいよ正念場』の「あとがき」
2006.06.12:【主な行動と主として感じたこと】船井幸雄の先週(2006年6月4日〜6月10日)の主な行動と主として感じたこと
2006.06.09:【先週のびっくりより】24年前のベストセラーが復刊される
2006.06.07:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】いよいよ正念場が来た
2006.06.05:【主な行動と主として感じたこと】船井幸雄の先週(2006年5月28日〜6月3日)の主な行動と主として感じたこと
2006.06.02:【先週のびっくりより】体調をよくする装置が続出