トップが語る、「いま、伝えたいこと」
先週11月24日に久しぶりに森木 亮さんと、ゆっくり話しました。
最近の私は、彼の近著の『2008年 IMF占領』(2005年 光文社刊)と『日本国破産への最終警告』(2006年 PHP研究所刊)を読んで、「森木さんはやはり天才だ。発言は正しい」と判断していました。
後著には、「日本国は最終破産前夜だ」というページがあります。とりあえずそのところを紹介します。読んでください。
◆日本国は最終破産前夜だ
明治維新から138年たつが、この間、日本は二回も国家破産を経験している。
一回目は日露戦争勃発(1904年=明治37年)から第一次世界大戦のさなか(1916年=大正5年)までの12年間である。
二回目は、満州事変勃発(1931年=昭和6年)から太平洋戦争が終わった年(1945年=昭和20年)までの14年間である。
過去二回の国家破産は、いうまでもなく戦争が原因だった。膨大な戦費をまかなうため、多額な負債を抱えこんだからである。このため、国民は大増税と超インフレに襲われ、過酷な生活にさらされた。当然のことながら、国民が買わされた国債も、乏しいなかからお国のために預けた郵便貯金も紙くずとなった。わずかに残った財産も、日常生活を維持するだけの食料や燃料や衣類に替わったのである。
そういう国家破産の時代がみたび訪れようとしている。
すなわち三回目の国家破産はすでに1999年(平成11)に始まっている。それから今年は7年目だ。
財政学では財政爆発曲線に入ると、その国はやがて破産するといわれる。
財政爆発曲線とは一言でいえば、その年に返さなければならない国の借金総額がその年の税収の何倍になっているかという指数である。国の借金総額とは、具体的には国債の利子と満期がきた国債を精算するために発行される新たな国債=借換債の合計だ。
たとえば、ある年に48兆円しか税収がないのに、その年に返さなければならない利子と借換債の合計が130兆円ならば「2.708」という数字が出る。これを指数化するために100をかけると270.8となる。これを財政爆発指数という。
現実の日本にあてはめて見てみよう。
2005年度(平成17年度)の政府予算では、(利子9.3兆円+借換債103.8兆円)÷税収47兆円=2.406となる。これに100をかけると240.6だ。しかし、本当は分子に「隠れ借金」を入れて計算すべきだ。隠れ借金とは、財政投融資からの借り入れのことで、国会の議決を必要としないから、隠れ借金などといわれる。
まあ、そこはとりあえず厳しく詮索しないでも、財政爆発指数が240.6というのは、実はとんでもない指数なのである。
私は、この財政爆発指数が300に近づいたとき、日本の財政的な国家破産が、誰の目にも明らかになるのではないかと判断している。
私の予測では、2008年度(平成20年度)には、[(利子22兆円+借換債119兆円)÷税収48兆円]×100=294となる。
2008年とはどういう年だろう。7月には日本でサミット(先進国首脳会議)が開かれ、8月8日午後8時には北京オリンピックが開幕する。
そういう年に日本の国家財政は破産する。しかし、世界経済そのものは明るくなる見通しで、株価も上昇するはずだ。だから私は、利子を2005年の約2倍に想定した。株価が上がれば、現在1.5%である十年物国債の長期金利も倍になると想定しなければいけないからだ(転載ここまで)。
つぎに破産するとどうなるかですが、それはIMF(国際通貨基金)の管理下におかれるようになる・・・ということですが、すでにそれはネバダ・レポートとして、2002年2月14日に、竹中平蔵さんが国会で、その存在を認めたので周知になっています。つぎのようになる可能性が大きいのです。
(一) 公務員の総数および給料の30%カット、ボーナスはすべてカット
(二) 公務員の退職金は100%カット
(三) 年金は一律30%カット
(四) 国債の利払いは5年から10年間停止
(五) 消費税を15%引き上げて20%へ
(六) 課税最低限を年収100万円まで引き下げ
(七) 資産税を導入して、不動産に対しては公示価格の5%を課税。債券・社債に対しては5〜15%課税。株式は取得価格の1%課税
(八) 預金は一律にペイオフを実施するとともに、第二段階として預金額を30〜40%カットする
財政学のエキスパートである森木さんとの、話しは楽しかったのですが、「多分、多くの日本人は、このことを知らないのだろう。だから小泉内閣を支持し郵政民営化に賛成したのだろう」と気がつき、私は言論人として、このような大事なことを知らそうとしなかった自分の怠惰さに気づき、2日間くらい睡れませんでした。
「私も日本人だなあ」と、つくづくびっくりしたのですが、ぜひ森木さんの近著を一冊くらい読み、危機感を持ってほしいと思います。常識的には、彼の言は正しいと言えます。ついでに、’97年に国家破産し、IMFの管理下に入った韓国のその後を勉強すると、国家破産の大変さが、よく分ります。たとえば33あった銀行が三つに減ったのです。
=以上=
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